トヨタ産業技術記念館の自動車館では、自動車の進化に関する展示品が多数ある。ボディフレームの展示もあって、EK9シビックRの防錆対策及び、モノコック構造の弱点を一つでも発見しようとしている私としては、強く興味を惹かれるものだった。

1950年代のFR車(クラウン)のフロアフレーム。写真上部がフロントのエンジン側となる。筒状のサイドシルがフロント側へ伸び、同時にエンジンやサスペンションを支えるメンバとの接続部分になる。人を運ぶ駕籠のように、太いフレームを骨格にして薄いパネルで仕上げていく構造になっているとイメージするのが早いか。
筒状になっているフレーム内部へノックスドール700を大量噴射するとして、時代的に防錆鋼板の性能も良くないと考え、パネルの合わせ面部分が無事か否かで、ボディの健全性が決まりそう。よく見ればフレームやパネルの板厚は似たようなものに感じ、ジャッキアップポイントも後付感MAX。ジャッキアップ作業を繰り返せば、サイドシル部分の多少の凹みや歪みは仕方ないのかもしれない。…と、自分が作業するならどうしたらいいか、その場で考えていた。

1990年代のFF車(カローラ)になると、どこかで見覚えのある構造に変わっている。サイドシルはタイヤハウス部分で終わっており、変わりにトヨタ車での名称は分からないが、ホンダ車でいうところのフロントサイドアウトリガーによる構造になっている。見るからに厚い鉄板で構成されており、フロントが重たいFF車としての剛性確保と、衝突の際はキャビンが潰れないように強度を高める構造になっていることが分かる。
フロアパネルに対して、フロントサイドアウトリガーの板がズレながらスポット溶接されているので、長期に渡って風雨に晒されると、毛細管現象で水を吸い上げ、内側から錆びそうだ。よく見るとフロアパネルとサイドシルの間にも谷があるので、ここも内側から錆びそうな感じ。この形式のカローラの防錆対策やレストア作業を探してみたが、日本最強の大衆車だけに、そこまで行っている例は殆ど見つからなかった。さらに古いカローラなら、いくらでも見つかったが。

こちらは1990年代後半のFF車…というか、EK9シビックRの例。90年代だけに、構造は似ている。
トヨタ産業技術記念館に限らず、興味を持って出かけた先の展示品は完全にサンプル、資料収集の対象物となっている。片っ端から撮影していくために、一度の見学で100枚近い写真を撮ることは当たり前となっている。そこで得た情報から、車の維持であれば、どう役立たせるかを考える。視野を広げておけばおくほど、このプロセスが面白くなっていく。