フィットいじりの日

フィットいじりの日だ。午前の部は、レイのGP5氏の純正流用ネタのお手伝い。ここしばらくの記事を読むと後期型化が進んでおり、さらにステアリングハンドルの質感を高めるため、他車種からの流用となった。イマ車の勉強を兼ねてサポートに回る。

事前打ち合わせで、道具の手配や確認を行っていたところ、どうも話が噛み合わない部分が出ていた。それはステアリングの固定方法で、私はナットだと思っていたが、ボルトを使っています!という返答。ステアリングのセンターは、ナットではないのか。

イマ車のステアリング固定ボルト

送ってもらった写真がこれ。一般的なボルトかと思っていたら、まさかの低頭型のボルト。いじり止めのない、普通の六角穴タイプなので、緩めと締めは普通の六角ソケットを使える。ナットと思い込んでいたことから、ハンドルの交換方法の知識が2000年の初めあたりで止まっていることを知る…。

ステアリング外しその1

確かに低頭型のボルトだ。緩み止め剤が大量に塗布されており簡単には緩まず、合計三人の共同作業になったほど。

ステアリングの取り外しに関しては、予めバッテリーのマイナス端子を必ず切り離しておく、エアバッグの固定にはトルクスねじを使っている、ステアリングを外すときはシャフトにボルトを少し噛ませておき、引っ張った際に身が飛ばないように注意する…といった注意点は、今なお現役だったことに一安心。

ステアリング外しその2

ボルトを外すと、中空軸となったステアリングシャフトを見てさらにびっくり。スプラインの肉が薄く、これで強度を保っているのだから、金属の素材レベルから相当進化していることが容易に想像できる。

ステアリングのスポーク部分に取り付けられている各種スイッチやパドルシフト、ガーニッシュ等を交換するステアリングに移植し、装着していく。その後、昼食時に試運転を行ってもらい、ステアリングが正しく中立位置にあるか、全てのスイッチやパドルシフトが動作するかチェックして、全て良好。トラブル無くステアリングの交換作業が終了した。

午後の部はY氏のフィットだ。フィットのトランク部分には荷室を照らすランプがあるのだが、側面に一個だけだ。荷物を重ねていくとランプが隠されて照らさなくなり、特に暗い中だとトランクが見えにくくなるという欠点がある。しかもルーフパネルの中央部分にある室内灯では、トランク部分は殆ど照らさない。そこでラゲッジランプを増設しようと考え、まずはルーフパネルの取り外し訓練を行っておき、後日の取り付け本番に備えようとしたのだが。

フィットのルーフパネルを外したところ

ルーフパネルを外すには、周囲の内装部品を徹底的に外す、とにかく外す。作業人数四人で、一時間近くはせっせと外し続けていた。そして、リアセクションのフレームを避けつつ、トランク部分を照らせる位置を見つけて、ここに取り付けようか?と目星をつけておく。

すると背後で「穴、開けちゃいますか!」と穴開け作業が突如開始され、え?やるの?まじ?ラゲッジランプの固定方法については、その場にあるものを使うそうで一切任せておき、私は配線の加工作業に徹する。

トランク用天井ランプ増設

増設したラゲッジランプの様子。ルーフパネルの中央に取り付けなかった理由は、5人目用のシートベルトの巻取り装置と、装置取り付け用に大型化したフレームで、天井空間に余裕が無かったことが関係している。

あえて左側に寄せたことで、車中泊ドライブが好きなY氏にとっては、ちょうど頭上に増設したラゲッジランプが来ることになり、横になったまま枕周りを照らすこともできるメリットも生まれることになった。横になったまま腕を上に伸ばせば、ONOFFの切り替えもできる、ちょうどいい高さだ。あえて電球を使って、寝起きの目への負担を低減を意識した。

トランク用天井ランプ設置部分

増設前のルーフパネルの様子で、実はレイのGP5氏のフィット。グレードが違っても部品は共通なので、要所要所で相互に確認しながら、作業を進めるシーンがあった。

純正品を使い後付け感はゼロ

増設したラゲッジランプは、純正品を使用。穴の形状をラゲッジランプのシャシーに合わせて切ったことで、絶妙なはめ込み具合で装着することができ、後付け感は全くなし。スイッチをいじったくらいでグラついたり、撓むことのないよう、ガッチリと固定している。

電源は中央のルームランプから分岐しているので、リアハッチではなくドアの開閉で点灯と消灯が行われる。既存のトランク用ランプから配線を分岐させれば、リアハッチの開閉で点灯と消灯ができるようになる。これを実現する二次的な配線増設は、今回は無し。とはいえ、ラゲッジランプを増設したことで夜間や車中泊時に威力を発揮するだけでなく、普段からの使い勝手が大幅の向上することになった。あれ?この増設ネタは、もしかしてオンリーワンかも?

