教習日記其之十一 セット教習

四輪の免許を持っていて、二輪免許を取るとなれば基本は技能教習がメインとなる。その中に1時間だけ学科教習が組み込まれており、さらにシミュレーター教習も併せて行うために『セット教習』が設定されていて、2時間通しでの教習となる。

二輪教習をスタートしたときは派手に勘違いしており、学科教習を先に終わらせようと思っていたが、実際は第二段階、しかもセット教習としての受講となる。

まず4回目のシミュレーター教習(使用機は三菱プレシジョン二輪車シミュレータ RS-6000)で、事故を起こしそうなシチュエーションが多数織り交ぜられている。今回は3人での教習で、1人が運転、残る2人が危なそうなシーンをメモし、同時に対策を考えていくという、典型的危険予知トレーニング。

会社で散々行っているKYTトレーニングをプライベートでもやることになり、これだけでも精神的な疲労感を覚えるところだが、いいのか悪いのか、職業病が発動。せっせとメモをして、後のグループディスカッションに備えておく。

合計3人のシミュレーション運転で、50分はあっという間に過ぎる。10分休憩を挟み、2時間目はグループディスカッションと二人乗り運転についての動画視聴。

このあたりも会社でやっているKYTトレーニングに含まれてくるので、発言や対策案は極めてスムーズに進む。最終的な目標、方針は『スピードを抑えて、車間距離を開けて』という、原点の答えが出る。

残った時間は二人乗り運転を解説する動画を見る。これまた古い動画で、ESシビックフェリオが出てくるあたり、2000年代前半の動画のようだ。そんなところで年代判定をしつつ、危険な運転の紹介、2ケツしているときの車体挙動の変化具合を視聴。免許取得から1年は二人乗りができず、高速道路になると3年が経過しないとダメで、このあたりは二人乗りで運転する予定は全くないので、知識として覚えておけばいい。

これでセット教習は終わり。次は2回目の急制動教習、何事も無ければ第二段階最後の乗車…みきわめ。

教習日記其之十 急制動1回目

バイク教習は後半戦に突入しており、いよいよ急制動。事故回避に関係してくるスキルでもあり、2時間分を行うとのこと。バイクに乗っている人にいろいろ話を聞いてみたところでは、三者三様といった具合。

ウォーミングアップ走行で、実際に急制動を掛ける地点で止まって現地チェック。

バイク教習、急制動区間の配置

このような配置。図に書いた丸印(現地はパイロン)地点に3速40kmhで進入、強めのブレーキを掛けて11mで停止する。雨で路面が濡れているときは14mに伸びる。この時はエンストしてOKで、転ばず、制動距離が伸びなければクリア。

急制動に失敗し、派手にすっ飛んでいく教習生もいるそうで、普段はヘラヘラしている指導員も気を張っている。急制動を行う時のワンポイントアドバイス…40kmh以上のスピードから惰性で進入することや、場内ルール(右手を挙げて、他の教習車両を止める)を指示され、いざスタート。

パイロンまでに40kmhに到達するのではなく、短距離で45kmhに達し、あとはスロットルを閉じ気味にしつつ軽いエンジンブレーキを伴って急制動区間に進入、パイロン目標にフルブレーキ…?まさかの8m以下で停止、タイヤロックやジャックナイフになることはなく…?

「短すぎです」とのお言葉。だろうなぁと思いつつ、コースをグルリと回って、再トライ。今度は「速すぎです!」ということで、メーター読み50kmhで進入しており、やはり11m以下の制動距離。止まり過ぎるとは、いろいろとマズいかもしれない。ちなみに、同一枠で一緒になっていた教習生、転倒。バイクも破損してしまい、乗り換えるという事態に。

何度か繰り返していくうちに、この急制動の類は経験していることに気づく。恐らくモトクロス、MTBでのダウンヒル、四輪でのサーキット。それぞれの乗り物とシチュエーションにおいて、タイヤをロックさせることなく、なるべく最短距離で制動しなければならず、自然と身についていたのかもしれない。

フロントブレーキとリアブレーキをバランスよく、それでいて急激に制動力を発揮させて一気に減速、11m先の停止限界線に向けてブレーキを緩めていく。よくよく考えてみれば、相当昔に習った古い鉄道車両のブレーキ手法…『一段制動階段緩め』そのもの。

あっという間の1時間で、終わってみれば「ここまで安定して止まれるのはとても珍しい」「だいたいがスピード不足、距離オーバーなのに、全くの逆で驚きました」とのこと。いや、ここで慢心してはならないわけで、そういうもんですかねーと当たり障りのないの返答。

