S15シルビアのブーストセンサーは壊れやすいようで、応じてブースト計が正しく動作しなくなる。エンジンが動作中、アクセルを踏み込んだりするようなことはしていないのに、ブースト計の針が振り切り、今度は保持ピンの位置まで針が移動して、そのまま動かなくなる症状だ。
そのようなハッキリとした症状が出なくても、ブースト計の針が妙に振れるような挙動や、いつもより値が高い(低い)ならば、ブーストセンサーのトラブルの予兆が考えられる。このシルビアは、その針が安定しない症状が出始めており、ブーストセンサーの予備と交換したことで症状が落ち着いたことから、何かしらのトラブルを抱えていると判断。さっそく、調査してみることになった。
なお、このシルビアに関しては、過去にブースト計の針が振り切る→保持ピンまで戻ってしまう症状を起こしており、センサーを交換し、同時にトラブルを起こしたセンサーを修復していることから、故障予兆を掴みやすくなっている。つまり、二回目のブーストセンサーのトラブルということになる。

ブーストセンサーの故障は、コネクタ裏のピンのハンダが割れてしまうことで導通不良が発生し、ブースト計が動かなくなってしまう例が多い。一回目のブーストセンサー故障でもハンダが割れていて、ネット上で調べてみると同じようにハンダ割れが起きる例が多いことから、車体構造上の弱点かもしれない。

一回目のブーストセンサー故障では、二ヶ所でハンダ割れが起きていた。

二回目でも、やはりハンダ割れ。3本あるうち、中央のピンで微細なヒビ割れが見つかり、どうもピン本体から盛られたハンダが剥がれかけているようだ。一旦コネクタピンからハンダを除去して、ケースから基板を取り出す。

コネクタピンのハンダを除去し、基板を引っ張るとケースから取り出すことができる。

こちらがブースト圧を計測する圧力センサー。中心の煙突部分でタービン由来の空気の加圧状態を検知し、煙突周囲の穴は大気圧のチェック用となり、その差で圧力を数値化させる。加圧された空気を漏らさないように、煙突には小さなOリングが二重に巻きつけられている。

半導体類。最も目立つのは低周波増幅用トランジスタ(2SD789)、電解コンデンサが二つ、抵抗、ツェナーダイオードなど。これら部品が基板に対して傾いて装着されている点はなかなか見栄えの悪いが、それ以外に特に異常は無かった。

ケース内部をチェックする。二つの穴が開いており、左側の穴がタービンと繋がっており、空気の圧力が伝わる部分。基板上の圧力センサーの煙突部分が、ここに入る。ケース中央にある四角い穴が、大気圧用。構造上、外気と接しているため、ケース内部の粉塵をできるだけ除去しておく。

ケース裏面。中央で四角い枠に囲まれているのが大気圧用の穴で、粉塵をケース内に入りにくくするためか、円錐形になっている。ここも可能な限り、粉塵を除去。右にあるピンが、電源、グランド、ブースト計と繋がるコネクタ部分。

ピンアサイン。上からGND、OUT、IGNとなっており、検知した圧力は中央のOUTからブースト計へ伝わっていく。ブースト計の針が振れたり、数値が変わるといった安定しない挙動は、ピンのハンダ割れによって接触不良気味となり、圧力信号がうまくブースト計に伝わらなかったことが原因のようだ。

基板をケース内にセットし、ハンダを盛り直して修理完了。S15オーナーへの返却と動作テストは後日となった。お待たせしました。