普段の車いじりが1990年代末から2000年代初めに掛けての車…当サイトではEK9シビックRやS15シルビアが中心となるために、イマ車の構造や思想の違いを目の当たりにすることになった。具体的には、EK9やS15あたりでは、使用終了後の解体作業をなるべく短時間で済ませるため、比較的外しやすい構造となっている。その分、組み付けに時間が掛かる。

イマ車といえば、短時間で組み立てられるよう、部品数とコストを増やすねじやクリップをできるだけ使わず、予めアッセンブリー化された部品を爪でバチンバチンと順番に組んでいく構造が中心となっていた。組み立て時間と部品数を抑えればコスト低減にも繋がるが、破壊しないで分解するには、少々時間を要する。

EK9から見て、これらのフィットは15年以上20年近くの時間差があり、それだけ経過すれば構造面は大きく変化している。たくさんのスイッチが装備されたイマ車のステアリングの構造や固定を知り、ルーフパネルの取り外し方法から突発的なラゲッジランプの増設といった、とても濃い一日を過ごしていた。ミスやケガなく作業を終えられ、かなりの勉強になった。
本日はお疲れ様でした。>総員

S15シルビアのブーストセンサー修理

S15シルビアのブーストセンサーは壊れやすいようで、応じてブースト計が正しく動作しなくなる。エンジンが動作中、アクセルを踏み込んだりするようなことはしていないのに、ブースト計の針が振り切り、今度は保持ピンの位置まで針が移動して、そのまま動かなくなる症状だ。

そのようなハッキリとした症状が出なくても、ブースト計の針が妙に振れるような挙動や、いつもより値が高い(低い)ならば、ブーストセンサーのトラブルの予兆が考えられる。このシルビアは、その針が安定しない症状が出始めており、ブーストセンサーの予備と交換したことで症状が落ち着いたことから、何かしらのトラブルを抱えていると判断。さっそく、調査してみることになった。

なお、このシルビアに関しては、過去にブースト計の針が振り切る→保持ピンまで戻ってしまう症状を起こしており、センサーを交換し、同時にトラブルを起こしたセンサーを修復していることから、故障予兆を掴みやすくなっている。つまり、二回目のブーストセンサーのトラブルということになる。

シルビアのブーストセンサー故障の多発部位

ブーストセンサーの故障は、コネクタ裏のピンのハンダが割れてしまうことで導通不良が発生し、ブースト計が動かなくなってしまう例が多い。一回目のブーストセンサー故障でもハンダが割れていて、ネット上で調べてみると同じようにハンダ割れが起きる例が多いことから、車体構造上の弱点かもしれない。

S15シルビアのブーストセンサー故障例

一回目のブーストセンサー故障では、二ヶ所でハンダ割れが起きていた。

ハンダ割れ発見

二回目でも、やはりハンダ割れ。3本あるうち、中央のピンで微細なヒビ割れが見つかり、どうもピン本体から盛られたハンダが剥がれかけているようだ。一旦コネクタピンからハンダを除去して、ケースから基板を取り出す。

基板を取り外す

コネクタピンのハンダを除去し、基板を引っ張るとケースから取り出すことができる。

圧力センサー本体をチェック

こちらがブースト圧を計測する圧力センサー。中心の煙突部分でタービン由来の空気の加圧状態を検知し、煙突周囲の穴は大気圧のチェック用となり、その差で圧力を数値化させる。加圧された空気を漏らさないように、煙突には小さなOリングが二重に巻きつけられている。

半導体類をチェック

半導体類。最も目立つのは低周波増幅用トランジスタ(2SD789)、電解コンデンサが二つ、抵抗、ツェナーダイオードなど。これら部品が基板に対して傾いて装着されている点はなかなか見栄えの悪いが、それ以外に特に異常は無かった。

ケース内部のチェック

ケース内部をチェックする。二つの穴が開いており、左側の穴がタービンと繋がっており、空気の圧力が伝わる部分。基板上の圧力センサーの煙突部分が、ここに入る。ケース中央にある四角い穴が、大気圧用。構造上、外気と接しているため、ケース内部の粉塵をできるだけ除去しておく。