ちなみに「一本橋はもっと時間を短くしましょう」と今さらのアドバイス。規定7秒以上なのだから、それを大幅に上回る超ローペースで渡っていることがようやくバレた。

次は3回目かつ最後のシミュレーター教習、そして唯一の学科教習が合わさった『セット教習(危険予測教習)』。この都合から、今日も1時間のみの乗車となった。

教習日記其之九 シミュレーター教習2回目

第二段階ではシミュレーター教習が3回組まれており、今日は2回目。

この教習所はバイクのシミュレーターが2台あり、1台目は三菱プレシジョン二輪車シミュレータ RS-6000、2台目はホンダの『安全運転教育用二輪ライディングシミュレーター』となり、本日はホンダのシミュレーターを使う。

HONDA 安全運転教育用二輪ライディングシミュレーター

▲画像は安全運転教育用二輪ライディングシミュレーターをマイナーモデルチェンジし発売より引用。

このモデル。2008年12月以降から使われ続けているためか、実機はけっこうボロボロ。これ一台でバイクのサイズ問わず、ATとMTの両方に対応している。

今回のシミュレーションでは、速度の違いによるカーブの曲がりにくさと、事故を起こしやすいシチュエーションを学ぶ。事故については、右直事故、左側からの巻き込み事故、十勝型事故(コリジョンコース現象)の三種類。

シミュレーションなので、次の交差点が事故るポイントだろ?と分かってしまうのがアレ。とはいえ、学習する意味では、積極的にぶつかっていくしかない。実際、右直事故は目の当たりにしたことがあるし、左側からのすり抜けでは職場のリーダーが旅立っているわけで、全く疎かにできない内容。

十勝型事故(コリジョンコース現象)について。北海道十勝平野の、平坦で広大な田園地帯が広がる場所で衝突事故が多発したことにより『十勝型』とありがたくない通称名になったが、何も北海道に限らない。見通しのいい交差点ならどこでも発生する可能性があり、何もないところこそ、積極的に頭を右に左に動かして、左右の視界を幅広くすることが重要。

予約の都合から、今日はこのシミュレーター教習の1時間のみ。

教習日記其之八 1時間追加

第二段階の技能教習、実車スタート。

第一段階と異なり、第二段階は練習用コースが2パターン用意され、1号コースと2号コースと称する。「今日は1号コースですねー」と指導員から確認が入り、1号コースの周回スタート…する前に、コーナリングの再練習とのこと。はて?

特定のカーブにおいて、3速で一定スピードを維持したまま曲がるというもの。より深く車体をバンクさせつつカーブを走り抜けて、なるほどこれは面白いな!と感激して、この一回でコーナリングの再練習は終わり。ではさっそく、1号コースに復帰する。

踏切の通過は第二段階からで、運転の基本は四輪と全く同じ。一旦停止し左右確認、踏切通過中はシフトチェンジしない。

坂道発進は特に問題なく、長らく懸念事項の一つであった一本橋の通過についても、一度も落ちることなくスムーズに渡り切る。ここにきてついにコツを掴み始めたか?渡れる!と思ったときは確実に渡れる。

練習コースが長くなったとはいえ、基本は第一段階の練習コースの拡張版。コースに慣れてきたタイミングで1時間目が終わり、予約が取れなかった本日は、これで終わりになる流れだったが。

「キャンセル出て空きあるんですよ、窓口で手続きしてくれば乗れますから」とのこと。体調が落ち着いている今なら、もう1時間教習を受けるだけの気力はある。一コマ進めておく。

「次は2号コースになります。先ほど1号コースを覚えたばかりで、ごっちゃになりますが、とりあえず行きましょー」と2号コースを案内される。やたらとフレンドリーな指導員で、コースの覚え方や走り方をよく教えてくれるので、とにかく走りやすい。いよいよ二輪の操作に慣れてきたことで、とうとう「カーブの速度を少し抑えましょう」と。

もちろん自覚症状があって、加速操作とカーブの走行がラフになってきており、これが危ない運転の第一歩と再認識。基本に立ち返って、慎重に運転することを心掛ける。

坂道発進、一本橋共に良好。特に後者、一本橋の通過が問題なく渡り切れるようになると、嬉しいものがある。また、コースを間違えたときは「動揺せずに、いつもと同じ感覚で運転してください。道は戻ることで正しい方向に走れますから」と非常にポジティブなアドバイス。

