オルゴール

『ムーブメント』とは時計の機械体をイメージするが、オルゴールの機械体もムーブメントと呼ぶそうだ。ぜんまいを収める香箱があって、いくつもの歯車でエネルギーが伝達され、速度調整機能まであることから、どこか時計の原理に通ずるものがある。

オルゴールを動かすにしても、スムーズな演奏ではなく、ぜんまいや歯車のコンディションから速度が微妙に狂い、櫛歯の当たり具合から音がズレていることなんて珍しくない。その完璧な演奏ではない、機械ゆえのちょっとした個性的なところが、惹かれる部分の一つ。いつのころかは覚えていないが、遠い昔にオルゴールという機械集めに凝ったことがあり、同じ演奏を行うオルゴールでも、ムーブメントの出来によって全く違う演奏になることは気づいていた。

ときどき動かさないと、ぜんまいや歯車たち、櫛歯が傷んでしまうという点では、やはり精密機械の一種。音楽を奏でるために造られた機械なのだから、動かして演奏させることが長期維持の第一歩になるそうだ。振り返ってみれば、集めていた当時はただ単に機械集めの一環であり、維持やメンテナンスを考えるようなことは無かった。時間の経過と共に、櫛歯の錆や歯車の損傷で演奏できなくなり、その殆どが廃棄というオチになった。

現在までに残っているオルゴールを壊すわけにはいかず、さっそくメンテナンスを始めることになった。ぜんまいを巻くタイプは完全に巻いて解けるまで演奏し続け、歯車の回転具合、櫛歯やシリンダーの調子を見ていく。ぜんまいが解けたら、シリンダーの突起がないところで回転を止めておき、櫛歯が触れないようにしておく。

ハイケンスのセレナーデ

中にはモーター駆動タイプのオルゴールもある。こちらは配線やハンダの具合を含めたチェックが必要となる。シリンダーにセットされている曲はハイケンスのセレナーデで、極めて思い出深い曲が演奏される。櫛歯がシリンダーの突起を弾く際に鳴るノイズも含め、癒しの曲となっている。

いちわり

ある駅の改札口で待ち合わせしていたところ、左寄りの野党が街頭演説をしていた。耳障りのいいことを大音響でしゃべり続けていて、ついでに安倍は許さない、安倍の暴走を阻止する、社会保障がどうのこうの。聞くまでもないことばかり。

ただ、一点だけ。「消費税が10%になり…」というフレーズ。そうだ、2019年10月1日から、消費税が10%になる予定が組まれていることをすっかり忘れていた。

同時に、消費税の軽減税率制度も設定されるので、このあたりもしっかり把握しておかなければならないとして。10%のパンチ力が覿面に効いてくるのが、目下のところEK9シビックRの維持費。10,000円のパーツを買ったら、1,000円が消費税となる計算だ。

過去のレポートをざっと読み返したところでは、50,000円前後になることが多い印象で、10%となれば5,000円前後が消費税か。5,000円といえば、ディーラーにおけるミッションオイル交換作業(ミッションオイルと工賃、ショートパーツ代)の総額に近いものがあり、確かに高い。

パーツ本体においても、例えば純正燃料ポンプが現在は41,900円で、8%の消費税を含めて45,252円。消費税が10%になって、引き続き本体価格が変わらなかった場合は46,090円となり、千の桁が5,000円後半になったとき特有の、迫力のある数字になる。千の桁が5から上になると、万の桁が一つ繰り上がるような感覚を抱いているのは、私だけではないと思う。

そんなことを思い出しつつ、待ち合わせ時間が近づいていたことに気づく。街頭演説は続いており、今度は富裕層の批判をスタートしていた。金のことを少しでも知ると、富裕層批判なんて的外れなことだと分かってくるが、安倍はダメ、金持ちはダメと、批判しか言うことがないのだろうか。

ラグ穴の修繕

シチズン ホーマーの外見上における不具合は、風防の割れ、カン穴(ラグ穴とも、以下ラグ穴)にバネ棒の先端が詰まっていること、そして文字板表面の損傷といったところ。文字板の修復、リダンは完全に専門外なので、除外するとして。

今回は、ラグ穴にバネ棒の先端が詰まっていて、ブレスやバンドのバネ棒が装着できない状態を修繕することになった。まずは作業前の状況から。

折れたバネ棒の先端が穴の中に!