通気口をチェック

ケース裏面。中央で四角い枠に囲まれているのが大気圧用の穴で、粉塵をケース内に入りにくくするためか、円錐形になっている。ここも可能な限り、粉塵を除去。右にあるピンが、電源、グランド、ブースト計と繋がるコネクタ部分。

ピンアサインについて

ピンアサイン。上からGND、OUT、IGNとなっており、検知した圧力は中央のOUTからブースト計へ伝わっていく。ブースト計の針が振れたり、数値が変わるといった安定しない挙動は、ピンのハンダ割れによって接触不良気味となり、圧力信号がうまくブースト計に伝わらなかったことが原因のようだ。

ピンと基板をハンダ付けして、修理完了

基板をケース内にセットし、ハンダを盛り直して修理完了。S15オーナーへの返却と動作テストは後日となった。お待たせしました。

S15シルビアのエアコン消臭作戦その2

エアコンを使うと悪臭を伴った風が吹き出てくるS15シルビアに対し、ヒーターASSY、ブロアASSY、エバポレーターASSYの三部分全てを分解し、洗浄したのが前回まで。今回は、洗浄を終えたASSYたちを車体に装着し、元の状態に戻すことになった。

ヒーターASSYを切り離すことから冷却水を全て排出し、バッテリーのマイナス端子を切り離すといった下準備を行ってから、ダッシュボードを取り外す。

ダッシュボードの取り外し

ダッシュボードの取り外しをスタートしてから、外す場所を覚える事前訓練のおかげで、30分でこの姿になった。ここでタイミングよく、寝不足と体調不良で顔色が悪いサボリーマンが登場。運転席側から助手席側に向かって横断する鉄パイプは、二人では降ろすのに非常に苦労することから、S15オーナー、サボリーマン、私の共同作業となった。

鉄パイプが外れたら、次は汚れて悪臭源の一つであるヒーターASSYの取り外し準備。ラジエターのドレンコックから冷却水が出なくなれば、ホースの切り離し準備はOK。

ヒーターへの冷却水ホースを切り離す

ヒーターのパイプから二本のホースを切り離す。実はこのS15シルビアはトヨタ純正の冷却水を使用しており、赤い色がパイプに付着している。新しい冷却水は日産純正品を使用し、色は緑。二つの色を混合すると、どす黒い色に変色してしまうので、エンジン内に残っているトヨタ純正の冷却水は水道水を使って洗浄、排出しておく。

ヒーターASSYが外れる瞬間

ヒーターASSYが外れる瞬間。この外れたヒーターASSYはもう使用しないので、廃却する。

エアコン関係の部品が全て降ろされた車内の様子

エアコン関係の部品が全て外された車内の様子。ヒーターASSYの裏側には、ヤニまみれの粉塵が大量に付着していたことから、洗浄済みのヒーターASSYを装着する前に徹底的に拭き掃除をしておく。

ダッシュボード裏のダクトも洗浄済み

ちなみに、ダッシュボードの裏面に装着されている各ダクトも、9月の事前訓練の時点で洗浄済み。ここまできたら、一旦昼食休憩。ここから折り返し作業が始まり、バラすよりも組み立てるほうが時間が掛かってくる。

洗浄したヒーターASSYを車体に装着する

最初にヒーターASSYを装着する。ヤニで黄色く染まり、ついでに粉塵まみれだった古いケースと比較すると、清潔感のある真っ白なケースになっている。禁煙車ならば、こうでなければ。

ヒーター用冷却水ホースを接続する

ヒーターのパイプに、冷却水用のホースを接続しているところ。ABSアクチュエーターとブレーキ用の配管がとても邪魔で、高温高圧に耐えるためのホースバンドが非常に硬く、装着するまでにはかなりの時間を要することになった。

新しい冷却水を注入しておく

無事に二本のパイプがヒーターに繋がったら、冷却水を注入しておく。ペットボトルを流用した漏斗では、冷却水が熱せられることで縮んでしまい、保持できなくなって水浸しになってしまった経験から、アストロプロダクツ製のクーラントチャージャーを使うことになった。専用品だけに、一滴も冷却水をこぼすことなく注入することができた。

