昨日の続き。
エンジンルーム内の3本のアースケーブルは、どれも見た目がボロボロになっていた。マイナス側でこの劣化具合なのだから、プラス側の劣化具合も気になるところなので、まずはパーツリストをチェックする。バッテリーを起点とすると、プラス側から出るケーブルはたったの2本。セルモーターと各電装系への供給及び、充電用のケーブル(正式名称はスタータケーブル)、そしてバッテリーからABSの制御系へ給電するケーブル(ABSヒューズボックスワイヤハーネス)となる。

レポート上では毎度おなじみ、パーツリスト。図中8番がスタータケーブルとなるが、赤いバツ印が示すように前期後期共に廃番。図中7番がABSヒューズボックスワイヤハーネスで、こちらは購入することができた。

バッテリーのプラス側ターミナルに、ナットで固定されているのがABSヒューズボックスワイヤハーネスで、少しだけ白い被覆が見えている。他にもコルゲートチューブに包まれたケーブルを2本接続しているが、これはバッ直のものなので今回は関係なし。
そのABSヒューズボックスワイヤーハーネスをたどっていくと。

ダンパーハウジングの前方にある、ABSヒューズボックスに到着する。ABSのポンプモーターや制御回路に必要な電力は、全てここから供給される。ABSの動作に必要な生命線でもあるので、交換することは悪いことではないと思う。

こちらが新品のケーブル、32230-S04-000 コード,ABSヒューズボックス、今月の価格で1,252円。パッケージシールが旧タイプで、ついでにビニール袋は凄まじく汚れている。長期間に渡って保管され続けていた可能性があり、誰も変えないよな、こんなところ…と思わせる状況だ。
作業前には、必ずバッテリーマイナス側の端子を外しておく。交換そのものは、ケーブル両端の端子のビスとナットを外していくだけで、固定部分はクリップ一つだけ。純正部品だけに取り回しも問題なく、在姿状態で行える。

左が外したケーブルで、ヒューズボックスの中に包まれていたせいか、銅色の輝きは辛うじて残っている。対し、右側が新しいケーブルで、一回り太いケーブルに変更されている。

新しいケーブルに併せて、グズグズになっていたナットも交換。90337-SJ4-003 ナットA.L.B、今月の価格で108円。このA.L.Bという略称は、恐らくAnti-Lock Brakeの頭文字で、ホンダにおけるABSの旧呼称を意味する。1990年代初期に各メーカーでABSと統一しているが、パーツ上では今もA.L.Bが残っているとは、意外な発見だった。歴史や設計背景まで見えてくる純正パーツの購入は、本当に面白い。

取り外されたABSヒューズボックスワイヤーハーネス。圧着端子の左側がバッテリー側で、マイナス側と同様に黒ずんでいるが、普段はショート防止用のビニールケースに包まれているせいか、そこまで酷い見た目にはなっていない。右側の圧着端子はヒューズボックス内に装着されていて、換気もロクに行われない環境下のおかげで、20年経過しても銅の輝きは残っていた。
外気に触れ続けるマイナスケーブルと違い、ショート防止で何かしらの保護がついているプラス側は経年による変化が少ないことが分かった。取り外したケーブルの導通状態は良好。外気に触れ続ける期間に応じて、ケーブルの寿命を大きく左右することが見えつつある。