秋口は台風15号と19号の上陸で、ドライブを計画していた地点が被災してしまい、遠出は青森往復と黒部ダムだけ。このまま気温が下がれば、積雪や路面凍結で遠くに行くことが難しくなってしまう。そこで雪に降られる前に、今シーズン最後の遠出として、福井県敦賀市の旧北陸本線トンネル群まで出かけてきた。片道500kmなら、十分に日帰り圏内だ。
今回もまた、週末に雨が降られる天気予報だ。出先の北陸地方なら曇り予報で、むしろ好都合。午前4時、出発。行きは、カーブや勾配の連続で緊張感が保てる中央道経由で、のんびりと。

中央道から見えた、八ヶ岳。今回のドライブで唯一の晴れ間となった。

遠くに見える雲の筋。あれは一体何事か?とナビの画面をチラリと見ると、遠く前方にあったのは琵琶湖。琵琶湖の暖かい水に向かって冷えた空気が接し、水蒸気として霧が広がっているのかもしれない。

某業務車にパスされる瞬間。今日は平日だったことをここで思い出す。お疲れ様です。

北陸道木之本ICから降りてR365をしばらく北上していくと、側道のr140への標識が見えてくる。このあたりから、旧北陸線のトンネル巡りがスタートする。

旧北陸線トンネル一本目、柳ヶ瀬トンネル。旧北陸本線トンネル群には属していないが、このトンネルもかつては鉄道用トンネルだった。すれ違いのできない単線トンネルで、最長6分30秒の信号待ちとなる。新疋田駅方面への最短ルート、抜け道としての現役バリバリで使われているため、信号待ちであっという間に車列が出来上がる。長居は難しい。

信号待ちの間に片っ端から写真撮影して、後々見直すことができるようにしておく。こちらは柳ヶ瀬トンネルの説明板。

伊藤博文による「萬世永頼」の額。

柳ヶ瀬トンネル入口。信号機の左側に残り待ち時間を表示バーがあるが、まだ数本の表示が残っている段階でいきなり0になって青信号に変わる、油断できない信号。
後方に車列が出来上がっていて、トンネル出口側(新疋田側)に止めて撮影するような余裕はなく、柳ヶ瀬トンネルは通過するだけとなった。遺構探しはまた別の機会の宿題とした。
敦賀市に出て、まず向かったのは敦賀港。新日本海フェリーのターミナルで一休みするべと向かってみたら、見覚えのある船体が見えてきて、あれ?

すずらんが停泊している。これは海上荒天の残影響で欠航になっていたため。ちょうど逆光で、まともな写真は撮れなかった。
欠航によるトラブルとはいえ、数年ぶりに新日本海フェリーの船を見ることができた。高速航行(27.5ノット=50km/h)を踏まえたスマートな船体が本当に美しい。
一休みしたら、本命である旧北陸本線トンネル群に向かって出発。R8を北上してr207の万葉の道へ入るが、交差点に標識があるわけではなく、かなり分かりづらい。ナビが無かったら見逃していたかもしれない。

r207をしばらく走ると、目的の鉄道トンネルが出てくる。一方通行ではないので、トンネル内で対向車が出てきたら突入口寄りがバックすることになる。酷道険道ランナーなら、躊躇せずバックして相手に道を譲れるくらいのスキルがないとね。

伊良谷トンネルに限っては、トンネル内にカーブがあって見通しが悪く、3分待ちの信号機が設置されている。

トンネルに次ぐトンネル。かつては鉄路だったルートをゆっくりと走っていく。

山中トンネルを抜けると、やけに広い場所に出る。貨物列車の輸送力増強策として、この山中スイッチバックが設置されたそうだ。

設置されている説明板。写真のディーゼル機関車はDF50形。旧北陸本線トンネル群はここで終わる。

山中スイッチバックを出ると、今度は山中信号場の跡地だ。道路左手にある藪地が信号場の待避線。待避線が水平となって、旧鉄道線の道路が25‰の勾配となっている。そこで勾配のある本線から、水平の待避線に入り、そこで勢いをつけて勾配に挑むという運転になっていたようだ。

山中信号場にも説明板が設置されている。勢いをつけて坂を上っていくにしても、蒸気機関車の加速力や貨物列車の重量を考えれば、本当にゆっくりとした速度で登坂していたのかもしれない。

いくぶん広い道になってしばらくすると、大桐駅跡に出る。かつてのホーム上には、D51形蒸気機関車が走っていたことを伝える案内板や、D51の動輪と従輪が設置されている。

南今庄駅付近で、現在の北陸線と合流してゴール。北陸トンネルの開通によって、旧北陸本線トンネル群を含む旧線跡地は道路に転用されているが、管理状況は極めて良好と感じた。GoogleマップのストリートビューやWikipediaに掲載されている写真よりも道路状況がよくなっており、鉄道の歴史を伝えるように敷地が拡張されている点も見逃せない。
帰ってきてから、鉄道遺構はまだまだたくさんあることに知った。このルートはもう一度訪れることになりそうで、次に来るとすれば、来年の秋口だろうか。
今庄駅近くで給油し、北陸道今庄ICから帰宅開始。帰りは新東名を使い、少しでも疲れにくくする。総走行距離は1,005km、総合燃費は18.6km/L。