1988年3月版の時刻表を眺めているところだ。実態としては、JTBパブリッシングが2020年8月に発売した復刻版。その当時としては、青森と北海道を結ぶ青函トンネル、津軽海峡線が開業。これに沿ったダイヤ改正の内容が多く含まれている。
現代とはまるで異なるダイヤ設定に、いろいろと発見が多い。その中でも興味を引いたのが、実は航路だったりする。今よりも便数そのものは多かったようで、東京と北海道各地を結ぶ便があり、横浜とソ連(現ロシア。崩壊は1991年なので当時はソ連)のナホトカを結ぶ航路まであったりと、なかなかの充実ぶり。
特に注目したのが、神奈川県の川崎市と宮崎県の日向市を結ぶ、川崎-日向便。そのダイヤ設定がコレ。

▲画像はJTBパブリッシング発行の1988年3月版時刻表(2020年8月発売復刻版)より引用。
縮小しているので見えにくいが、下り便は川崎港を18時に出て日向港は翌日15時着。上り便は日向港を19時に出て川崎港には翌日15時着と記載されている。川崎-日向便は2005年6月に休止となっており、復活することなく会社そのものが消滅している。
川崎港を18時に出港するとすれば、乗船手続き等で1時間前には待機列に並んでおきたい。とすると、余裕を持たせると17時になる前には川崎港に到着したい。仕事が終わって、そのまま川崎港へ向かうとけっこうギリギリなので、午後半休を使って川崎港に向かうのがベストだろう。
乗船して一泊、翌日夕方前には九州に上陸することができるので、西方面へのドライブには極めて好都合。逆に日向港から帰ってくる時は、川崎港は15時となっている。夕方の帰宅ラッシュに巻き込まれる前には帰宅することが可能であり、体力次第では翌日から通常の平日も不可能ではない。
世間の情勢や流通業界の大きな変化を受けて、2023年現在では似たような航路として、横須賀と新門司を結ぶフェリーが設定されている。ダイヤ的には川崎-日向便をより遅くしたような印象で、横須賀23時45分→新門司翌日21時、新門司23時55分→横須賀翌日20時45分。
航行距離と時間設定の関係からか、先に書いたように2000年代に入っても航路が残っていた。その後はトラック業界の規制緩和、他の輸送機関との運賃競争があって苦境の時代に突入し、2005年に休止となる。2021年になって、九州とはいえ北部と南部で大きく異なるが、都心部と九州を結ぶフェリーが復活している点から、もともと需要が存在するおいしい路線だったと考えられる。東京九州フェリーが設立された当時、「まるで川崎-日向便みたいじゃん?」と真っ先に思い浮かんだほどだ。
運航会社や性質は異なるとはいえ、都心部と九州を結ぶ航路は伝統あるもの。近い将来に乗ることにして、併せて歴史や海の性質を勉強することになり、こういったところで変な知識がまた増えていく。