オブジェクト第三弾

手元にはゼニスとロンジンのオブジェがあり、これはムーブメントを構成する小さな部品をレジン樹脂で固めたもの。

オブジェ第三弾は再び機械式腕時計のムーブメントだ。

レジンのオブジェクト

これはカッコイイ。硬化したレジンの中に、ムーブメントの小さな部品が封入されている。

フタを開けた香箱

機械式時計だけに、動力源となるゼンマイは見えるようにフタを開けた状態に設定。

リューズの王冠といえば

リューズには見慣れた王冠が。

レジンは太陽光や蛍光灯の紫外線に弱く、黄色く変色してしまう特性がある。第二弾オブジェクトのロンジンは、既に黄色く変色してしまっている。この第三弾オブジェは、紫外線に対する耐久性を向上させているとのこと。飾っているうちにどう変化していくか、調査はまだまだ続く。作製していただき、ありがとうございました。>S15オーナー

値上げ、予想通り

あれもこれも値上がり値上がり。一方で給料はいきなり増えることはないので、当面は厳しい状況が続く。

オメガの公式Webサイトを眺めていて、そういえば…とカスタマーサービスのページに移動する。メーカーによる正規オーバーホールサービスは変わらずなのか、ふと気になって調べてみる。流れそのものは大きな変化はなさそう。では、価格については?これが強烈な値上がりで、機械式クロノグラフで135,300円

2019年7月から8月に掛けての、第一回目の正規オーバーホールでは84,240円だったことから、51,060円の値上がり。時計本体そのものがけっこうな値上げになっていて、応じてオーバーホール費用も見直されるだろうと覚悟していたので、ある意味では予想通り。

もう一つ。グランドセイコーはどうか。グランドセイコーでは修理箇所を細かく指定できて、応じて費用も変わる。ムーブメント本体のオーバーホールだけでチョイスしてみると、スプリングドライブモデルで56,000円と出る。手元の2021年初頭の資料では52,000円というデータがあって、4,000円の値上げとなっていた。

腕時計たち

例えば、Yahoo!ニュースをチェックしていると、時計のオーバーホールに関する記事が年に数回アップされる。オーバーホールに関する記事が毎年出てくるあたり、維持費に関心が持たれていないことが背景にあるのかもしれない。時計をステータスシンボルや投資目的で購入し、その後の維持費は全く考慮していないパターンが多いのだろう。メーカー正規のオーバーホール費用にびっくりして、そんな人のために当店のオーバーホールは、正規サービスより〇〇万円安く仕上がります!といった謳い文句も出るわけで。

機械式時計は購入してからが本番で、維持費が掛かるのは当たり前。整備費用をケチって、ワケの分からない時計屋に持ち込むと、持ち逃げされたり、適当な修理をされて不調を抱えてしまうようなことになり、ロクでもないオチが待っているかもしれない。

8J41-0AJ1の電池交換

セイコードルチェSACM171…8J41-0AJ1の電池交換をようやく行った。

セイコードルチェSACM171とSR916SW

状況としては、2022年3月に電池切れ予告の2秒運針が始まり、その後停止。ドレスウォッチという使用用途が限られるモデルでもあり、11か月近く放置していた。

このまま放置し続けると、電池からの液漏れの原因になり、さらにはムーブメント内の潤滑油が偏ることで精度が出にくくなる恐れもある。作業デスクの整理を兼ねて、電池交換を行って運針状態に復帰させることにした。

リューズのOリングの損傷

クリーニングのためにサクサクと分解していくと、リューズに組み込まれているOリングに損傷を発見。汗をはじめとする体表からの水分が時計内部に入ってしまう恐れがある。手持ちの代替用のOリングと交換して仮修復。

Cal.8J41

蓋を閉じる前に、Cal.8J41を眺める。

宇宙関係の趣味は時計趣味に通ずる部分があり、光の速度をはじめとする観測は時計の精度が関わってくる。例えば、地球の自転に誤差があることを発見できたのは、精度の高い時計(原子時計)で計測できたことによるもの。光格子時計に至っては、300億年で1秒も狂わないとされ、約138億年前に誕生した宇宙よりも長い数値になっている。

今でこそ、電波時計、機械式時計と精度がバラバラな各種時計で遊んでいる身だが、ムーブメント自体の精度への興味や時計のデザインの奥深さを知るきっかけになったモデルが、このセイコードルチェSACM171…8J41-0AJ1だ。

