早すぎる消耗の原因は?

「2秒運針になったから、電池交換を依頼したい」と持ち込まれたのは、セイコー ルーセント 5E21-6E90 SCRW061。

セイコー ルーセント 5E21-6E90

所属組織の副社長が使用しているもので、2022年6月に電池交換を実施しているが。

Cal.5E21の公称電池寿命は約3年。それが2年2ヶ月で消耗してしまったとは、少々早い。ひとまず電池交換をして運針を再開させ、ケースやブレスは超音波洗浄機でクリーニング。電池はセイコー純正…SII(セイコーインスツル)製のSR716SWを使用した。

SEIKO Cal.5E21

リコーG900を使ってマクロ撮影の練習。普段使用のCX6と比べてセンサー周りの性能が良くなっているため、色の表現性能がアップ、小さな歯車の歯までしっかり撮影できている。

さてさて。2年2ヶ月で電池切れになった原因として考えられるのが、各歯車に塗布されている潤滑油の劣化。モーターはスムーズに回転できない歯車を回そうとするため、消費電流の増加から電池寿命が早まってしまう。

こうなるとムーブメントのオーバーホールとなり、分解洗浄、各歯車の摩耗チェック、回路の健全性検査という流れになる。セイコーに限らずレトロクォーツのムーブメントは、回路のコンディションがその時計の寿命を決める。もし、回路に不調があったとしても交換しか手段がないからだ。

実際、このCal.5E21はセイコーにオーバーホールを依頼しても、補修用部品が欠品となっていた場合は作業中止となってしまい、返却されるようになっている。時計全体の健康状態と部品在庫の両方の面で運試しとなってしまう。

メーカーは断られても、街の時計店にオーバーホールを依頼し、復帰させる手段がある。今後もレトロクォーツを使い続けるなら、こういったところにオーバーホールを依頼してみるのも悪くはない。

この先、公称電池寿命に達する前に2秒運針になってしまったら、次はオーバーホールを視野に入れてもらうという診断結果になる。

というわけで、到着までしばらくおまちくだし。>副社長