このとおり、穴の中に金色に輝くバネ棒の先端がハマっている。折れた破片が穴の内側に刺さることで、それが釣り針のかえしと同じ状態になってしまい、突いたりする程度では取ることができない。

仕事上では、折れてしまったネジやボルトを抜き取る作業が日常的にあり、穴の修正は慣れているが…。時計の穴になると、実測1.02mm程度で、応じてドリル刃も細いものになる。もしも刃を穴の中で折ってしまえば、ますます困難な事態に陥ることは目に見えているが、手を出した以上は覚悟を決めてやるしかない。

傷防止の養生テープ

刃物を扱うことや切り粉が出てくるので、養生テープを貼っておき、余計な傷を入れないように防御しておく。ドリル刃を装着するピンバイスは、RCカー用の工具箱の中にある。車(四輪二輪)、自転車、RCカー、時計、それぞれが必要とする工具は、相互に使うことが多い気がする。

詰まった穴を再確認

もう一度、穴に詰まったバネ棒の先端を確認する。以前のような金色の輝きがなくなっている背景として、ケースを水で洗浄しており、異種金属の接触と水分による、電食が考えられる。良くない状態に陥っていることは間違いないので、慎重にドリル刃を当てて、少しずつ穴をもんでいく。

金色の細かい切り粉がポロポロ出てきて、順調に進む。ある一定の深さまで達したところ、急に手応えがなくなった。詰まっていたバネ棒の先端は、全て切り粉として粉砕したようだ。

破片除去完了

このとおり、無事にラグ穴から詰まっていたバネ棒の先端を除去することができた。穴の中をブロアで入念に清掃し、破片や切り粉をしっかりと除去する。写真をよく見ると、穴の中に残る円形の破片が撮影されており、これはバネ棒先端のメッキ部分。ブロアでクリーニング中に、ボロッと出てきた。

バネ棒をセットして、固定を確認

バネ棒をセットしてみて、大きなガタつきや抜けがないか何度も確認し、正常な状態、将来的にブレスやバンドをセットできるところまで修繕することができた。

時計修理における、数ある山場をまた一つクリアし、同時にリペアスキルもゲット。これが面白い。

空気清浄機

居候先で、花粉によるくしゃみや目のかゆみを訴えるので、それならばと空気清浄機を買う。ダイキン製のそれなりのヤツを買い、フィルターの寿命は10年と設定されているが、今から数えても2029年。そのときまでに、指定型番の新品のフィルターが供給されているのだろうか。

空気清浄機は、室内のニオイに反応して自動的に風量アップ、消臭システムが起動するようになっている。会社の事務所にもダイキン製の空気清浄機があって、本当に悪臭に反応するのか、簡単な実験をしたことがある。空気清浄機の吸気口で放屁し、ニオイセンサーが反応するか否かの実験だ。

私だけでなく、複数人で試したところでは、放屁後にニオイセンサーが反応して、風量がアップすることを確認した。「なかなか失礼な機械だ!」という喜びと共に、センサーに狂いはないと判断したのだった。

ホコリや花粉のセンサー反応についても、部屋の掃除をしながら使ってみたところでは、即座に反応して風量がアップする。部屋に侵入した花粉に反応して、不快な症状が少しでも低減することに期待。

部品チェックと仕分け

シビックRの次の作業は、臨修(臨時修繕)となった。普段なら数ヶ月単位での準備を行うが、今回は半月で行わなければならず、必要部品の手配や勤務日と休日…作業日の調整等、バタバタと急ぎになってしまった。

部品購入だけでなく収納庫(クローゼット)からストック品を引っ張り出して、交換部品を一通り揃えてみると、その種類の多さから、ある問題に気づく。各種ボルトやナット、大小様々な部品から、全て一緒くたにすると分からなくなる可能性が出てきた。特に組み立てる際、必要な部品を探すために時間を使ってしまうわけにはいかず。

そこで分解するセクションごとに紙袋で分類し、同時にパーツリストの図面も一緒にして、すぐに判別できるようにしておく。紙袋はそのまま、可燃性ゴミにすることができるので、後始末も簡単。

部品の仕分け完了

サービスマニュアルを何度も読んで、事前予習。そして『分解時交換』と記載された部品は、その指示に従って交換することになる。結果として、この四袋分の部品量となった。

早くも作業後のレポート作りを悩んでいるところで、今回ばかりはどこまで書けばいいのか、全く分からない。『分解時交換』の部品類を全てリストアップすれば読みにくくなり、適当な写真と記述では、車系SNSレベルで面白みがなくなる。

ホーマー、分解完了

いよいよシチズン ホーマーのムーブメントを分解することになった。リューズが固まって動かず、ゼンマイを巻くことができない原因は見つかるだろうか。

日ノ裏車の錆

分解する前から分かっていたが、日ノ裏車が変色している。この状態でもリューズを引いて時間調整はできていたので、固着はないようだ。

地板とツツ車にも錆

日ノ裏車を外すと、地板にも変色がある。錆の粉を巻き込んだまま、石臼のように粉砕しながら回転したことで、変色が広範囲に広がることになった。ツツ車にも変色がある。

なお、分解前は錆と思われていたこれらの変色は、どうやら汚れ由来の錆だったらしい。筆による洗浄、歯の隙間の変色は針で突いて除去することで、ほぼ元通りに戻すことができた。