涼しくなって、二輪の技能教習が受けやすくなったのか、2時間目は大混雑。指導員すら「今日はヤバいくらい多い」と呟くほどで、一本橋とスラローム、坂道発進がまとまっている区画は二輪車だらけになっていた。

2時間分進められたので、次は再びシミュレーター教習。急制動の教習が近づいてきている。

教習日記其之七 第二段階スタート

昨日の想定どおり、強い疲労感と胃の不快感を伴った朝だった。

今日からバイクの技能教習は第二段階となり、その一発目はシミュレーターを使った教習で、第一段階の後半で使用したWindowsXPベースのものを使用する。「既に四輪持っているんで、法規走行のおさらいですねー」とのこと。

シミュレーションコースは3種類用意され、それぞれを走って問題点はないかチェックされる。結果は「概ね良好です」と。もちろん、完全に忘れている部分もあって

道路状況―
→片側1車線の道路で、信号機のない横断歩道に差し掛かる。横断歩道の直前に車が停車していて、しかも見通しが悪い。

正解―
→停車車両の側方を通過する際、一時停止。

私の運転では―
→徐行で右側をすり抜けた。実際は違反になる。

もし停車していた車の死角から人が飛び出てきたら、接触す恐れがある。横断歩道の前後5m以内は駐車も停車も禁止されているが「実際はいろいろありますよねー」と言葉を濁す指導員。路上駐車が続く道路で横断歩道があった場合、その直前だけは、一時停止しなければならないことになる。これだけでもスムーズな運転に程遠くなるわけで。

平日の昼過ぎだけあって、訪れている教習生は少なく、指導員の表情や動きも余裕があるのが印象的。構内放送では「予約なしで乗れます」と何度も告知されるあたり、配車に空きが多かったのかもしれない。

シミュレーター教習は問題なく終わり、さて帰ろうかと思ったら受付から呼び出し。いったい何事?と思って行ってみたら「空いているんで、これから乗ります?」と。しかし、事前予約が取れずにシミュレーター教習のみになってしまい、そのため最初からヘルメットやブーツといった装備品は一切持ってきていない。いきなり乗れると言われても、装備が揃っていない以上は無理。プラス、これから雨が降るとなれば、ますます乗る気はない。よって、今日は乗らないと告げて帰宅。

三菱プレシジョン 二輪車シミュレータ RS-6000

▲画像はYahoo!ショッピング 動産王の販売ページより引用。

WindowsXPベースのバイクシミュレーターとは、三菱プレシジョン二輪車シミュレータ RS-6000のこと。非常に古いモデルのようで、引用元のページでも2007年製という記載がある。教習所内では使い込んだ経年機で、画面焼けや車体部分の傷みがよく目立つ。

教習日記其之六 第一段階、(もう)終了

今日の二輪の技能予約は、1時間目がAT車教習、2時間目が『みきわめ』。

通っている教習所の傾向として、休日の朝の早い時間帯に行われる技能教習は、比較的年齢層が高め。若い衆は朝は寝ていたいからだろうか?実際、昼近くの時間帯になるにつれて、明らかに年齢層が低くなっていく。

そんな年齢層の違いを見つつ、乗車準備。MT教習であっても、AT車を体験しておくことは四輪の教習と同じ。乗車するバイクは、ホンダのビックスクーター『シルバーウイングGT』となる。

ホンダ シルバーウイングGT

▲画像はタンデムスタイルの教習車ってどんなバイクか知ってる?より引用。

「じゃ、エンジン掛けて出発しましょー」と、一切説明なし。ビックスクーターは重たいとか、安定性がまるで異なるからといった、普段の教習車であるCB400との違いについては何も告げられず。ひとまず、エンジンを掛けて出発。走り出しての第一声は「なんだこりゃ!」。

何をするにしても重たい、バランスの取り方が難しい、スロットルのレスポンスが悪い…ネガティブな部分ばかり見えてくる。ポジティブな部分といえば、ブレーキが自転車と同じ右フロント、左リアなので制動が馴染み深い、シフトチェンジが無いのが本当に気楽といった感じ。

地味に困ったのが一本橋で、どうやって安定させればいいのか分からず、2回は落ちた。ある程度スピードを出しておき、やはり視線は遠くにしておくと渡り切ることができる。スラロームやS字については、難なくクリアするものの、カーブに入る度に足に力が掛かっているあたり、ガチガチに緊張しているようだ。