ブロアASSYを車体へ装着する

次にブロアASSYを装着する。

エバポレーターASSYを装着する

そしてエバポレーターASSYを装着する。エバポレーターASSYは左側にあるブロアASSY、右側のヒーターASSYによって支持されるかたちになるので、最後に装着することになる。この後、エンジンルーム側で冷媒(エアコンガス)用のパイプを連結する。このとき、連結ナット内のOリングを新品に交換しておく。

エアコン関係の部品全てが搭載された様子

エアコン関係の部品全てを装着することができた。見慣れた姿に戻りつつあり、鉄パイプを装着してハーネスをどんどん接続、エアバッグやダッシュボードを順次戻していく。「ここのビスって何使うですか?」「ミリネジじゃないやつ」「あーもう!この瞬間が、日産車だねぇ」という会話が続く。

ダッシュボードを装着

ダッシュボードが車体に装着されれば、ナビ/オーディオ関係のメンテナンス時に近い環境になるので、もう自然と手が動くようになってくる。

残る部品を装着しながら冷却水のエア抜き開始

センターコンソール等を装着し、全てのハーネスが接続できたらバッテリーのマイナス端子を接続、エンジンを始動。吹き出しの切り替え動作及び、室内循環と外気導入の切り替えが確実に動作しているかチェック…OK。後片付けを行いながら、冷却水の漏れがないか確認しつつ、エア抜きと追加補充を続ける。シルビアのエア抜きは時間が掛かるらしく、特にヒーターに冷却水が循環し切るまではだいぶ待たされた。車内側の仕上げ、エア抜き担当、車外側の仕上げと三人で分担して作業を続け、日が暮れたあたりで全てが終了、実に9時間もの作業時間となった。冷媒(エアコンガス)の再充填は、後日施工とのこと。

そもそもの問題だったタバコ臭、カビ臭、運動部の部室臭(汗臭いニオイ)が混じった送風については、ヒーターASSY、ブロアASSY、エバポレーターASSYの三部分全てを分解洗浄したことで、無事に解決した。今現在はヒーターコアとエバポレーターの周囲に貼り付けている、新しいスポンジゴムのニオイ(クエン酸に近いニオイ)が若干混じっているところだが、時間の経過と共に落ち着くはずで、先の悪臭に比べればはるかにマシ。

室内循環モードにしたまま喫煙すると、送風部分全てにタバコ臭が付着。エアコンフィルターを使わなかったことで、粉塵や大小いろいろな植物の破片を吸い込み、エバポレーター由来の水分により腐敗臭が発生。これらを消臭するために、洗浄スプレーなどのケミカル剤を使ったところで、実際は悪臭を目立たなくする程度にしかならず、時間稼ぎにしかならないことが分かった。抜本的に消臭するには、非常に手間は掛かるが分解洗浄しかない。

ダッシュボードからエアコン関係まで、外す部品がとにかく大量、冷却水の排出と注入、そして冷媒(エアコンガス)の抜き取りと再充填と付帯作業だらけだが、作業前と後では車内環境がまるで違うことから、手をつける価値は絶対にある。カーエアコンの洗浄業者も探せばけっこうあるので、依頼するのもありかもしれない。

車内で喫煙すると、エアコン関係へ悪影響を及ぼし、洗浄には大変な苦労を強いられる。生まれてから今に至るまで、タバコを口にしないで正解、これからも吸うことはないだろう。

洗浄スプレーによる効果もでなくなり、悪臭に耐え切れなくなったのが今年の四月。その後の下調べから本作業まで、合計七ヶ月もの準備期間となり、ようやく区切りを迎えることができた。ミスすることなく無事に作業が終わり、あっという間の楽しい一日だった。総員、お疲れ様でした。

S15シルビアのエアコン消臭作戦その1

中古車かつ喫煙車だったS15シルビアは、エアコンがとにかく臭かった。初夏から秋口にかけてエアコンを使うと、冷えた風と共に、タバコ臭、カビ臭、運動部の部室臭(汗臭いニオイ)が吹き出し、快適な状態とは程遠かった。毎年の春にエバポレーターに向かって洗浄スプレーを吹き付けているものの、付け焼刃程度の効果でしかなく、毎年のように「くせぇ…異臭騒ぎだ」と口にしていた。非喫煙者にとって、タバコをはじめとする悪臭は耐え難いものがあることから、抜本的な消臭作業…分解洗浄を、いつもどおりのDIY(Dore Ittyo Yattemikka byサボリーマン)で行うことになった。