時計修理の練習台としても活用し続けているので、こじ開け部分がズタズタになっているのが写っており、ここ以外も傷だらけ。次の電池交換タイミングでは、ケースの研磨も考えてみたい。

CASIO G-SHOCK GA-100L/5081の電池交換

「時間の流れが遅いと思ったら、電池切れっすよ!」と電池交換依頼。カシオG-SHOCK GA-100L/5081で、GA-100系列はこれで3機目だったりする。

1機目…GA-100CF/5081

2機目…GA-100GB/5081

慣れた機種なのかもしれないが、絶対に油断してはならないのが時計修理ネタ。それでは作業スタート。

ナースウォッチ風にカスタム

今回のGA-100L/5081は、ナースウォッチ風にカスタムされたもの。腕に装着すると邪魔、とはいえ時刻は常に注意したいという考えから、パンツのベルトループに引っ掛けられるナースウォッチ風に仕上がった。

時計ケースのカラーリングとカメラの相性が悪いのか、全体的に色が潰れてしまっているが、実機は非常に鮮やか。時計ケース、ナイロンバンド、カラビナの三点の色具合に違和感が無かった。おかげで最初からこのようなデザインだったの?と聞いたほどの、センスの良さ。

裏蓋側の汚れも最小限

腕に装着されていた時間は本当に短かったようだ。大抵は、裏蓋やケースの溝に手首の垢が大量に積もっており、洗浄作業に多くの時間を要する。この時計の場合は汚れが少なく、簡易清掃で十分にキレイになった。

カシオのウォッチモジュール5081

裏蓋と衝撃吸収用のスペーサーを取り外せば、電池を交換することができる。電池はCR1220を一つ使う。新しい電池をセットして、液晶が元通りに表示されていることを確認。AC端子とマイナス部分をショートさせ、内部コンピュータのリセットをすれば作業も折り返しだ。

Oリング用グリス

防水用のOリングは、しっかりとシリコングリスを塗布する。腕時計修理用に、シリコングリス塗布器というものがある。ケースと上蓋の両方にシリコングリスが詰められたスポンジがあり、内部にOリングを収めてふたをして、くるくる回す。するとOリング全体にシリコングリスが行き渡り、防水と密封性能が維持できるようになっている。

裏蓋を閉じたら時刻設定を行って、針の0点調整。続いて、文字板を照らすライトやアラーム機能の点検を行い、一晩掛けて運針状況をチェックする。ご依頼ありがとうございました。

最終チェックOK、返送完了

セイコールーセント5E21-6E90のメンテナンス作業、最終日。

6月21日に新しい電池をセットして、運針状況と精度をチェックするため、電波時計と並べて監視を続けていた。止まる様子はなく、電波時計と殆ど変わらぬ精度を保っている。むしろ部屋の暑さから、現在は僅かばかり進む方向になっているので正常と判断。

電波時計との比較

電波時計はカシオPROTREK PRW-3500Y-1を用いた。

今となっては懐かしい『宿題は朝の涼しい時間帯に済ませる』という一文。これに則り、朝5時前から活動を開始しており、まずはシビックRの洗車。先日のR299ドライブでフロントバンパーやグリルが虫だらけになっており、全て水洗い。もちろんバンパーを外しての作業。

次に6時過ぎから、今度は時計関係。運針と精度の両方に確認が取れたことから、再度クリーニングを行って手垢やホコリがない状態に仕上げる。輸送中の衝撃を受け流せるよう、入念に梱包して発送準備よし。先に掲載した写真が、6時半を回ったタイミングになっている理由は、この早朝から動き回っていた背景によるもの。

集荷依頼時間どおりにサービスドライバーが到着し、返送手続きも完了となった。ご依頼ありがとうございました。>副社長

電池交換して本格復活へ

セイコールーセント5E21-6E90のメンテナンス作業の続き。

超音波洗浄機を使用してケースを徹底的に洗浄し、完全に乾いたことを確認してから、ムーブメントを組み込んでいく。

セイコーCal.5E21全体像

ムーブメント全体像。セイコーCal.5E21の公称スペックは、精度月差±15以内(常温)、使用電池SB-AT(SR716SW)、電池寿命は約3年となっている。

定期的にオーバーホールを行っていたとのことで、素人目からしても非常にキレイな状態を保っていた。特に状態が悪いわけではないので、このまま分解せずに継続して使用する。

