防錆鋼板の展示あり

引き続き、トヨタ産業技術記念館で見つけたもの。

鋼板の防錆に関する展示もある。

塩水噴霧試験の結果

合計四枚の鋼板が掲げられ、防錆鋼板のグループと普通鋼板のグループに分けられている。グループの右側は白い塗装を施し、カッター等でX字状に切れ込みを入れ、塩水を吹き付けて錆びるかどうかを調べたようだ。

普通鋼板グループは酷い。手入れされていない旧車の如く、塗装内面側から錆が進行しているようで、切れ込み部分から茶色いシミが出てきている。対する防錆鋼板は、犠牲防食が期待できる亜鉛めっきが施されており、塗装済みバージョンはもちろんのこと、無塗装バージョンも塩水噴霧試験に耐えたことを示している。

防錆鋼板の説明

防錆鋼板の説明文。大雑把な概要が記載されているだけで、塩水噴霧の試験状況等の記載はないが、亜鉛めっきを施すことで鋼板が錆びにくくなることがイメージしやすい。が、亜鉛めっき済みの鋼板を使ったところで完全なものではなく、あくまで錆びてしまうまでの時間稼ぎで、年数レベルの時間を掛ければ錆びていくことは、自前でサンプル試験を行って確認済みだ。

1年半掛けた、亜鉛と鋼板のテストレポート

亜鉛の防錆能力は現車においても、現在進行形で調査中。フロアパネルの錆びを削り、露出した鋼板部分に亜鉛テープを貼ることで、防錆ができるかどうか。それらの対策を行って、今年で5年目。錆対策は施して終わりではなく、継続的な観察と、必要に応じた追加ケアが求められる。地球上に酸素と水がある限り、錆からは逃れられない。

それにしても、メーカー公式で展示されるネタが、当サイトでも掲載していたことから、実験の方向性と内容が妙に一致しており「どこかで見たことある!」なんて喜んでいた。

フレームの変貌

トヨタ産業技術記念館の自動車館では、自動車の進化に関する展示品が多数ある。ボディフレームの展示もあって、EK9シビックRの防錆対策及び、モノコック構造の弱点を一つでも発見しようとしている私としては、強く興味を惹かれるものだった。

1950年代のFR車のフロアフレーム

1950年代のFR車(クラウン)のフロアフレーム。写真上部がフロントのエンジン側となる。筒状のサイドシルがフロント側へ伸び、同時にエンジンやサスペンションを支えるメンバとの接続部分になる。人を運ぶ駕籠のように、太いフレームを骨格にして薄いパネルで仕上げていく構造になっているとイメージするのが早いか。

筒状になっているフレーム内部へノックスドール700を大量噴射するとして、時代的に防錆鋼板の性能も良くないと考え、パネルの合わせ面部分が無事か否かで、ボディの健全性が決まりそう。よく見ればフレームやパネルの板厚は似たようなものに感じ、ジャッキアップポイントも後付感MAX。ジャッキアップ作業を繰り返せば、サイドシル部分の多少の凹みや歪みは仕方ないのかもしれない。…と、自分が作業するならどうしたらいいか、その場で考えていた。

1990年代のFF車のフロアフレーム

1990年代のFF車(カローラ)になると、どこかで見覚えのある構造に変わっている。サイドシルはタイヤハウス部分で終わっており、変わりにトヨタ車での名称は分からないが、ホンダ車でいうところのフロントサイドアウトリガーによる構造になっている。見るからに厚い鉄板で構成されており、フロントが重たいFF車としての剛性確保と、衝突の際はキャビンが潰れないように強度を高める構造になっていることが分かる。

フロアパネルに対して、フロントサイドアウトリガーの板がズレながらスポット溶接されているので、長期に渡って風雨に晒されると、毛細管現象で水を吸い上げ、内側から錆びそうだ。よく見るとフロアパネルとサイドシルの間にも谷があるので、ここも内側から錆びそうな感じ。この形式のカローラの防錆対策やレストア作業を探してみたが、日本最強の大衆車だけに、そこまで行っている例は殆ど見つからなかった。さらに古いカローラなら、いくらでも見つかったが。

1990年代のFF車のホンダ車

こちらは1990年代後半のFF車…というか、EK9シビックRの例。90年代だけに、構造は似ている。

トヨタ産業技術記念館に限らず、興味を持って出かけた先の展示品は完全にサンプル、資料収集の対象物となっている。片っ端から撮影していくために、一度の見学で100枚近い写真を撮ることは当たり前となっている。そこで得た情報から、車の維持であれば、どう役立たせるかを考える。視野を広げておけばおくほど、このプロセスが面白くなっていく。

