今回の依頼は「時計のブレスで一コマ追加してほしい」というもの。
体格や装着感に合わせてブレスのコマを抜く、追加する、移動するといった調整は、実は非常に時間の掛かる作業。朝と夜では手首のむくみ具合で装着感が微妙に変わり、コマは12時側に多くするか、6時側に多くするかで、これでさえ一日の腕の疲れ方に違いが出てくる。そういった、とことん調整コース?と聞いてみると「とりあえず、一コマ増やしてくれればOK」とのこと。
コマはこちらで手配することにして、単純に追加するだけなら15分もあればできる…と思っていた。現物のブレスを分解し、追加するコマにピンを打ち込んでいくと、途中で嫌な感触が手に伝わってくる。仕事やプライベート問わず、作業中に食らいたくない感触で、穴の不具合からくる挿入パーツ噛み込み。
こういうときは一旦作業を中止し、ピン穴の様子をもう一度見直すことにする。が、ピンを除去しようともまったくびくともせず、完全に固着した感じ。さらにはピン抜き用工具が次々と壊れてしまい、完全に手詰まりの予感。

ピンが穴の中で折れ込んだらしく、Cリングを通じて穴にガッチリと噛んでしまい、動かなくなった。手持ちのドリル刃は1mmで、これで穴のクリーニングしようにも僅かに刃が細く、対処できず。
同じく機械系趣味を持つS15オーナーに救援を求めてみると「0.1mm刻みでドリル刃あるよー」とのことで、1.1mmのドリル刃を借りることにして、ボール盤を使って穴の中で詰まったピンを除去することになる。
手配したコマと現物のブレスの相性が悪かったのか、穴の中がキレイではなかったのか、考えられる原因はいくつも考えられる。まずは翌日、ボール盤を使ったリカバリ作業次第。
今日は時の記念日、しかも100周年。こんな日に、時計の調整作業に躓いているようでは、まだまだ修行が足りない。





