充電しようそうしよう

今日の時計修理依頼は、カシオG-SHOCK。G-5600RB 2597というモデル。しかし、事前に貰った情報は「G-SHOCK」「液晶が消えたまま」の2点。現物をチェックしないとなんとも言えないので、まずは持参してもらう。

するとG-5600RBと判明し、ソーラー充電システム機能がある。まずは太陽光が当たる窓際に半日程度放置してみると、運針が再開。太陽電池による充電機能を知らない人が、時計店に電池店を依頼しにやってくる…とは聞いたことがあるが、なるほどこれのことか?と妙に納得。

異変に気付くのはここから。各ボタンの動作状況をチェックしていたところ、液晶を照らすELバックライトが点灯しない。点灯回路に不調があるとお手上げだが、ここが壊れることは相当なトラブルとなってしまう。ELバックライトを点灯させようとすると、液晶にはRECOVERの文字が点滅していることに気付く。

G-5600RB RECOVER表示

説明書によれば、電池に大きな負担が掛かったときにRECOVERマークが点滅し、ELバックライトや電子音が機能しなくなるとのこと。そういえば、ボタンを操作する度に鳴るはずの電子音も鳴らない。

フル充電表示のインジケーターは電池残量が減っている表示に切り替わっていき、すぐに要充電表示となる。となると、内蔵されている二次電池の寿命が疑われる。

続いて外装をチェックする。加水分解は無いが、裏蓋や尾錠に錆があって、全体的なコンディションは良くない。本来ならメーカーに送って修理するのがスジであり、取次として送り込んでしまうのもあり。今回は使えるまでには復旧し、メーカーへの修理依頼は所有者自ら行ってもらうことにする。

コピペではなかった

セイコーにコンプリートメンテナンスの依頼を出したのが1月中旬。見積もりという名の分解調査を行って、事前診断上では何事も無かったが、外装に著しい損傷があったために別注で交換依頼。別枠作業の有無は問わず、預ける期間は合計一ヶ月間となっていた。

同封されていた修理報告書を読む。処置項目はムーブメントの洗浄、ケースやブレスのライトポリッシュ、Oリングの交換。修理を示すRマークや調整のAマークはなく、コンディションは上々のようだ。

これが前回のオーバーホールではどうだったか。修理報告書を引っ張り出すと、これが酷い。先に示したRやAだけでなく、磁気入りによる脱磁作業のMマークまで表記されていて、散々なコンディションだった。

修理報告書の左端には使用上のアドバイスが掛かれており、今回は3~4年スパンで定期的なオーバーホールを勧めると書いてあるだけ。前回の報告書と比較すると、コピペではないことが判明する。

コピペではない使用上のアドバイス

左:前回の報告書、右:今回の報告書

前回の報告書では、丁寧に扱え、汚すぎだから使ったら掃除しろという静かな怒りが行間から垣間見える。逆の立場だったら、間違いなく書くだろうし、そもそも日頃の電池交換作業後の報告では「使ったらタオルで拭きなさいな」とか直接言っているわけで、同じようなものかと納得。

次はスピードマスターのオーバーホールを依頼することになる。さすがに連続的に修理に出すと、費用面で苦しい。秋口にでも銀座へ持っていくとしようか。

まとめて終了

17日に腕時計の電池交換依頼が入る。合計4本あり、当日中に裏蓋を開けてムーブメントを確認。同時に使用している電池も判明するので、発注を掛けて本日到着。さっそく交換作業に入る。

使用する電池はどこで入手するか。それこそヨドバシカメラまでひとっ走りすれば、当日中に入手できて安価。素早く作業すれば、翌日には返却できる。しかし、4本の時計のコンディションがあまり良くなくて、多少の作業時間は確保すべきと判断。17日の夜に電池を発注すれば、翌18日に処理が行われて夕方便で発送され、19日に到着する。

この18日のうちに、簡易的な整備を行っておく。前回の電池交換はどこで行ったのかは分からないが、素人である私よりも酷い技量と分かるコンディション。本格的に直すのであれば実費となってしまうので、あくまで計時ができるレベルに留めるしかなかった。

発注した電池は、全てセイコー純正…SII(セイコーインスツル)/SEIZAIKEN製をチョイス。ムーブメントに新しい電池をセットして、運針再開を確認。入念にブロワーを掛けて、Oリングにはシリコングリスを塗布。傷をつけないよう、慎重に裏蓋を閉じていく。これを4回も繰り返すとヘトヘトに疲れる。

4本まとめて電池交換完了

現時点で運針に問題は無さそうで、2本のクロノグラフも動作は正常。翌朝までこのまま放置して、他の時計と同じタイミングで運針できていれば返却となる。ご依頼ありがとうございました。>依頼者

まとめて依頼

「今でも時計の電池交換ってやっているっすか?」なんて聞いてきたのは、旧職場のメンツ。そりゃもちろんと答えておき、週明けに持ってくるとのことで、受け入れ準備をしていたら。