EK9のトミカを買いまして

去年の11月あたりにトミカリミテッドヴィンテージ NEOシリーズにおいて、シビックRが発売されるという情報が入り、さっそく予約した。それから発売日が近づくにつれて、予約先から金額請求のメールが着信し、即支払い。翌日、無事に到着となった。さっそく、これまで使っていたリコーCX5の後継品となるCX6のマクロ撮影の練習台として活用することになった。

トミカリミテッドヴィンテージ NEOトミカリミテッドヴィンテージ NEO EK9 シビックタイプR 前期型

購入したのはLV-N158b シビックタイプR 97年ということで前期型、乗っているのがシルバーなので、当然銀色モデルを選んだ。しかも、観賞用と保管用と二つ、購入した。レカロシートにRECAROの文字が印字されてあったりする芸の細かさは、先に知られているので、それ以外の部分をマクロ撮影してみた。

トミカの内装その1

レカロシートの再現性が極めて高いだけでなく、小さいながらもインパネ周りはしっかり作りこまれている。ただ、よく見ると前期型EK9のインパネとは大きく異なり、どちらかというとEK4 SiR系やEK3 VTi系の純正ナビに近いデザイン。いや、もしかすると金型の都合から、3月に登場する後期型インパネの2DIN仕様に統一しているのかもしれない。

ドアノブまでしっかり掘り込まれており、ほとんど見えない内側なのに、省略されている部分はないのでは?と思える。シフトレバーに関しては、筍状態。ただ、この筍状態は見たことがある。

実車、前期型のインパネ

まずは実車のインパネから。前期型のインパネはこんなデザインなので、ミニカーでは純正ナビ仕様か後期型の2DIN仕様になっていることが分かる。懐かしき、2DIN化前の1DIN仕様だ。振り返ってみれば、3年前の今日、2DIN化改造工事を完遂したのだった。

実車、前期型のシフト周り

そしてシフトレバーに関しては、純正の卵型のチタンノブより、無限の棒型アルミノブが似てくる。これを縮小すると、筍状態に似てくる。決して、変な再現でまとめているわけではなく、違和感無く仕上げられている。

トミカの内装その2

スモークガラス風に仕上げられている後部席周辺は、実車同様、足元の赤いカーペットが再現されており、そのままトランク部に目を移すと、トノカバーが装着された状態に設定されている。本来、EK9は軽量化の名目でトノカバーが設定されておらず、別途オプションで入手するようになっていた。中古車として購入した当時、トノカバーが無くて外からトランク部が丸見えで、セキュリティの観点で好ましくなかったことや、走行音を少しでも防ぐため、中古品を購入し搭載している。この有無で、車内の快適性が大きく変わる。

トノカバーその1

実車におけるトノカバー単体の写真は存在せず、トランク部も写しこまれることから、ほとんど撮っていなかった。写真赤枠の部分がトノカバーで、荷物の出し入れがしやすいよう、半分だけ折り返すことができる。

トノカバーその2

普段の車いじりの最中には、こうして作業台として材料が並べられることが多々ある。

サイドのタイプRステッカー

サイドのタイプRステッカーもしっかり印刷されていて、このあたりはトミーというより、鉄道模型屋としてのTOMYTECの面目だろう。マクロ撮影の都合から、塗装の粒子が粗いように見えるが、肉眼で見た限りでは程よいシルバー感があって風味よし。少し後方からタイプRのステッカーを含めた側面部分を眺めるのがけっこう好きで、モデル上でも違和感がない。

実車の様子

実車でもこのとおり。違和感の無さは、実車を立体スキャンしたことによる設計、モデル化が大きく関係しているようだ。

90年代のホンダ車が取り上げられ、3月には後期型のEK9が出るのであれば、私個人の願いとしてはDC2インテRの96スペック、98スペックも出してほしい。あの化け物FF車だって、ビンテージというシリーズ名から、古くても、味わい深いものという意味に合致するのではないか。本当に出て、しかも98スペックが設定されれば絶対に買う。