■前提条件■

1.エバポレーターを車体から切り離すことから、冷媒(エアコンガス)を予め所定の方法で抜き取っておき、作業後に再チャージしなければならない。エアコンガスを大気放出するわけにはいかないので、回収と再チャージはディーラーにて施工。

2.ヒーターの脱着に伴い、冷却水を排出しておき、作業後に注入する必要がある。

■消臭/洗浄作業■

作業当日に分解して洗浄、再組み立てという流れは非常に時間がかかるので、事前に車体から外せる部分は外して洗浄しておき、解体品を流用することも行った。

  • ヒーター編
  • ヒーター部分は冷却水を利用して熱風を作り出すだけでなく、デフロスターや足元吹き出しといった送風方向を切り替える機能も併せ持っている。送風方向は、プラスチックの板にスポンジが貼られた切替ダンパで行われているが、これがカビの温床や悪臭原にもなり、洗浄の手間や新しいスポンジの入手が難しかったことから、禁煙車だった解体品と入れ替えることになった。

    解体品のヒーターASSY

    解体品として入手したヒーターASSY。内部にヤニ汚れはなく、嫌なニオイもないことから程度は極上。

    分解その1

    分解その2

    分解して内部を洗浄する。切替ダンパがスライドする部分は古いグリスが残っているので、洗浄後にグリスアップを行っている。

    ヒーターコアの状況

    ヒーターコアの汚損も少なめながら、業務用洗剤を用いて徹底洗浄する。長年に渡って熱せられていたため、ヒーターのガタつきを抑える周囲のスポンジは自然と崩壊していた。

    洗浄、スポンジやOリングを交換して準備完了

    新しいスポンジを貼り付け、パイプ部分のOリングも新品に交換し、準備OK。この後、ヒーターASSYを組み立てて、このセクションは作業完了となる。

  • ブロア編
  • ブロアASSYは送風機能だけでなく、外気導入と室内循環を切り替える。先のヒーターASSY同様、切替ダンパにはスポンジが使われており、形状がシンプルだったことから洗浄して再利用している。ダッシュボードを外すことなく、車体から取り外すことができるそうだ。

    ブロアケース内の汚損状況

    外気を取り込む部分だけに、ダクト内部は雨水由来の汚れが大量に付着している。

    ファンには大気の汚損状況がよく分かる汚れが付着

    ファンも同様に汚れている。大気の汚損状況がよく分かる。

    ケースは分解して洗浄

    ケースは分解、切替ダンパも含めてしっかりと洗浄していく。

    モーターからファンを外し、洗浄する

    モーターからファンを取り外し、単体にして入念に洗浄。

    きれいになったブロアケース

    洗浄後のケース、ダクト内部。

    きれいになったファン

    きれいになったファンをモーターに装着して、組み立て待ち。

    ケースを組み立てて、パッキンを交換

    雨漏りを防ぐスポンジパッキンを貼り付けて、ブロアASSYは完成。

  • エバポレーター編
  • いよいよ悪臭源となるエバポレーターASSYの分解洗浄だ。先述した前提条件にあるように、予めエアコンガスを抜き取っており、取り外しできるようにスタンバイしておいた。やはりダッシュボードを外すことなく、取り外すことができる。

    低圧側と高圧側の配管を切り離す

    エバポレーターに繋がる、低圧用と高圧用の配管を切り離す。

    エバポレーターASSYを取り外す

    配管が外れたら、車内側で取り外し作業を行う。早くもケース内部にある茶色い汚れが見えている。

    ブロアASSYとエバポレーターASSYがなくなり、スッキリしたグローブボックス周辺

    ブロアASSYとエバポレーターASSYが取り外され、グローブボックス背面はずいぶんとスッキリした。この状態で走ると、かなりの騒音が侵入してくるそうだ。

    黒いカビ汚れ発見

    フィン表面には、黒いカビ汚れがあちこちに見つかる。車を運転するたびに、カビの胞子を吸っていたようだ。

    ワケの分からない枝やカビ汚れ

    ケース内部には小さい枝や粉塵が積もって固着しており、水分を含めば悪臭を放つようになる。白いカビの集合体があちこちにある。あまりにインパクトのある状態で「うえぇ…」と声が自然と出る。

