先日のシャブ(会社自動車部)の活動では、S15シルビアのウィンドウレギュレーターとパワーウィンドウモーターを交換した。取り外された部品はすぐに捨てるのではなく、分解して経年による消耗状況を調査し、データ収集を行ってから廃棄する。

2001年の製造から役目を終え、取り外されたパワーウィンドウモーター。写真左側が助手席側、右側が運転席側となる。参考までに、ディーラー購入での新品価格は各55,440円。
プラス、窓を上げ下げするウィンドウレギュレーターが片側6,842円なので、パワーウィンドウのメインパーツだけで124,564円という、驚きの価格になる。内張りを外したついでに…ということで、ここに防水シートやドアロックアクチュエーターの交換作業も同時に行っており、総計金額はより高くなる。

まずは助手席側モーターから分解する。モーターの構造としては、ミニ四駆のモーターと原理的には同じ。チェックするのはコミュテーターの状況で、カーボンブラシと接触し続けたときに発生する黒い筋が見える。派手な段付きや偏摩耗といった荒れはなく、長期間動作し続けた直流モーターらしい消耗具合と判断できる。

続いて、コミュテーターと直に接触するブラシの具合。新品ブラシの高さは不明ながらも、それなりに減っていると考えられる。20年オーバーのモーターであることは間違いなく、余計な故障リスクを回避するなら、ここで使用を止めるのがベストだろう。
続いて、使用頻度が高い運転席側のパワーウィンドウモーターを分解する。

ブラシを固定するブラケットを外すと、真っ黒で段付き摩耗が生じているコミュテーターが出てきた。こんな状態になっても、動作そのものは正常だった。

続いて、ブラシをチェック。使用頻度の高さでブラシの摩耗が進んでおり、助手席側と比べても明らかに薄くなっている。ブラケット内側に積もっている粉塵の量も凄まじく、ちょっとした衝撃で周囲に舞う。あと少し、交換タイミングが遅ければ動作不良に陥っていた可能性がある。
例えば、ブラシを構成する板バネを少々内側に曲げて、摩耗した分の高さを稼いでやる…とか、そういった『金のかからない裏技』で、調子を良くするなんてやり方があるかもしれない。純正部品の価格を知ってしまうと、より費用面が気になってしまうもの。
板バネは、コミュテーターに対するブラシの適正な圧力を保つための重要な部品。曲げてしまうと、より強い力で押し付けられることで異常摩耗に繋がる可能性がある。通常なら、ブラシが無くなって回転しなくなる=寿命に達して安全状態を保つはずが、ブラシの無くなった板バネとコミュテーターが直接接触してしまうことで、異常電流が流れて焼損、さらには車両火災に至るかもしれない。
一旦、ブラケットを外してコミュテーターとブラシの接触を解くと、接触部分に残っていた微細なゴミが落ちることで、モーターの回転が良くなることが多々ある。これだけでもモーターの調子は良くなるのに、ブラシの板バネを曲げたり、ブラシの接触面を削ってしまったりして、機能回復どころか危険な状態に追い込んでしまうことがあっても不思議ではない。動作に伴い、大電流が流れる部分なので、素人による中途半端な延命策や、原理や構造を理解しないままの調整は極めて危険。
重量税が元通りになるタイミング…登録から18年を目安に、製造から使い続けたモーター関係の部品は引退してもらって新品に交換。スムーズかつ静かなな動作、新車当時はこうだったのか!と感動するのもネオクラ車の楽しみ方の一つだろう。車が古臭く感じる要素の一つとして、ドアや窓の開閉がスムーズではなかったり、異音が出てくる等、小さな異変がきっかけになることが多い。これが解決されると、車全体が一気に若返ったように感じるもの。
純正部品の供給が終わってしまえば、思うように必要部品を揃えることができず、入手できたとしても定価以上の出費も予想される。純正部品を買える状況こそが、実は最もコストを抑えられるタイミングだったりする。