公式サイトで過去のモデルを見直すと、欲しいモデルがけっこうある。眺めているだけも、いい時間つぶしになって面白い。

その固定具、異種につき

先日の、270,000km到達時に行う予定の作業練習においては、エキマニの2-1部分も外していた。エキマニは純正品を使用しており、4-2部分と2-1部分で分割できる。過去には4-2-1のエキマニ全体だけでなく、4-2部分はエンジンブロックに繋げたまま、2-1部分のみを外すこともやっており、おかげでそれぞれのボルトは固着せず、簡単に緩められるようになっている。

外していた2-1部分を戻し、帰宅後のまとめ作業において、分割部分のボルトが錆びついていたことを思い出した。次回の部品買出しリストの中に記載するため、パーツリストを立ち上げ、該当部分をチェックしたところ。

パーツリスト上の記載

図中の赤丸部分、9番がボルトなのだが、どうみてもスタッドボルト。部品名においても、スタッドボルトという文字が表示される。現車においては、ラチェットでボルトを外した記憶がある。もう一度、再確認だ。

4-2部分と2-1部分の分割点

やはりボルトだ。EK9シビックRの純正エキマニを一通り調べたところでは、スタッドボルトを4-2部分に植え込み、2-1部分側からセルフロックナットで固定するのが正規のようだ。錆びて固着したセルフロックナットほど、厄介な固定具はないので、現状のボルト止めでメンテナンス性の向上に役立っていることは間違いない。錆びていないボルトを入手するとして、まずはサイズを調べないと。次の車いじりのときに、再チェックすることになった。

さらにパーツリストを見直していたところ、先に掲載した図中の青丸部分、16番と11番のボルトとワッシャーが車体に装着されていないことも判明。現車のブラケットに装着されていた痕跡はなく、記憶の限りでは納車してすぐのホイールアライメント調整のとき、既に無いことを確認している。このときはブラケット上の謎の穴という認識だったが、今になって固定用のボルトがセットされるための穴と分かった。

エキマニの分割部分での異種ボルト使用といい、ブラケットの失われた固定用ボルトといい、過去の経歴が謎な部分が再び出てきた。再びというくらいなので、その第一弾が、四点式シートベルトのアイボルトが残っていたという点。中古車で入手している以上は、前オーナーが何かしらの『特別(≒スポーツ走行)』な使い方をしていてもおかしくはないが、度重なるリフレッシュ作業において、大半の部品が入れ替わっている現状では、前はどうだったのか?と追究することは、今ではナンセンスだろう。

4-2部分と2-1部分は、このままボルト止めを維持するとして、強度区分や表面処理の違いを慎重に選ぶことになりそう。排ガスによる高熱と酸化、振動に耐えなければならないので、ホームセンターで売られている汎用ボルトやステンレスボルトは使えない。なるべく純正品で、要求事項に添える部品を探さなければ。

CXシリーズ

マツダの車ではない。

脳のバックアップとしての写真だけでなく、当サイトの作成で必須になっている写真は、全てリコー製のデジカメで成り立ってきた。というのも、リコー製のデジカメはマクロ機能が素晴らしく、これを知ってしまうと他社のマクロ機能はどうにも使いにくい。小さな基板上のハンダ写真や、ケーブルのコアを撮るには、マクロ機能が必須条件。そんなことから、R8→CX3→CX4と順次使い続けてきた。

先日の、トヨタ産業技術記念館へ出発する際、オドメーターを記録しておこうと当日一枚目の撮影を行った。さて出発しようと電源ボタンを押したところ、レンズが格納できなくなるのと同時に「ガガガッ」とギアが噛み合わないような異音を発するようになり、使えなくなってしまった。どうにも正常に復帰せず、なんとかレンズを格納させようとしていたらバキッと音が鳴り、内部の部品が外れたか折れたかしてカラカラと動き回っていて、とどめを刺した。その後、館内等での撮影は、スペアのデジカメでなんとか乗り切っているが、使い慣れないカメラだけに、満足のいく写真は一枚も撮れていなかった。

以前から調子が悪く、電源を切ったときのレンズ格納がうまくいかず、自動で何度か出し入れするようになっていた。2016年6月に譲ってもらい、1年8ヶ月での撮影枚数は3,000枚以上。起動終了の動作、ピント合わせの動作、ズームの動作と、撮影に絡んで相当酷使したはず。それで壊れたならば、使い切ったようなものか。

デジカメが壊れてしまうと、当サイトの運営にも関わる重大なトラブルとなる。使い慣れていて、マクロ機能を重視するとなると、今回もまたリコー製デジカメしかない。残念ながらCXシリーズはCX6を最後にカタログ落ちとなっており、入手するにしても中古しかない。程度の良さそうなものを見つけ出し、チョイスしたのがCXシリーズの最終モデル、CX6となった。