日ノ裏車押さえは使用不能

ただ、いくつかの部品はダメになっているのが見つかり、例えばこれは日ノ裏車押さえ。錆で鉄の表面が破壊され、欠けている。

三番車のホゾ折れ

こちらは三番車。ホゾ(軸の先端)が折れてしまい、正しい回転ができなくなっていた。折れたホゾは軸受けとなる石から出てきて、幸いにも他の部分へ悪影響を及ぼすようなことは起こしていなかった。

本場の時計師は、歯車の折れた部分の根本を研磨して穴を開け、ホゾ用の素材を圧入、軸の整形にて修正を行うそう。開ける穴は0.1mmレベルの小さなもので、圧入も緩くなく、キツくなく、ちょうどいい状態を見つけ出すという。

錆の粉

シャーレの中でムーブメントを洗浄していると、錆がどんどん出てくる。洗浄油を揮発させ、残った錆を集めてみるとこの量だ。分解と洗浄が終わったムーブメントはしばらく乾燥させて、後の各歯車の点検と組み立てに備えておく。

ダメな部品が見つかったため、予定通り部品取りのムーブメントも分解することになった。ドナーとなる以上は、問題がないことを願うばかり。

タッチダウンの朝

今日は小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウにタッチダウンする予定日で、タイミングよく会社は休み。しかも朝の8時前後が予定時間となれば、リアルタイム配信を眺めるには好都合。

こんなときに限ってパソコンは不調で、ちょっとした負荷を与えるとすぐにフリーズして、『ディスプレイドライバーの応答停止と回復』というバルーンが出る。なるべく負担を増やさぬよう、バックラウンドでの作業を止めて配信に注視する。

解説中に急にわっと拍手と歓喜の声がスピーカーから響き、何かが起きた。その様子から、成功したようだ。タッチダウン直前から瞬間はテレメトリーの受信ができないので、ドップラーによる速報となる。テレメトリーが回復するまでの時間が、妙にもどかしい。

テレメトリーの回復で、再び拍手。タッチダウンと弾丸の発射シーケンス正常、試料採集の可能性あり!機体の無事も確認!おめでとう!

タッチダウン予定時刻は8時6分だったが、それよりも15分以上も早く歓喜と拍手が沸いたことから、想定より早く着陸していた。それが突然の、拍手と歓喜となった背景らしい。

はやぶさ2はこれで終わりではなく、イベントが目白押し。さらにタッチダウンを繰り返して試料を集め、衝突装置で人工クレーターを作って、リュウグウの内部サンプルを採集するという、難易度の高いチャレンジが待っている。無事に帰ってくるまでがミッションなので、『初号機とは違うのだよ』とは、まだ早すぎる気も。

エエ席

大阪への出張から帰ってくる。東京大阪間で2時間半強の乗車時間になるので、乗る号車と座る位置は地味に重要になってくる。窓際がいいという人がいれば、トイレや喫煙ルームに行きやすいよう、通路側を選ぶ人もいる。

今回、大阪方面に向かう際は12号車、山側のE席に指定されていた。窓際だったことはいいが、12号車の屋根上にはパンタグラフが搭載されており、どうしても空気の流れが乱されて揺れやすい。おかげで、新大阪に到着するまで左右にゴトゴトと振られ続けてすっかり疲れてしまい、ホテルに着いてシャワーを浴びたらあっという間に夢の世界へ。

かつて大暴れしていた300系では、あまりの揺れの酷さに乗り心地改良工事と称して、自動車でいうところの「足回りのチューニング」を行った。台車のダンパーや空気ばねを硬くしたタイプに変更し、フニャフニャと揺れ続ける車体をいくらかシャキッとさせるようセッティングを行った。そして先頭車やグリーン車、パンタグラフを搭載する車両にはセミアクティブサスペンションという、減衰力が常に変化、制御するダンパーを搭載し、より揺れを抑え込むようなチューンをしている。それだけパンタグラフを搭載した車両は揺れやすい。

さて、帰りもパンタグラフの搭載車両に座るわけにはいかず。帰りは行きと違っていくらか自由になるので、自分で車両、好きな席を決めることができる。5号車と12号車のパンタ車は除外して、6号車、11号車、14号車も除外。自由席車両を含めると、3号車、6号車、11号車、14号車には、床下に変圧器が搭載されている。加速と減速のたびにバイブレーションのような振動と低重音が起きて、これがけっこう気持ち悪い。従来型のN700(スモールA)で発生し、N700Aでは対策されて良くなっているが。

