EK9シビックRのECUは前期型(E-)と後期型(GF-)でまったくの別物で、見た目から大きく異なっている。

左が前期型、右が後期型となる。かなりの小型化が進められ、基板上の半導体チップの数も激減。その代わり、角形チップ抵抗とセラコンがあちこちに配置されている。これら二つを見比べるだけでも、1990年代前半と1990年代末の間で、半導体が大進化していく様子を感じ取ることができる。電子工作が好きな人なら、この変わり具合の凄さが分かると思う。
搭載されているマイクロコンピュータの性能も大きく成長し、比較すると下記のとおり。まずは前期型。
OKI MSM66507
CPU:nX-8/500 24MHz
ROM:48kB
RAM:1.5kB
最小実行時間:167ns
続いて後期型になると。
OKI MSM66589
CPU:nX-8/500S 20MHz
ROM:96kB
RAM:4kB
最小実行時間:100ns
こう比較してみると、CPUの周波数そのものは低下しているが、最小実行時間が大きく縮まったことで処理速度が向上している。処理速度アップだけでなく、ROM領域が2倍、RAMも大容量になった。ちなみに、前期後期共に16bitで変わりなし。
前期型の車体に後期用のECUを装着して運転すると、全域に渡って滑らかなエンジンフィーリングに変化し、運転がラクになることから、スペックが変わったことでよりきめ細かくエンジンを制御するようになったようだ。対する本来の前期型は、エンジンの回転数が高まったときが本領発揮と言わんばかりに、若干の扱いにくさを支配下にしているようで、これはこれで面白い。
エアコンやデフォッガーを使ったときのアイドルアップは異常なく行われ、燃費も変わらなかったことから、このあたりは純正部品の安心感だ。ただし、ピンアサインが異なることからポン付けは不可能で、別途変換ハーネスを使わなければならない。

後期型の車体に前期用のECUを装着する変換ハーネスはやたら見つかったが、写真のように前期型の車体に後期用のECUを装着する変換ハーネスは出回っておらず、販売元でもこれが最後の一個だった。

ハーネスの取り回しに難があり、無理にカバー内に収めようとするとハーネスを強く曲げなければならず、断線してしまう可能性があり、剥き出し状態で使う。今に至るまで変換状態でのトラブルは起きていないが、走行に直接関わる制御装置だけに、何かあったら本来の状態にすぐ戻せるよう、外した前期用のECUはトランクに片付けている。