SII製SR716SW

使用する電池は、セイコー純正…SII(セイコーインスツル)製のSR716SWを使う。パッケージにも記載されている『SEIZAIKEN』とは、仙台精密材料研究所(セイコー電子部品株式会社の前身)と国立学校法人東北大学金属材料研究所による共同開発の略称、ブランドだそうな。漢字では、精材研と書くのだろう。

電池ボックスはクリーン

使用済み電池を外し、電池ボックスをチェック。やはりオーバーホールを経ているだけあって、きれいなもの。

新しい電池をセット

SEIZAIKENブランドの新しい電池をセットする。すぐにジャッ…ジャッ…と駆動音が響くようになり、まずは安心する瞬間。呼吸を整えて、組み立て工程に入る。

プラ製のホルダーを組み込む

ムーブメントを固定する緑色のプラスチック製ホルダーを組み込む。これがないとケース内でムーブメントがガタガタと動き回ってしまう。

過去に電池交換をして裏蓋を閉じたまではいいが、ケース内でムーブメントがガタガタと動き回ることがあった。作業を見直したところ、固定用ホルダーを組み込み忘れによるものだった。

耐磁プレートを載せる

耐磁プレートを載せて、裏蓋を閉じればメンテナンス作業は終了。裏蓋のパッキンは歪みや膨張、痩せといった損傷が無かったため、シリコングリスを塗布して再利用とした。

セイコールーセント5E21-6E90

セイコーのカタログやパンフレットに掲載された写真では、アナログ時計は必ず10時8分42秒に設定されている。当サイトでも、セイコーについてはできる限りこの設定に従っており、10時8分42秒で記念撮影。シンプルながらも見やすいドレスウォッチで、フォーマルからカジュアルまで、使用場面を全く選ばないのが凄い。ルーセントだけでなくドルチェ、グランドセイコーにも当てはまる。

ここから発送日までは、精度が出ているかチェックが続く。しばらくお待ちください。>副社長

ケース洗浄

今日はセイコールーセント5E21-6E90のケース洗浄だ。洗浄工程は2回を予定し、まずは1回目。

リューズパイプをクリーニング

汚れが積み重なっていたリューズパイプ周辺を洗い終えたところ。もちろん穴の内部もクリーニングしている。

リューズパイプに積もった汚れ

こちらが洗浄前。

縁の汚れも除去

縁の汚れも落ちて、スッキリした。

メッキ加工部分の脱落

全国の鉄道の発車と到着を支え続けてきた、ベテラン時計。夜行快速、寝台列車、一分乗り換えや大雪等々。ケースの傷は、過酷な旅を繰り返してきた証かもしれない。

溝の変色は問題なし

パッキンが収まる裏蓋の溝。変色があったので、さて錆か?と思いながら、爪の感触で溝を調べてみると、荒れや膨らみはない。問題なしと判断。

第1回洗浄工程は終了。第2回目はまた後日。

不動化→即復活

「落としたら動かなくなっちゃったから、直せないか」と組織の副社長から時計修理依頼。落としたとなれば、いろいろな可能性を考えて準備を整え、到着を待つ。

セイコー ルーセント 5E21-6E90

やってきたモデルは、セイコー ルーセント 5E21-6E90。昔から腕に付けていたなと思い出しながら、さっそく調査開始。

受け取った時点では確かに動いていない。歯車の軸折れや曲がりを覚悟しつつ、まずはリューズを動かしてみると回転に変な感触はなく、少なくとも時刻調整は可能。

やはりムーブメントを直接確認しないとダメなので、裏蓋を開けるためにリューズを元に戻すと、ちょい古セイコームーブメント特有の「ジャッ…ジャッ…」という運針の音が響き始めた。あれ?

ムーブメントとケースを分離してチェックすると、なんとなく不動になっていた原因が掴めてきた。

リューズパイプに積もった汚れ

リューズパイプに積もった汚れ。恐らく、落とした瞬間にリューズが飛び出してしまったが、パイプに積もった汚れに引っかかって、中途半端な位置にズレてしまう。それでもモーターの動力が伝わる歯車からは外れているので、運針が止まったまま…と。

裏蓋の汚れ

裏蓋の隙間にも汚れがある。ケースの汚れを含めて、キッチリとクリーニングを行う。パッキンそのものは正常に機能している。

落としているという事前申告から、ムーブメントのダメージがないか引き続き調査を続けることになった。返却までしばらくお待ちください。>副社長

同一傾向=センサー動作良好

手元には、図らずもCASIO PROTREKの腕時計が二本揃うことになった。1990年代の旧々世代PROTREKのPRT-71/2356、2010年代の旧世代PROTREKのPRW-3500Y-1/3414となる。