4本の時計

「全部で4本っす」と、想定外の量。複数本の依頼も全く問題はないので、まずは受入検査から。

これがけっこうなコンディションで、リューズチューブにサビがあり、巻き芯が抜けない。過去の電池交換ではOリングの組み込みを失敗しており、Oリングが折れ曲がっている。やはり電池交換の失敗なのか、ケースに大きな傷が入っている。さらにはクロノグラフボタンの固渋…。

いわゆるファッションウォッチなので、ムーブメントを目視点検してから交換する電池を用意することになる。シチズン/ミヨタのCal.2035が二つ、セイコーのCal.VD35とCal.VR32となり、見慣れたムーブメントばかりなのが助かった。

単なる電池交換で済ますか、ある程度の修復を行って返却するか。難しい判断を続けることになりそうだ。

変な夢を見た

時計のオーバーホールを依頼することになった。体調を考慮して銀座の実店舗に向かうことはせず、オンライン手続きにて依頼する。

配送キットが送付され、時計を梱包したら発送し、サービスセンターで見積もり。それから作業を行うか返却するかを決めるといった流れは、どこも似たようなもの。発送は後日でいいか…といったところで気を失い、変な夢を見ることになったが。

同封されている伝票には、配送先の住所が記載されている。今はずいぶん便利な世の中で、その住所を検索すれば配送先が一発で判明する。カント地方の鼠県、街中の一角に建てられた物流センター的なところが、時計の配送先になっているようだ。

検索でヒットした住所には、秋坂なる会社がある。どうやら精工グループの協力会社として歴史があるようで、長らく時計の組み立てや部品加工を行ってきており、現在も精工グループの時計修理部門として機能している。

しかし。検索のリザルトページには、もう一つの時計修理店が表示されている。夢だったのでよく覚えていないが、1,000Year Doなる単語の記憶が微かにある。なぜ、同一住所に全く別であるはずの時計修理店が存在するのか。たまたま物流センターが同じだったのかもしれないが、そこで目が覚めた。

夢を念写してみる

夢の記憶が失われないうちに、AIに描かせる。いったい、あの検索する夢はなんだったのだろうかと思いつつ、配送キットを組み立てておき、後日に備えておく。

安価なオーバーホール価格を掲げつつ、費用を抑えるために、部品に少々問題があっても交換はしないとか、実際の作業はさらに下請けだとか。あれこれ理由が付けられて費用が積み重なり、正規オーバーホールと殆ど変わらないというオチとは、珍しくもなんともない。

オーバーホールのご案内

2025年度も本格的な郵便業務がスタートしたのか、次から次に郵便が届く。その中に、グランドセイコーからの封書が混ざっていた。はて?

グランドセイコーオンライン修理のご案内

一種のダイレクトメールで、オーバーホールしませんか的な内容。前回のオーバーホールから数えて4年が経過しており、タイミングとしてはちょうどいいのかもしれない。現状、特に不調はないため、長寿命化と故障予防のための定期オーバーホールになるか。

時期をずらして、オメガスピードマスターもオーバーホールに出さなければならない。今年のどこかでメンテナンスをこなしておけば、次の定期メンテは2030年になる。さすがに年齢を考えるのが怖くなってきた。

小→大

今日から12月、2024年最後の月に突入。

昨日は11月30日で、今日は12月1日。これは別にいつものことだが、手元にあるいくつかの時計は事情が異なる。小の月から大の月になるタイミングだと、日付が一日ズレてしまう。日付変更禁止時間帯を避けて、カレンダーを一日分送っていくことは、定例作業の一つになっている。

電波時計のカレンダーと日付がズレたカレンダー

電波時計は12月1日を表示しているが、カレンダーディスクを単純に回すモデルだと、31日になっている。リューズを引っ張って、あれ?どっちに回すんだっけか?と眠い目で再セッティング。特にデイデイトモデルになるダイバーズウォッチは、回転方向によってカレンダーと曜日が切り替わり、回す方向を忘れているので必ず日付と曜日のディスクが回転する。

たまたま撮影した時刻が5時55分55秒と揃っていた。電波時計を基準にすれば、部品取りとしてスタンバイしているダイバーズウォッチは15秒の進み、グランドセイコーに至っては2.5秒の進みと、精度に問題はなし。

緊急清掃

会社での出張やプライベートでの遠出といったオンオフ問わず、外行きのときに装着する時計はオメガスピードマスター、もしくはグランドセイコー。基本は前者で、使用頻度が高ければそれなりに汚れやすくなる。装着後の拭き掃除を行っていても、細部の汚れは残ってしまう。

EK9シビックRの総走行距離が384,400kmになって、オドメーターとスピードマスターを並べて記念写真を撮ろうと準備していたところ、バンドの動きがやけに硬くなっていることに気付く。屈折したまま角度が固定できる点は写真撮影に都合はいいが、普段はこうはならない。

