夏のイメージそのままの、立派な積乱雲が上空に浮かんでいる。遠い昔に住んでいた、横浜の下町でよく見ていた空を思い出しながら、シャッターを切る。

しかし、いくらカメラで撮影しても、肉眼での迫力と記憶に残されているイメージには敵わないか。いやいや、撮影日時がセーブされて記憶のバックアップとしても活用できて、さらには写真から昔の情景すら掘り起こせるという点では、有効に活用し続けることができる。

一枚目とは方角を変える。この空の色といい、雲の低さといい、上空には強烈な寒気が流れ込んでいる。先ほどから吹いてくる風には異様な冷気が感じられ、不安定な大気状況であることが肌を通じて実感できる。天気予報そのままに、悪天候に急変することは確実だろう。
それからは報道通りとなる。
1時間に100mm近い降水量で観測史上最多を更新だとか。大雨を通り越して豪雨になり、道路は冠水。窓からカンカン…パラパラ…と硬いものが当たる音がし始めて「また雹か!」。バラバラバラッ!と大きな音を立てて打ち付けるので、室内の会話がままならない。
さらには突風。絶対に窓を開けてはいけない強烈な風が建物に吹き付け、隙間風ながらも館内の換気装置がカバーできないレベルの空気が流入していた。どうやらこの突風で近隣の職場ではコンテナが崩れてしまい、死者が出たようだ。やけにレスキュー隊が通るな?と思っていたが。
幸いにして、帰るころには雨は小降りになっており、あれだけ吹き荒れていた風も弱くなっていた。このチャンスは逃してはならぬと、素早く帰宅する。