両者共通して気圧センサーと温度センサーが備わっており、また2時間毎の自動計測によるグラフも表示される。今日の天気は朝から晴れていたが、上空には寒気があって朝から雷注意報がある。さらに雹や夕立の恐れもあって、油断できない天気となっていた。

今日の天気を利用し、センサーの動作状況を比べてみることになる。

PRT-71/2356の気圧グラフ

まずはPRT-71/2356。旧モデルだけあってグラフは過去24時間表示で、上下範囲も広くはない。朝8時をピークに一旦気圧は落ちているようで、撮影時点での20時では少し上がったことを示している。

PRW-3500Y-1/3414の気圧グラフ

続いてPRW-3500Y-1/3414。グラフは過去48時間表示。しかも上下範囲が広くなっており、変化具合が見やすくなっている。PRT-71を基準にすれば、やはり12時間前から気圧は落ちていて、20時の時点では上昇している。

センサーの精度は向上しているだろうが、内部プログラムのベースはさほど変わっていないのか、二本共に似たような計測結果となっていた。現状ではセンサーの動作状況は問題ないと判断できる。

机の上にはアナログ気圧計も置いてあるので、3つの計測からどれが異常なのか判断しやすい。ちなみに複数のマシンによるの合否判定システムは、エヴァでお馴染みのMAGIだけでなく、スペースシャトルや飛行機、鉄道といった現実世界における重要な機器に組み込まれている。

カシオ修理受付センターから戻ってくる

突然預けられたカシオPROTREK PRW-3500Y-1。旧モデルながら現在でも修理対応となっていて、それならばと傷んだバンド交換と内部清掃をカシオに依頼したのが5月上旬のこと。

カシオ修理受付センターではバンド交換と清掃で終わるかと思っていたら、まさかの錆の発覚。プラスして構成部品の不良も次々に提示されて、この際だから不具合箇所は全てリフレッシュしたれとGOサインを出す。

修理終了連絡と返却のために発送連絡が入ったのが27日。カシオ修理受付センターは近隣なので翌日配送が可能、到着は本日28日。さっそく開封して、状況調査となる。

風防裏側の汚れ、ケースに付着した錆

裏蓋から生じた錆がケース側に付着している。使い込みながら、洗浄していなかったG-SHOCKではよくある光景。ウレタンケースは錆ないが、裏蓋からの錆が膨らんでケースを歪ませてしまい、密封性が悪くなり、ネジ穴が壊れていく…という悪循環が待っている。

カシオ修理受付センターからは、ガラス内側は清掃不可能判定とされ、ケース一式交換となった。汚れが取れなくても、錆で歪んでいる可能性がある以上は交換しか対処できない。ソーラーパネルが組み込まれ、細部までの清掃が行き届かないためだろうか。

どのような汚れ具合からチェックするために指先で触れてみると、汚れを拭い去ることができた。ガラス中央の一部で色が変わっているのが拭い去った跡、周囲の灰色部分が全て汚れ。黒い紙の上に載せると、汚れによる変色具合がよく分かる。

裏蓋の錆

裏蓋の錆。汗が隙間に入り、水分と塩分が長らく残り続けたことによる影響だろう。時計をしながら汗をかいたら、使用後に拭き清掃、ヘビーデューティーに使える時計なら真水で洗浄。最終的には、定期的にオーバーホールするのが錆を防ぐ手段となる。

リフレッシュされたケース全体

外装部分は全て交換されたので、見た目は新品に戻った。ガラス内側の汚れが無くなり、液晶も見やすくなった。

ガラス内側の汚れ

修理前と比べると一目瞭然。

交換部位一覧

錆はモジュール本体にも影響を及ぼしており、やはり交換されている。再使用されている部分よりも交換された部分のほうが多く、補修用部品から一本の時計として組み上げられている。裏蓋交換によりシリアル番号も変わっており、実質的には別個体の時計になった。

時計本体、返却された部品、修理明細

交換され返却された部品、時計本体、修理明細書。預かっているものなので、基本は腕に装着することなく時計置き場に並べて、飾っておくことが主体になる。

大量生産に都合のいい構造と販売方法で、その後のサポートをあまり考慮されていない時計。極端な表現として、使い捨てとなる時計に対して、メーカーに修理を依頼してみると、どういう扱いになるのか。いろいろと知ることができた。