はて?何か問題を抱えているのかね?とバンドの点検をしてみると、緊張感を強いられる異変を発見。

ブレスの関節部分の変色

バンドのコマ部分に明るい茶色の変色があり、垢?汚れ?それとも錆か?いずれにせよ、この変色が原因でバンドの動きが悪くなっていることが判明。バンドを時計本体から外して超音波洗浄に掛けてみると、けっこうな汚れが浮かび上がってくる。

冷水での超音波洗浄を終えたら、今度は体温に近い水温に切り替えて、もう一度超音波洗浄を行う。これで汚れが柔らかくなって、だいぶキレイになっている。どうしても取り切れない汚れは、道具を使って手磨きでクリーニングとなる。

クリーニング後のブレス

清掃完了。バンドの動きがスムーズな状態に戻って、手首に馴染みやすくなった。クリーニングで除去できたことや、バンド表面に荒れが無かった点から、錆ではなく汚れだったと判断。このまま異常に気付かなかった場合、本当に錆びてしまう可能性があり、バンド交換となれば、ウン十万円級の支出となってしまう。

錆びないとされるステンレスも、汗や汚れで表面の被膜が破壊され、錆びてしまうことがある。金属にとって汗はダメージの大きい汚染物質そのものなので、拭き取りだけでなく水洗いも重要となる。

久しぶりのクロック

休日出勤、二日目。

帰ってくると、修理待ちの時計が一つ。今回は腕時計ではなく、目覚まし時計。曰く、設定時刻になってもアラームが鳴らなくなったとか。電池切れ?いやいや、電池交換したばかり。事前チェックでは、確かに一瞬だけ鳴る。そうなると、内部のスイッチだろうか。

ひとまず診断しなければならないので、いつもと同じく分解。ムーブメントの内部を調べていく。

目覚まし時計用ムーブメント

腕時計サイズの歯車を見慣れているためか、目覚まし時計用の歯車は非常に大きい。これならラフに扱っても…大丈夫ではないのがポイント。

いくら大きくても、軸についてはかなり細く成形されており、少々の傷が歯車の回転不良=精度不良や電池の持ちに悪影響を与える。よって腕時計のオーバーホールと変わらぬ慎重さを求められる。

アナログタイプの目覚まし時計は、アラーム時刻になるとアラーム針からカムスイッチが落ちて、カチッと音がする。このときにムーブメント内部の接点が繋がって、ピピピピッ…とアラームが鳴る仕組み。

カチッというカムスイッチは動く、しかしアラームは鳴らない点から、接触不良の疑い。基板周辺を見ると、それらしい接点を発見。寝ぼけた状態でアラームスイッチを扱うため、強い力で接点が曲がってしまい、それで鳴らなくなったようだ。

基板上の接点を曲げ修正して、正常にアラームが鳴ることを確認。ムーブメントを分解しているため、1時間ほど精度を計測し、ついでにもう一度アラーム機能の動作状況をチェック。全て異常が無いことを確認すれば、作業終了となる。

早すぎる消耗の原因は?

「2秒運針になったから、電池交換を依頼したい」と持ち込まれたのは、セイコー ルーセント 5E21-6E90 SCRW061。

セイコー ルーセント 5E21-6E90

所属組織の副社長が使用しているもので、2022年6月に電池交換を実施しているが。

Cal.5E21の公称電池寿命は約3年。それが2年2ヶ月で消耗してしまったとは、少々早い。ひとまず電池交換をして運針を再開させ、ケースやブレスは超音波洗浄機でクリーニング。電池はセイコー純正…SII(セイコーインスツル)製のSR716SWを使用した。

SEIKO Cal.5E21

リコーG900を使ってマクロ撮影の練習。普段使用のCX6と比べてセンサー周りの性能が良くなっているため、色の表現性能がアップ、小さな歯車の歯までしっかり撮影できている。

さてさて。2年2ヶ月で電池切れになった原因として考えられるのが、各歯車に塗布されている潤滑油の劣化。モーターはスムーズに回転できない歯車を回そうとするため、消費電流の増加から電池寿命が早まってしまう。

こうなるとムーブメントのオーバーホールとなり、分解洗浄、各歯車の摩耗チェック、回路の健全性検査という流れになる。セイコーに限らずレトロクォーツのムーブメントは、回路のコンディションがその時計の寿命を決める。もし、回路に不調があったとしても交換しか手段がないからだ。

実際、このCal.5E21はセイコーにオーバーホールを依頼しても、補修用部品が欠品となっていた場合は作業中止となってしまい、返却されるようになっている。時計全体の健康状態と部品在庫の両方の面で運試しとなってしまう。

メーカーは断られても、街の時計店にオーバーホールを依頼し、復帰させる手段がある。今後もレトロクォーツを使い続けるなら、こういったところにオーバーホールを依頼してみるのも悪くはない。

この先、公称電池寿命に達する前に2秒運針になってしまったら、次はオーバーホールを視野に入れてもらうという診断結果になる。

というわけで、到着までしばらくおまちくだし。>副社長