トミカリミテッドヴィンテージ NEOトミカリミテッドヴィンテージ NEO EK9 シビックタイプR 前期型

一発目の撮影が、トミカリミテッドヴィンテージ NEO LV-N158b シビックタイプR となった。まだフォーカスのクセが分かっていないので少々ぎこちないが、ピントが合うまでの時間が短くなっており、すぐに慣れてくるはず。

それにしても、前期型のボディーカラーは白だけでなく、銀を併せて出してくるとは。この手の商品は、前期型であれば白と黒、後期型であれば白と黄というのが相場だったように感じる。銀色は後期の黄色以上に希少な色(というか知られていない色)だけにモデル化されにくく、実車でも商用車に馴染んで気づきにくいという強烈なステルス機。トミカを通じて、シルバーの設定があることを初めて知ったという人がいてもおかしくはない。

曲損しとったがね

今月四日に、シビックRを柱にぶつけた。バンパーに付着した柱の汚れや擦り傷はコンパウンドで磨き、粗方ごまかすことに成功。ぶつけたことで、バンパーがエラく内側に入ってしまい、もしかしたら内部ステーが曲がったかも?という記事を当日に書いていた。さて、バンパーを外してさらに詳しくチェックしてみると。

右側ステーの様子

正常な右側のステー。ヘッドライトの下縁と同じ弧を描くように、緩やかにカーブしている。

曲がっている左側のステー

ぶつけた左側のステーは、ヘッドライトより内側に入り込むようにして曲がっていた。バンパーを手荒に装着しても曲がることが無かったステーが、老人の歩行速度程度でぶつかっても、このように曲がったわけで。1tもの車体重量は、思った以上にかなりのエネルギーを持っていることを実感した。そういえば、転がっている車を手で止めようとしても、止められなかった記憶がある。

外側に曲げ直すくらいなら、さっさと交換するのが吉。クローゼットに放り込んであるストック品を使うか…?その前に、新品が入手できるか調べるために発注してみたところ、引き続き買えることが分かって即購入。場所柄、雨水が入り込む部分なので防錆塗装を施しておき、後日の交換作業に備えておく。

270,000kmに向けて

名古屋から帰ってきて、お疲れ休みに入ることなく、通常の生活サイクルに戻る。260,000kmを突破しながら、手をつけていなかったミッションオイルの交換を行う。いつもはディーラーで行っているが、今回は自前でやることになった。

196,000kmのときに、ミッションのオーバーホールが行われた。慣らし運転期間が終わると当たりが良くなったのかフィーリングが良くなり、この調子を長期に渡って維持するため、200,000km以降は10,000km毎の交換を継続している。

ミッションオイルはオイルエレメントによるろ過機能が無く、シフトミスや動作に伴って発生する鉄粉の除去は、内部の磁石に頼っている。磁石も絶対的なものではなく、捕りきれない異物等はオイルと共に排出するしかない。もう一つ、シフトフィーリングを維持する目的もある。シフトフィーリングは時間を掛けて少しずつ悪化するようだが、その変化量は僅からしい。それでもミッションオイルを交換してみると、カチッとシフトが決まるようになり、気持ちのいい操作に戻る。こうして頻繁に変えていくことが、ミッションの延命にも繋がるわけで。

1.2万キロ走行後のミッションオイル

色や粘度は新品に近いか。マグネット入りのドレンボルト(通称磁気栓)には細かい鉄粉がいくらか付着していたから、短距離での交換は悪いものではないようだ。ミッションオイルは、ホンダ純正のウルトラMTF-IIIを使用。1リットル缶での販売があれば、とても有難いのだが。

ドライブシャフトを抜いてみる

ミッション内にオイルが入っていないことを利用して、270,000km到達時に予定している作業の練習を行った。一部のボルトがオーバートルクで締められており、頭を舐めてしまい再使用はできなくなった。基本的に外したボルトは再使用せず、新品を使うように心がけていたが、理由は先述したように舐めてしまった場合の対策。今回の事前練習でボルトをダメにしやすい部分や作業の流れを把握することができたので、作業本番に向けて必要部品の再リストアップからスタートだ。

名古屋から帰ろう

ホテル周辺の最低気温は-1℃。そこに北風や潮風が常に吹き付けるので、体感的にはもはや痛いレベル。さて、早めに起きてチェックアウトの準備をしようと駐車場に行ってみると。