    黄色く染まるフィン表面

    エバポレーターのフィンは黄色くなっており、タバコのヤニ由来の変色だろうか。ケースの底部では、茶色く変色した汚れが広がっている。

    非常に汚れているケース内部

    分解すると汚れ具合がよく分かる。植物の破片、カビ、粉塵のそれぞれをどんどん洗浄していく。

    徹底洗浄後

    洗浄後。同一品とは思えない美しさ。

    エバポレーターも洗浄完了

    悪臭源だったエバポレーターは、業務用洗剤をケチることなく使用し、しっかりと洗浄しておく。配管のスポンジシールにまで付着していたカビが消えている。

    黄色かったフィン表面も元の銀色に戻った

    業務用洗剤の威力は凄まじく、フィンの黄色い変色も落ちて元の銀色に戻っていた。ここから折り返し、エバポレーターASSYの組み立てを行うが…。

    ケース加工その1

    ケースを組み立て、フィルターを装着してみたところ、風の上流側…ブロアASSY側から見ると僅かばかりの隙間が生じており、フィンが剥き出しになっていた。フィルター部分よりも隙間部分のほうが風の通りが良く、粉塵が積もりやすくなってしまう。「フィルターの意味ないよこれ」ということで、隙間を埋める小加工を施すことになった。

    ケース加工その2

    ケースを分解して、再度状況把握。2cmほどの隙間を埋めつつ、配管への干渉をせず、除湿機能(排水機能)を維持、普段のフィルター交換にも悪影響を与えない手段を採る。

    ケース加工その3

    L字アングルとカット加工したウレタンで、隙間塞ぎ。さらにプラ板を重ねることで、ウレタンが崩れにくくなるように配慮しておいた。ネジ部は緩み止めと防錆を兼ねて、シリコンシーラントを盛っておく。

    ケース加工その4

    隙間を塞ぎ、エバポレーターASSYを組み立ててみるとフィンが見えなくなり、汚損に対する耐久性が向上する。

    新パッキン装着その1

    新パッキンその2

    エバポレーターASSYの上流側と下流側に新しいスポンジパッキンを貼り付けて、分解洗浄、組み立て作業は完了。

  • 車体編
  • 車体側のショートパーツも同時に交換しておく。

    ドレンホースの固定フックを交換

    ドレンホースを固定するフックを交換。

    グロメットの交換

    エバポレーターの配管部分にある、グロメットも交換しておく。

    これでヒーターASSY、ブロアASSY、エバポレーターASSYの三部分全ての分解洗浄が完了、残るは車体への組み込みとなる。組み込みに関し、現車のヒーターASSYを取り外して交換することになるので、ダッシュボードの取り外しが必要になる。作業当日に向けて何度も事前打ち合わせ、シミュレーションを行って、作業の流れを頭に叩き込んでおく。

    S15シルビアのダッシュボード脱着練習

    S15シルビアは喫煙車だったことから、クーラーを使うと特有のニオイが漂う。特に夏場、クーラーを切って送風モードにすると目にくる強烈なニオイが感じられ、毎年の夏にウンザリすることもあり、いい加減なんとかしたいところ。この手の悪臭の源はエバポレーターと容易に想像できるが、市販のエアコン洗浄剤で洗ってみたところで、効果はその場しのぎでしかなく、夏の終わりには再びニオイが感じられる。

    そこでエバポレーターとヒーター単体まで分解し、個別洗浄して根底から消臭することになった。この作業を行うためには、ダッシュボードを取り外さなければならず、さらにはクーラー系統からは冷媒ガス、ヒーター系統からは冷却水を抜かなければならない。冷媒ガスの抜き取りはディーラーにて、冷却水の抜き取りは自前でやるとして、ダッシュボードの取り外し方法が分からないと作業に着手することができない。ということで、まずはダッシュボードの脱着練習からスタートだ。

    S15シルビアのダッシュボードが外れたところ

    バッテリーのマイナス端子を外したところから時間計測を開始し、せっせと作業して40分程度でこの姿になった。ホンダ車ではダッシュボードの裏面に部品が組み込まれ、アッセンブリー化されているが、日産車はこのように車体側に全て組み込まれており、ダッシュボード単体は中身を覆うプラスチック製のカバーだったりする。生産ライン上での組み立ての都合を考えれば、どちらが有利かは言うまでもないが、かつての日産を具現化したような組み方に思えた。「あっ、この瞬間が、日産車だね!」

    各部品を固定するスクリュー一つにしても、第一印象が木ネジだ。金属のネジ穴と木ネジの組み合わせは、オーバートルクで締めたり、何度も脱着を繰り返すとストレスが掛かって、ネジ穴を壊してしまう恐れがある。後々、カーナビの換装でハーネスの処理に伴い、ダッシュボードの脱着をしなければならないが、慎重な組み立てでストレスを少しでも低減させておかなければならない。

