過走行運用中のS15シルビアも、そろそろ鋼板のサビ対策やゴム部品の経年劣化対応が必要になってくる時期だ。現役で走り続けていることから、古い車と認識しにくい部分があったりするが、それは間違い。自動車は車齢15年程度に達してしまえばメーカー、サプライヤー問わず「ど旧車」という認識になってしまう。つまり、公道を走行するのに必要な部品の供給が止まっていくことを意味する。なるべく長く車体を持たせるためには、部品が問題なく供給されている間に交換するか、事前確保しておくしかない。

サスペンションの各ブッシュの経年劣化により、ニスモサスペンションリンクを使いリフレッシュ。強化ブッシュ圧入済みで、色もシルバーになる。同時にダンパーのアッパーマウントも交換したので、尻下がり気味だった車高が元に戻り、クーペ特有のスタイリッシュな印象が増した。新品ブッシュ特有のキレのある挙動になり、これが新車状態の挙動に近かったのだろうか。EK9シビックRでは、無限の強化ブッシュを取り付けたところ路面の細かい凹凸をよく拾うようになり、ポンポン跳ね回るような乗り心地だった。このシルビアについては、四輪のサスがバラバラに動いていることがよく分かるようになり、腰砕け感のない乗り心地になった。今は硬いブッシュも、一年もすれば馴染んでまた印象が変わるはずだ。

リアトリムを外し、ボディモノコックの調査。シルビアはサッシュレスドアを使っているので、ボディの強度確保や側面衝突に対応するため、鋼板の組み方が独特になっていることを知る。事故時の強い衝撃は多方向に分散し、できるだけ生存空間を確保する仕組みになっていた。普段の走行では、しっかりとした剛性を得るようになっていることも分かった。モノコックボディは、ボディ全体で剛性を得るようになっているので、部分的な強化を行うと入力がうまく逃げなくなって、ストレスを溜め込みやすくなってその後の寿命が大きく変わるなんてことも。トータルバランスが大事。

見つかるサビ。水抜き用サービスホールを通じて外と繋がっており、水分や湿気が出入りしやすくなっていた。どうやらここはS15シルビアの定番サビ部分らしく、手の届く範囲はケレンで手入れ、手が届かなければスプレータイプの防錆材の注入だろうか。今夏の車いじりは、シビックよりもこのシルビアがメインになりそう。
過走行かつ経年劣化が始まった車は、まずは不具合や不調を抱えてマイナスになった部分をケアし、ゼロの状態に戻すことから始まるのではないか。それはとても金の掛かることで、目に見える変化は少なく、正直なところ全く面白くはない。ただ、この行程を踏まえた車こそが、とても長い寿命を得ているのも事実だと思う。本来はやるべきことがたくさんあるのに、それを全く考慮せずやりたいことだけを続けた結果、短時間で崩壊した車を私は何度も見てきた。同じ道を歩むワケにはいかない。