凍りついたEK9とS15

凍りついた状態は初めて見た。高速道路では凍結防止剤を巻き上げ、今朝は解氷スプレーの液剤まみれになり、ついでに潮風を一晩中浴び続け、車体の加速劣化試験でもやっとるんかいな?という状態に追い込んでいた。汚れが目立たないシルバーでも、さすがに汚いと分かるレベルに陥っていた。下回りを含めて、今日中に洗わないと。

朝日に照らされる高速道路

ホテルからすぐに高速道路に入り、さっそく帰り始める。いわゆる名古屋走りを警戒し続けていたところだが、そのような走りを見ることは無かった。

ただ、高速道路では、まだ加速帯にいるにも関わらず、走行車線よりもハイスピードで近づき、ブレーキを踏みながら車間へねじ込むようにして合流…するだけでなく、そのまま跨いで追い越し車線に出て、さらに加速して見えなくなっていくシーンを何度か見ることになった。一台でも多くパスすることに執念を燃やしているのだろうか。後々、名古屋在住歴のある人に聞いてみようか。

豊田アローズブリッジを渡る

伊勢湾岸道の豊田アローズブリッジを渡れば、新東名へ自然と入っていく。今年は新東名を走る機会が多く、まだ愛知県にいるというのに、新東名に入っただけで家の近くまで来たときのような安堵感を覚えていたりする。距離感覚がすっかり狂っているので、世間では長いといわれる静岡県の横断も、全く気にならない。

浜松SAからの展望

浜松SAには展望台があって、急な階段には「足元注意」。展望台から降りるときは「手すりをつかんで」という注意書きを目にする。プライベートでも、このような注意書きを読むことになって、妙な疲労感が…。普段の高速道路での小休止といえば、トイレへ行って自販機で水分を買う程度しか動かなかったが、このように歩き回ることで、腰痛防止に効くことが実感できた。おかげでこの二日間、一度も鎮痛剤を服用せずに済んだ。

御殿場JCT

御殿場JCTから東名高速に戻れば、あと少し。渋滞を避けるため、意図的に遠回りするコースを採る。洗車と給油を行い、夕方前には帰着。総走行距離は763kmとなった。2017年3月のトヨタ博物館、そして今回のトヨタ産業技術記念館ということで、気になっていた愛知県のトヨタ系ミュージアムは一通り巡ることができた。お疲れ様でした。>S15オーナー

蒸気機関、鋳造、鍛造

機械いじりを趣味にする者として、ものを作り出す技術の知識習得も欠かさない。机上で鋳造や鍛造を勉強するだけでなく、実際に見ておいたほうが、より効果的というもの。愛知県名古屋市にあるトヨタ産業技術記念館では、目の前で鋳造と鍛造の実演が行われているということを知り、ドライブがてらさっそく行くことになった。

凍結防止剤まみれの新東名

ここ数日の寒波で、新東名高速は凍結防止剤まみれになっていた。帰ったら(また)下回りを洗浄せねば。それにしても、わざわざゴトゴトと音と振動が発生する白線を踏んで、凍結防止剤を巻き上げながら走る大型トラックの存在が謎だ。わざと踏んで後続車に対する嫌がらせか、それとも白線を踏んでいることに気づいていないだけか。

スルザー製蒸気機関

記念館に到着してしばらくすると、蒸気機関の実働展示が行われるタイミングだった。このズルツァー製蒸気機関見物も目的の一つ。手前が低圧シリンダー、奥が高圧シリンダーとなっており、プッシュロッドの動作音と弁の切り替え音が心地いい。カムシャフトやクランクシャフトのゆったりとした動きは、まるで映画タイタニックの機関室のワンシーンを見ているかのようだった。

鋳造の実演その1

さて、鋳造の実演時間だ。実際に融かしたアルミを扱うので、職員もフェイスガード、ヘルメット、耐熱手袋を装備して「あ、これはガチだ」。サラサラになっているアルミを砂型に流し込んでいるところ。

鋳造の実演その2

流し込んだアルミが固まるまでは時間が掛かるので、ここからは3分クッキング方式となり、冷えて固まったものが用意される。目の前にあるのは恐らく前回の実演のときに流し込んだ砂型で、ここから鋳れ込んだ品を取り出す。

鋳造の実演その3

砂型をハンマーで破壊して、鋳造品を取り出しているところ。破片と粉塵が勢い良く飛び散るので、防塵マスクを当てているのが分かる。

鋳造の実演その4

そして取り出される鋳造品。目の前でミニチュアエンジンブロックが出てきて、これは欲しい!

