高速道路では、走行車線を走るのが基本であり、追越車線はあくまで追い越しのための車線なので、走行し続けるための車線ではない。ここ最近、運転中に煽られた!というアレが流行らしいが、さっさと走行車線に戻ればいいのに?と当たり前の返しもあって、分かっている人が多い。
そんな追越車線について、居座り続けて見事に捕まった人の記事を見つけて、どこから突っ込めばいいのやら、逆に悩むわけで。それ以上に、アホな運転していて捕まったのに『本当にあった怖い話』とは、ジャーナリスト()としてどうなのか。
教習所で習った遠い記憶に、「追い越し車線は追い越しが終わったら速やかに走行車線に戻る。2キロ以上走ったら違反になる」という一文があった。
この時点で間違いで、2kmというのは目安でしかなく、法律にも記載が無い。教習所においても「早めに戻れよ」という趣旨での指導をしたのかもしれない。それを鵜呑みにして、追い越し車線を走り続けて捕まったわけだ。その後の文章を読むと、法律に2kmという数字がないことを確認しており、さらに電話で警察に問い合わせているが、どうも「明確な決まりがない」という当たり前の返答に、どこか納得がいかない様子が浮かび上がる。
走行車線も空いていて、走行車線が混雑していて追越し後、なかなか走行車線に戻れなかった…という状況でもない。
この時点で、高速道路を正しく使えていないことが見えてくる。当人は、息子のために急いでいたという要因を含めて
ノロノロ走って後続車にせっつかれていたこともない
としているが、急がせる息子のせいで私が捕まったの!とでも言いたいのだろうか。急いでいたから追越車線を使うという、自分勝手な理由で追越車線に居座り続ける人間こそが、渋滞を生み出してく原因の一つだ。
空いている道路では追い越しが終了したら速やかに走行車線に戻るとのことである。通行帯違反を避けるためには、一度走行車線に入ってすぐに追い越し車線に戻る……これを繰り返すのが良いということなのだろう。それも危険な気がするが……。
当たり前の運転が、『危険な気がする』というのは、実際のところ高速道路を走り慣れていないのではないか?余裕が無くて、周りが見えていない、見ていないのかもしれない。こういう文章をサラッと書いてしまう以上は、運転が下手とイメージしてしまう。
進路変更(車線変更)は、後方から早い車が来ていないかチェックすることからスタートだ。ルームミラーに後方の車全体が写って、ドアミラーの中央にいるときが、いいタイミング。速度を調整してウインカーを変更3秒前に出し、後方の車に車線変更するよーというアピール。そのまま3秒以上ウインカーを動作させ、ドアミラーとドアミラーの死角部分に目視にて車がいないことを確認し、それから滑らかに車線を変更する。車を追い抜いたら、今度は左側の車線へ、同じ手順で戻ればいいだけのこと。このあたりも、教習所でみっちりと教えられるはずだが、当人は自分に都合のいいところだけ、覚えていたのかもしれない。

高速道路を飛ばしても、目的地までに短縮できる時間は、せいぜい5分から10分程度。目を三角にして追越車線を突っ走ったところで、途中休憩するために減速しながらSA/PAに進入し、どこに駐車しようかな?と迷いながらようやく停車、ああそうだスマホと財布を忘れないように…と、もたもたしている間に、追越車線で稼いだ時間を使い果たしてしまう。
遠くの目的地へ早く着くために高速道路を使うならば、加速と減速を出来る限り抑え、一定の速度で走り続けることだ。ハイスピードで走るのではなく、遅くならないことが重要になってくる。
例えば、東海道新幹線(東京新大阪間515.4km)において、現在主力のN700系では、減速しないでカーブを走り抜けられるように車体傾斜システムを搭載し、高い加速力で加速に要する時間を削減し、高速走行できる時間帯を増やすセッティングを行った。結果、初代のぞみこと300系と最高速度は同じで停車駅が増えながら、時間短縮に成功している。この走り方を参考にしたことで、東北道の679.5kmを7時間40分(=表定速度88km/h)で走破している。
先の執筆者はジャーナリストで『安全に関する啓発活動も行う』そうだが、この人は他人に安全のことを口にする前に、まずは自分の無知を正し、運転スタイルを基本から見直すことから再スタートしたほうがいい。自分勝手な運転方法を恥じなく晒す文章で金になるのだから、実にうらやましいものだ。これを他山の石として、高速道路の基本的な運転方法を見直す、いい機会ではないだろうか。