10年経過

下顎水平埋伏知歯抜歯術を行ってから、10年が経過していた。

漢字の羅列から何となく把握できるが、下顎に水平に埋まっている親知らずを抜く。歯肉を切開、歯の頭を切断して除去。次に、歯茎内に残った歯の根を抜き取る。

顔面、顎の形状が人によってバラバラなのだから、歯と骨の状況も全く異なってくる。骨を削るとか、顎の中の神経の位置よっては土木大工事全身麻酔による手術もありうるという、当人の顎ガチャ。12対ある脳神経において、真っ先に覚えたのが、この顎の中の神経だった。自身のレントゲン写真で解説してもらうと、実に分かりやすい。

水平に埋まっていた親知らずを抜き、その後に残る3本を抜き、結局親知らずは全て抜いた。水平に埋まっていたところはクレーター状になっていたが、5年もしないうちに骨が盛り上がって、そこに親知らずが埋まっていたことは分からなくなった。さらに現在は10年が経過した現在、しっかりとした骨が歯肉の内側にあることが感触で分かる。

会社に入ってくる若い連中から、親知らずがあってーなんて言われると、まずは歯医者にいって診てもらい、抜くなら早いうちに抜いておけとアドバイス。若ければ骨の再生が早く、しかも骨と歯が癒着し切っていないので、回復が早いからだ。下顎のラインに沿って走る神経の走行位置と親知らずの根の場所を身振り手振りで教えつつ、全身麻酔コースもありうるなんてことも。

もちろん、抜いた後にやってくる苦痛タイムも併せて教えることも忘れずに。こうなってくると苦痛体験の伝達は、抜歯経験あるあるの雑談になることが多々あり、恐怖に陥れることは珍しくない。

「リアル骨伝導サウンドが聞ける。ハンマーとペンチだぜ?マジで工事現場だ」
「ミキッ、メキッって砕け散る音がね」
「下に比べりゃ、上はラクよ。1秒以下」