鋳造に必要な道具類

こんな道具や手法で、鋳造するんですよーと見せてくれた現物たち。破壊した砂は再利用できるし、上部の型(木型)があれば、型から作り直すカタチにはなるが、次々と製造することができるそう。型を砂ではなく金属製にすれば、破壊プロセスを無くしてさらに量産スピードを上げることができるそう。

なるほど、一つの工程を減らせばコスト低減と生産性の向上に繋がるわけか。これ、自動車製造に限らず、当てはまるものは多いかもしれない。

記念品

鋳造の前にも、実際に熱した鉄を打ってミニチュアコンロッドを作り出す鍛造の実演展示が随時行われており、プレス機から打ち出されたミニチュアコンロッドが貰える。そして、鋳造。一つの砂型からはミニチュアエンジンブロックが二つ鋳造されるが、切り離しとバリ取りが行われただけのものを貰うことができた。ちなみに、同行者の旋盤主任となるS15オーナーも貰っており、こちらは切削実演で使用した、面研とシリンダーのボーリングがされたミニチュアエンジンブロックとなった。

自動車館

自動車館を見下ろす。写真手前にあるように、確かに車が展示されているが、車本体の展示は必要最低限で、製造ロボットの動態保存、自動車を構成するコンポーネントの展示がメインとなる。板金や製造、部品単体の進化に興味がある人ほど、展示物から動かなくなること請け合いだ。

溶接工程の実演

パネル単体からモノコックボディが製造される流れが、実際に動いて確かめられる。溶接は行われないので火花は飛ばないものの、スポット溶接機が次々とスポット溶接していく様子が再現されている。

組付工程の実演

組みあがったボディに、フロントメンバーにセットされたエンジンやフロントサス、プロペラシャフトからリアセクション一式を一まとめで組み付ける工程も展示。トヨタはライン化された自動プロセスで組み立てていたが、後にやっちまう某社はこの工程を人の手に頼っていたことが、動画として大量に残されている。会社と労組の絡みがあったとはいえ、同年代で大きく差があったことが窺い知れる。

名古屋高速を経由

開館時間をフルに使って、たっぷりと展示物を見て回った。日が傾き始めたので、ホテルへ向かって移動開始。懐かしの、首都高バトル01(ゲーム)で走った名古屋高速を実車で通過することは、15年の時を経てようやく実現。感動なんてものは一切無く、走り慣れない都市高速ゆえ、緊張したまま通過することになった。

前日は夜勤明けだったことや、今日の出発も夜明け前。そんな睡眠状況をベースに、記念館内では合計4時間近く休むことなく歩き回っていたおかげで、20時過ぎには猛烈な眠気と疲れが出る。翌日の帰宅走行に備えて、早めに寝ることになった。

ケツを撮る

乗り物等を撮影した写真を見返していると、後方から撮影したものがやけに多いことに気づく。

青森の八甲田丸

青森の八甲田丸。遺構となる可動橋と車両搬入口と共に。今年は何度、この船を見に行けるだろうか。

横浜の氷川丸

横浜の氷川丸。やはりケツから撮っていた。

ロケットエンジンのインジェクター部分

こちらはケツの中。大量のインジェクターが規則正しく並べられている。

ロケットエンジンのノズル

その正体は、ロケットエンジン。部品単体で見ていくと、ターボポンプ、マニホールド、点火プラグ、整流板と聞き覚えのある名前がたくさん出てくる。

S-IIとJ-2ロケットエンジン

ケツという点では、ロケットの底部こそ、機械好きにとってはたまらない部分ではないか。こちらはサターンV第二段ロケットS-IIにある、5基のJ-2ロケットエンジン。映画アポロ13における「ヒューストン、センターエンジンが停止。残り4基は異常ない」というシーンは、この中央エンジンが停止したもの。

タンカーとシビック

タンカーとシビックのケツ。言葉遣いや素振りがいかにも船乗り!という感じの船員さんもいた。なかなか厳しい業種のようで、乗り物業界はどこも一緒とお互いに認識することになった。

写真は人に見せるために撮影しているのではなく、時間の経過と共に薄れていく記憶のバックアップが第一だろうか。特に乗り物系だと、船首や進行方向側から撮る一方で、後方から撮った写真のほうが多い傾向にあり、これで全体の印象が掴みやすくなる。