席も重要。座席指定システムと予約者の都合から、最後まで残るのがB席。この状況を逆から考えれば、運がよければ東京に戻るまでB席は空いたままになり、隣り合う人がいないので若干ゆとりを持つことができる。

N700系15号車A席

こうして、決めたのが15号車のA席。東京行きの先頭となる16号車で空気の流れを整えてもらい、次の15号車は整流された空気が駆け抜けるだけなので、恐らくは揺れが少ない。ついでに、予約状況を見たら空席が目立ち、東京に戻るまでB席に人が来る可能性はなし。静かな環境で、ひたすら読書タイムとなった。

揺れの少ない車内で読書を続けていたら、いつの間にか関東に近くなっていた。走行音に妙な迫力が出てきたことに気づき、Google mapsとGPSレーダーを立ち上げて、簡易ナビモードでチェックする。

285km/h走行

誤差はあるだろうが、285km/hのスピードが表示されている。270km/hを超えた状態で走り、三島駅手前で緩やかに減速。以後は285km/hには達しなくなった。

先ほどから「新幹線大丈夫?」というメッセージが入ってきており、時刻どおりの運行なのに?と思いつつ調べてみると、こだま660号の車内でハサミを持った男が、壁に穴を開けていたそうな。なんだそりゃ。

映画鑑賞に備えて

16日は、何年かぶりの映画館での鑑賞となった。

映画館へ行くとなると、前日の夜から準備が始まっている。鑑賞中に最も困ることといえば、小便のためにトイレに行きたくなること。だいたい、トイレへ行っているタイミングに限って、物語の鍵となるシーンになっているのが定例で、そこを見逃してしまうと全体像が見えにくくなってしまう。

尿意をできるだけ抑え込むため、鑑賞中だけでなく鑑賞前日の夜から水分を控える。翌朝の起床後、目覚めのコーヒーは必要最低限の量に留めておき、以後、映画が終わるまでは何も飲まない。朝食も消化器系への負担を減らすため、食べる量を減らす。鑑賞前にトイレへ行っておくことは忘れず、ついでに鑑賞中に軽食を口にすることもしない。鑑賞中の便意は尿意以上に危険なので、前もって出しておく。

エンドロールまでしっかり見て、これで落ち着いてトイレへいけるが、やけにダルい。朝から水分を控え続けていたことや乾燥した場内のおかげで、軽い脱水症状の兆しであり、季節問わず小便の色は濃い。

体質か気分的な問題かは知らないが、昔から映画館というのはやけにトイレが近い。『青木まりこ現象』でお馴染み、本屋に行くとウンコがしたくなるという、アレに似たようなものか。

手術前日も、夕食後は水分の摂取は禁じられ、当日は朝食禁止、口にしていいものは少々の水だけ(茶禁止)という制限が掛けられる。手術が終わるまで我慢が続くことに比べれば、映画のほうはまだまだラクなもの。

更新…Y19#04

『イグニッションスイッチの交換』を追加。

普段のリフレッシュ作業では、経過年数と症状が出る前に着手するので、いわば予防保全の一種だ。今回は不具合が出てから交換作業に至り、事後保全という扱いになる。

いつ壊れてもいいように2015年12月からストックし続けて、3年2ヶ月少々の保管期間で使うことになった。現在の販売状況は調べてはいないが、在庫があれば事態が事態なので15,000円以上の支払いでも躊躇しないだろうし、もしゴソウダンパーツと返答された場合、面倒な事態に陥っていた。

部品が出なかったとして、あの構造からして、接点を磨こうにもキレイにすることは極めて困難だ。複数ある接点を全て均等に仕上げないと効果がなく、それこそ面出しレベルが要求される。中途半端な仕上げでは点接触状態が続き、本来の性能には程遠い。摩耗で減った部分を均そうとして、今度は削り過ぎてしまい、正しい圧力で接触できなくなるという、とどめを刺すことも考えられる。大電流スイッチなので、ちょっとした接点の荒れが、発熱、焼損に繋がってしまう恐れがある。飛び散った火花で、考えられる最悪の事態はなにか。

イグニッションスイッチは、車の電装系やエンジンが動き出すための、重要な生命線の一つ。人間で言うところの、脊髄や大動脈といったところか。このパーツがダメになって下手な応急処置をするくらいなら、思い切って交換したほうが早く解決が望め、さらには二次災害のリスクを低減することができる。

電装系やスイッチ類は、経年によるストレスで、不調に陥り始めている気配を薄々感じている。車のコンディション維持とストックパーツの個数減少を両立できることから、積極的に交換していくことになりそう。