次第に慣れてくるので、スピードを上げていき、車線変更ついでに惰行してみたりと、いろいろ試してみる。ちなみに、コースの指示は出されるものの、乗車中の指導は特になし。こうして教習所のコースをひたすら走り回って、1時間目のAT車教習は何事もなく終了。

2時間目はいよいよ『みきわめ』。…と言っても「いつもの練習コース、走りましょう」となって、すっかり覚えてしまった練習コースを走り続ける。ところどころで、指導員の「よし!」と声を掛けられるくらいで、あれこれ言われることは一切なし。やはりペアになった方のほうをメインに指導していて、私はコースの指示のみ。

坂道発進については見本にさせられ、分かりやすいようにオーバーかつ丁寧な操作を演じてみる。拡声器で、いろいろ指導している様子。

そういえば、CBの操作感覚が妙に違和感がある。ここにきて、一本橋から落ちること2回。先ほどのシルバーウイングGTの感覚が抜けていないのかもしれない。その割に、CBの軽さに感激して、スラロームでのバンクをより深くしていたりする。

個人的には、一本橋から落ちたことが散々な結果と思っていたが、みきわめは「問題なしっすねー」と合格(?)判定。これでいいのか教習所さんよ?と思いつつ、第一段階はこれで終了。第二段階へ進むことになり、予約の仕方や着用するゼッケンについての変更点を教えられて、今日はここまで。

四輪での技能教習では「次の技能では、今日の内容を最初からやり直そうか」という、いわゆるハンコが貰えないことが何度かあり、二輪の技能教習でも、同じようなことが起きるだろうと覚悟している部分があった。しかし、実際はストレートに進んでしまい、合計6日間で第一段階をクリア。予約の都合もあって一日増えているが、実際は5日だろうか。

世間の教習日記のように、苦労したことや大変だったことを面白おかしく書くようなネタは一切なし。いや本当に、ひたすらCBで練習コースを回っているだけなので…。

教習日記其之五 1時間走行、1時間シミュレーション

引き続き、二輪の技能教習ネタ。

最初の一時間は、ひたすら練習コースを回り続ける。今回は若手の熱血系指導員で、ハキハキとした声掛けでアドバイスを寄こしてくれる。こういうアツいキャラクターなら、こちらも頑張ろうという気になってくる。会社での指導する場面においても、参考にしたいところだ。

スピードを出せる直線区間では40kmh+αを目途に頑張ろうとするが、そこは教習所。右折待ちや慣れていないゆえにスピードを出せない人の列に巻き込まれてしまい、思うように走れない場面が多い。短距離でも積極的にシフトアップ、シフトダウンを繰り返し、左手左足の動きを徹底的に体に叩き込む。

今日は服装選びを若干失敗してしまい、長袖ながらも手首回りが露出しやすい上着だった。このクソ暑く、炎天下でジリジリとした日光を浴び続けたおかげで、手首回りに一本の赤い日焼け跡ができた。やっちまった…と思いながらも既に遅く。

二時間目はシミュレーター教習。WindowsXPベース、車体はヤマハのXJRを利用した、旧型のシミュレーターとなる。振動や加速G、走行風が一切ないので操作感が全くないのは仕方がない。20年前くらいのゲームセンターにありそうな、そんなイメージ。

前後ブレーキ配分、空走距離と制動距離のチェックがメインとなる。簡単なグループディスカッション(GD)も含まれているが、GDに関しては会社で散々行っているあたり、すらすらと物事を進められてしまうのが悲しいところ。ブレーキ配分は前7の後3で。

こうして、今日の技能教習もあっという間に終わる。「残りはAT車とみきわめですねー」とのことだが、妙な緊張感を強いられるネタが次は2本もある。はたして?

教習日記其之四 指導今さら?

連休を利用して、二輪の技能教習をコツコツと進めていく。

さて今日も、練習コースを回ることからスタート。

振り返ってみると、過去の四輪教習においては、指定されたコースを覚えるのに苦労したもの。仮免取得後の公道練習では、居住地周辺を巡るコースなら自転車で日常的に走り回っていたためにスムーズだったが、そうではないコースだと完全にロロノア・ゾロと化していた。

今回の二輪教習でも、指定コースを覚えることに苦労することになった。プラス、ここにきて「シフトタイミングが早いor遅い」「もっとエンジンブレーキを使って」と、あれこれ言われる。コースを覚えたいところに、ようやく指導らしい指導が受けられるというか、並行して運転テクを覚えることになり、妙な苦労が続く。

