まずは昨日の続き。ブレスのコマの中で、折れたピンを除去する。
ボール盤に借りた1.1mmのドリル刃をセットして、慎重に穴の中にドリル刃を通していく。ドリル刃とピンが接触し続け、摩擦熱でコマが膨張したのか、折れていたピンがスポッと抜けた。ドリル刃でピンを切削するつもりが、摩擦熱による膨張で抜けてしまうとは。いずれにせよ手間が掛からず、助かった。穴のクリーニングは終了したので、ブレスを組み立てて、所有者に返却。これで昨日の作業依頼は片付けることができた。
次の依頼は、洗浄依頼。腕時計を使い続けていると、手首由来の垢やホコリがパーツの隙間や溝の溜まってしまう。そんな汚れが気になるようになってきたので、キレイにしてほしい…というもの。

セイコーのソーラー電波腕時計、スピリットSBTM217。チタンベースのケースとブレスで、とても軽い。また、チタン特有のしっとりとした触り心地で、長時間の装着でも違和感がないそうだ。

ブレスとエンドピースの間に、ホコリと垢がビッシリと。キレイにしたかった部分の一つで、ここが汚いということは、ケース側にも汚れが付着していることになる。

ケースとラグにも、このとおり。これら溜まった汚れを除去するには清掃道具が必要になり、超音波洗浄機を用いることがあるが、それでも除去できない汚れは手洗いしかない。手洗い用清掃道具は、実はコンビニで揃うようなものばかり。

歯ブラシに、デンタルフロス、歯間ブラシ。硬い歯だけでなく、デリケートな歯肉や歯周ポケットに直接触れて清掃する道具だけに、柔らかくて細い。つまようじや綿棒も併せて使用する。これらが時計の清掃にぴったり。仕上げに艶出しや軽研磨用のクロス、余計なホコリを立てないように拭き上げる不織布あたりは、ホームセンターなどで買うことになるが。

汚れを除去して、艶出しを出すとこのとおり。よく反射して周囲の状況を写し込んでしまうため、撮影位置に苦労していたりする。
時計の溝や穴の奥底にある細かい汚れを掻き出す様子は、ハミガキに近いものがある。時計磨きが得意な人は、ハミガキも得意だったりするのだろうか。

汚れがビッシリと付着していたエンドピースとブレスをクリーニングして、キレイになったことを確認してケースに装着する。艶出しを忘れずに行う。

清掃が終わった時計。電波受信機能をチェックするため、わざと時刻を狂わして、セイコー標準の6日10時8分42秒で一旦撮影。ここから標準電波を受信させてみると、日付だけがなかなか揃わない。取扱説明書によれば、日付の基準位置がズレていたことが原因らしく、再設定後、改めて標準電波を受信させる。今度はしっかりと今日の日付と時間に戻って、テストOK。
梱包して返却待ち。ご依頼ありがとうございます。