    慎重な組み立てとあちこちから飛び出してくるハーネスの処理に手間取り、組み立て時間は2時間少々となった。個別洗浄の当日は日帰りで終わらせなければならず、作業スピードを上げる必要性あり。

    それにしても、この車内の姿はどこかで…。そうだ、埠頭や人通りの少ない路地等で放置されている車だ。子供のころは放置自動車をよく見かけたものだが、最近は見なくなった気がする。

    大雨の前に

    今日の天気予報は大荒れ予報。朝から雨が降ったと思ったら、完全なる凪で湿気がその場に留まり、汗の乾燥が追いつかなくなってしまい、あっという間に熱中症に片足を突っ込む状況に陥る。それでもまずは、S15シルビアからスタート。タイヤローテーションを行い、そしてオイル交換。

    新油注入中

    扱い慣れたMobil1 5W-40を引き続きチョイス。白煙や漏れ、オイル消費もなく、エンジンのコンディションは上々。

    昼休憩後、天気が少しずつ下り坂に変わる。風向きが変わって、冷たい風が吹き始めてくる。あまりダラダラしている暇はなさそう。EK9シビックRのシートを外し、フロアパネルの点検と防錆剤の塗布だ。

    フロアの点検と防錆塗装

    柔らかいスクレーパーを使って、慎重にメルシートを剥がしたとしても、塗装面も一緒に剥がれてしまい、浅い筋状の線キズが少々あった。幸い、傷は鋼板本体まで及んでいなかったが、浅い傷でもそのままにするわけにはいかない。鋼板の保護、削って薄くなった塗装面を元に戻すため、防錆剤としてサビキラーを塗っておく。シルバーで上塗りまで行うかは、現在のところは未定。

    雲行きが少しずつ怪しくなり、暑さで身体が参っていたことから、早々に切り上げ。この素早い撤収がいいタイミングとなり、すぐに強風、落雷、大雨に見舞われることになった。お疲れ様でした。

    宿題完了

    Y氏の3代目フィットのエバポレーターを洗浄していて、取り扱いミスからブロアケースをバキッと割ってしまった。ブロアケースはすぐに手配できたものの、いつ交換するか。富士見パノラマリゾートでのMTB遊びの際、Y氏も同行しており、私も含めてドライブの行動パターンが『約束時間の一時間前には集合地点にいる』という特徴があり、これを活かして現地修理を行うことにした。壊した部分だけ交換し、ブロアモーター等はそのまま使う。

    3代目フィットのブロア分解

    失敗の経験から思うように作業スピードが上がらず、ここに至るまでだいたい15分程度は掛かっていた。ブロアケースの上部分が外れてしまえばこちらのもの。どんどん組み立てて、元に戻していく。ちなみに、3代目フィットのエバポレーターをしっかり洗浄するには、ここまで分解する必要がある。

    3代目フィットのエバポレーター

    3代目フィットのエバポレーターはダクトの奥にあり、進行方向に対して正面を向いている。洗浄作業そのものは問題なく終わっており、延長加工を行ったスプレーノズルが大活躍し、洗浄後の乾燥行程においても薬剤の微かな香りが吹き出し口から出て、しっかり洗浄できたことを物語っていた。

    約束時間前には全てを終え、宿題を片付けることができた。ご迷惑をお掛けしました。

    宿題準備

    イマ車のエアコン…エバポレーターの洗浄は、なかなか大変なことが実体験を通して分かってきた。例えば、サボリーマンのレヴォーグ。エバポレーターまでアクセスするには、ブロアASSYを外し、小さなダクトを覗き込まないと直接確認はできない。スバルならではの特殊な構造だべ…と、次はY氏の3代目フィットで施工してみたところ、これまたブロアASSYをごっそり外さないと洗浄できないことが判明。車内空間を可能な限り拡大するためか、スリムな設計と個々の部品を積み重ねたような構造をしている。設計者はテトリスや知恵の輪が好きに違いない。

    車が進化するにつれて、エバポレーターにアクセスするまでの分解手順が増えていく一方に思える。プライベートでDIYでやっているならともかく、一台でも多くの車を洗浄したい工場やカー用品店では、時間を要する分解清掃は殆ど無理なハナシ。だから今時の車は、エアコンフィルターを外してブロアの風で薬剤を拡散させたり、ダクトに小さな穴を開けて薬剤をスプレーするような、簡易洗浄方法ばかりになっているらしい。