これまでは、運転方法とやらは殆ど指導されておらず、ライディングテクニック等は殆ど自己流。遠い昔にクローズドな環境で遊んでいた経験があったため、とりあえずの発進と停止、シフトチェンジはできるとして、正しい手順をはじめとして指導らしい指導は受けていない。そんな状況から大きく変わり、なぜ今?とけっこう戸惑うもの。もっと早く指導してくれよそんなこと!と何度思ったことか。

例えば、発進のときに右後方を確認するという基本動作は、一度も習っていない。幸い、まだら氏やカブ主の先輩から教わっていたので、自発的にやっているが。

途中、あまりにも上から目線で物事を言ってくるので、イラっとする場面もあった。ここで思い出したのが、教習途中で指導員を殴り飛ばし、公道に教習車と指導員を放置して帰ったという知り合いの逸話。さすがに、まだそのレベルまでには至らずだが、この指導員は後々クレームを入れるとして。

今さらの指導のおかげか、どうも思い通りにバイクが動かせなかった。一本橋で二度落ちて、坂道発進でもエンストするとか、散々な教習時間となった。こういう日もあるさと、割り切っておく。

相変わらず、ペアになった方は凄まじい。補助輪を外した自転車で練習する小さな子のように、後ろから支えて貰いながらの走行とか、初めてMTバイクに乗るというレベル。コマ数が近い組み合わせになっていると思われるが、いったいどうなっているのだろう。

教習日記其之三 実車スタート

昨日まで雨模様だった天気だが、今日は朝からスカッと晴れた。技能教習に相応しい。

今日から本格的にバイクに乗ることになる。事前にプロテクターを装着して準備しておき、いざバイクへ…行く前に軽い準備運動からスタートするのが、この教習所の定例らしい。プロテクターが邪魔で体を動かしにくいが、体をほぐす意味では悪いことではない。

連れて来られたのは、CB400ではなくCB125。乗り方やエンジンの始動を改めて説明され、クラッチミートの扱いの練習。クラッチミートに問題はなく、スルスルと指導員のところまで走っていくと「もしかして経験されてます?」とすぐ気づいたようで「はい」と答えておく。

遠い昔に、荒川の河川敷でモトクロスで遊んでいたことや、まだら氏が乗っていたCRFやKLXを乗り回していた経験は、自分が思っている以上に覚えており、それが「経験済み」と気づかれる要因になった。いや、過去に経験があるからと油断すると、あっという間に野比のび太(※1)と化す。ここは初心者モードに徹する。

指導員一人に対して、受講者は私を含めて二人。同じ教習タイミングになるよう配慮されているようだ。もう一人の方は、バイクを倒し、クラッチミートに苦労しながらフラフラと走り、指導員はそちら側についていることが多い。一方、私はすいすいと乗り回すものだからあまり指導されず。他の指導員から、ブレーキタイミングについて、一言二言くらい。ん?

最初の1時間目は、コースの外周をグルグルと回る。シフトアップしてスピードを上げていこうとすると、交差点通過や車庫入れ待ちの四輪の車列に捕まり、なかなか思うように走れない。クラッチレバーを握って発進を待っている時間がとても多く、左手が次第に疲れてきて何度かエンストをしてしまうが、これは手の疲れで仕方ないと割り切る。思ったとおり、あれこれ言われることなく、基本はソロ走行が続いて1時間目は終わり。

小休止を挟んで、2時間目。狭隘コース、8の字走行、クランクやS字カーブの走行。40kmh目標に短距離でスピードを上げること、一本橋やスラロームの体験。スピードを上げていくことは構わないが、すぐに迫ってくるカーブのために減速やシフトダウンが忙しい。スピードを出しているときの方が涼しい。

一本橋。ペアになっていた方が一本橋の終わりでフラフラ…ドサッと倒れ、その後のスラローム区間手前で動けなくなった。前方の受講者が一本橋を渡り切ったタイミングで後続がスタートするが、転んだまま起き上がれない状態を避けようとして、こちらも橋から落ちた(転んではいない)。この後のスラロームは一旦キャンセルして、指定コースを巡って再び一本橋へ。

二回目以降の一本橋は、落ちずに通過。ニーグリップと視線を遠くにすると、ビタッと安定する。この時間帯も基本は待ちが多く、指導員はもう一人の受講者に付きっ切り。対する私といえば「回ってていいですからー」と、またも放置プレイ?となり、外周路や二輪専用コースを走り回っていた。

二輪の技能教習とは、こんな具合でいいのだろうかと疑問に思いつつ。もう少しシフトアップ、シフトダウン、ブレーキングについて細かく指導を受けたいものだが、今のところ殆ど自己流だったりする。このままで大丈夫なのだろうか。

※1野比のび太
現状の頭脳のまま過去に戻ると、勉強しなくても高得点が取れた。小学5年(原作では4年)生からすれば、小学校低学年のテストは簡単。しかし、その結果に甘んじてしまい、余計に勉強しなくなってますますダメになった…というエピソードがある。ここから転じて、多少の経験があったとしても、しっかり練習、勉強することは大切ということ。

教習日記其之二 スタンド教習

今日から技能教習だが、すぐに運転できるわけではない。スタンド教習と名付けられた今回は、バイクのサイドスタンドの扱い、倒れたバイクを起こす練習、取り回しの練習、そしてセンタースタンドを扱い、シフトチェンジの練習となる。

私を含め、このスタンド教習の参加は6人。ライダーブーツとグローブを装備、傷めてもいい服装を揃えていたのは私だけ。残る5人は、記録簿に記載されている必要最低限の格好そのもの。遅れて入室してくる、免許証を忘れる、軍手すら用意していないとは恐れ入る。そのキレイなスニーカー、シフトチェンジで一発で汚れるが覚悟しているのだろうか。

・サイドスタンドの扱い
教習車は約200kgあるそうだが、重心の位置を掴むと指一本で支えられる。そんな安定性があるため、サイドスタンドを扱う際も重心位置を見極めれば車体を振らすことはない。なるほどなーと思いつつ、センタースタンドを出し入れしているといきなり「ガシャッ」と金属音が。さっそく倒してしまう教習生が出て、これが教習一発目に倒す人が必ずいるという、あるあるの光景か。

・倒れたバイクを起こす練習
さっそく倒した人が出たので、続けざまに倒れたバイクを起こす練習に入る。燃料タンクの下に太股を突っ込んで、腰を使うと確かに持ち上がる。腰痛の気がある私でも起こすことができた。左側に倒れた状態、右側に倒れた状態の両方を起こして…え?1回だけ?もう2~3回はやりたかったが。

・取り回しの練習
今度は取り回し。200kgとなればそれなりの重量のものを転がすことになるが、こっちは1tの車両を押したり引いたりしているので、ある意味では慣れたもの。特に苦労することなくグルリと回る。

・センタースタンドの扱い
センタースタンドを使えば、後輪を浮かした状態にすることができる。こちらはセンタースタンドに全体重をかけて、車体を後方に持っていくような感覚で扱うと、思った以上に簡単に持ち上がる。

・シフトチェンジの練習
センタースタンドが正しく扱えれば、エンジンを掛けてシフトチェンジの練習に入る。ハンドル周りのスイッチ類の解説が入り、このあたりは見慣れているので迷いはない。さっそくエンジンを掛けて、軽くスロットルを捻る。車と違った軽快な吹けは気持ちがいい。ゾッキーのように手首のスナップを効かせてワンワンと吹かし、やはりホンダだなと堪能していたら「もういいですからねー!」と注意が入る。ふむ。

あとは1速から6速までのシフトアップ、6速から1速までのシフトダウンの練習。バイクのMT車は2018年1月、CRFいじりの時以来だが、しっかりと覚えているもの。回転を合わせればクラッチを切らなくてもシフトチェンジできてしまうが、教習中はやらないほうがいいだろう。

以上が、この1時間の内容。過去にクローズドなところで二輪で走り回っていた経験が活きており、まるで復習のような感覚で臨んでいた。他の教習生はついていくので精一杯だったらしく、教官の指示を苦も無くヒョイヒョイとこなしていく私に、「え?どうやるんです?」と言いたげな視線が続くことになった。

教習車両はホンダCB400スーフォア。スーパーカブやCRFといったバイクばかり乗っていた身からすれば、CB400は大きく感じるもの。

HONDA CB400スーパーフォア 教習車仕様(CB400SF)

▲画像はBikeBrosのHONDA CB400スーパーフォア 教習車仕様(CB400SF)のカタログページより引用。

跨ってみると、どういうわけか体にぴったりになるから不思議なもの。しっかりと足が地面につき、太股の位置と燃料タンクの形状が一致し、ニーグリップがとても行いやすい。

燃料タンクがボコボコで、サイドガードは多数の擦り傷とサビ、サイドミラーに至っては左右で違うものが装着されている。かなりの苦労を重ねているバイクのようだ。