    フィットのブロアASSYをバラしている最中、ツメが引っかかって取れんぞ?と力を加えたらバキッと割ってしまい、これが20日付けの記事で書いた、フィットのブロアケースを破損、後々交換という宿題だ。エアコンや送風機能には全く問題ないので、しばらくはこのまま乗ってもらい、ブロアケースの手配が完了次第、再修理を行うことになっている。

    3代目フィットのブロアケース上側部分

    そんなブロアケースは、販売中の車で大量生産中なためか、難なく入手。ASSYでの供給になり、モードモーターやブロア等、全ての部品がセットになっており、実際に使うのは写真の部分(外気導入/室内循環の切り替え部)だけ。ブロアASSYの取り外しは困難なので、活用できる部分はできるだけ残す方法を採ることに。さて、作業日はいつにしようか。

    バンパー交換のお手伝い

    連休初日は、サボリーマンのレヴォーグのフロントバンパー交換の支援となった。車を使うと渋滞に巻き込まれることは目に見えているので、珍しく公共交通機関に頼ることにした。

    東急8500系の扇風機と分散式冷房

    道中、乗車した電車は古さと懐かしさを感じさせるものだった。首振り扇風機と分散式空調装置の組み合わせは、久しぶりに見た気がする。酷暑においては、この組み合わせのほうが、今時の集中式空調装置とラインデリアよりも有効だった印象がある。一瞬で身体が冷えて、それどころか寒ささえ感じるほどの冷房効果を発揮していたからだ。

    電車に揺られ、ダイヤどおりに到着。準備を整えたら実作業に取り掛かる。

    新旧バンパー

    レヴォーグのバンパーは外しやすいほうで、短時間で取り外すことができる。旧バンパーからグリルやライト、エアロ部品を新バンパーへ移植し、同時にバンパーグリル内への異物の混入及び突入によるエアコンコンデンサのフィン潰れ防止用に、下側グリル内にメッシュを装着する加工を追加。

    メッシュ切り出し中

    型紙を当ててある程度の採寸を取り、メッシュを切り出してグリル内へ装着する。新バンパーへのメッシュの追加加工が終われば、移植した部品の忘れ物がないか確認して車体に装着する。そしてライト関係が全て正常に機能するか点検し、確認が取れれば作業終了となる。

    余計なトラブルが起きることなく、途中の休憩を含めながらも5時間ジャストで作業を終えることができた。お疲れ様でした。>サッボリーマン

    イマ車のエバポレーターを洗浄する

    イマ車となるスバル レヴォーグに乗るサボリーマンから「エバポレーターの洗浄を手伝ってくださいよー」と作業依頼だ。さっそく来てもらい「まずグローブボックスを外して」「このナットを取る」と次々にアドバイスをしながら、エアコン関係の部品をどんどん取り外していく。ホンダ車ばかり診ているわけではないので、別メーカーでも作業やアドバイスは難しくない。

    スバル車のエバポレーターの位置

    グローブボックス、防音カバー、ブロワーダクトユニットASSYを外したところ。今時の車のエアコンはダッシュボード裏側に組み込まれているため、エバポレーターを見るまでにはかなりの部品を取り外さなければならない。すっかり分解し、ようやくダクト内を目視できる環境が整い、頭を突っ込んでダクトの中を見る。

    レヴォーグのエバポレーター

    見えた。手前のヒートシンクはレジスターユニット、そして奥にエバポレーターがある。進行方向に対して正面を向くような配置になっている理由はいくつか考えられるが、運転席側と助手席側の個別空調の都合、インパネのデザインから内側の空間にゆとりがあり、グローブボックス背面に大きなエバポレーターを置かなくて済んだ、他車種との構造共用化…こんなところだろうか。進行方向と平行に置くと、それだけグローブボックスの容量が圧迫され、ダッシュボード内側の部品配置がしにくいのかもしれない。

    エバポレーター本体が見えてしまえば、後は定例作業の洗浄液の直接吹き付けだ。一缶使い切ったら外した部品を元通りに取り付け、エンジンを始動して乾燥工程。異音や動作の点検、エラー表示がないかチェックして、全て良好なら作業完了となる。一度やってしまえば慣れて覚えてくるので、来年度もぜひどうぞ。