混合接着剤

部品が外れたという申告で、打ち合わせの後に接着剤を使った修復を指示。アクリル系二液混合接着剤をコネコネしていると、独特のにおいが周囲に広がる。すると、すかさず「歯医者のにおいだ!」という声が。このあたりまでは良くあることなので何も気にしないが、さらに「いいニオイなんですよ、たまんねぇ」と。いやいや、これは危ないニオイだが?

虫歯の治療等で、詰め物に使われる通称『セメント』の香りそのものだが、いいニオイというヤツは初めて見た。鼻を突く刺激臭そのもので、データシートを読めば一種の危険物であることを示すマークや警告文が溢れている。それをいいニオイと捉えるとは、嗅覚は人それぞれであることを改めて認識させられた。

さて、この混合接着剤。A剤とB剤に分かれていて、混合することで成分が反応。混合比の基本は1対1だが、接着時間を短くするために比率を微妙に変えることがあり、その倍率の言い方が「●倍界王拳」。漫画ドラゴンボールにおける界王拳は戦闘力を高めることができて、●には2以上の整数が入る。転じて混合型接着剤における界王拳は、A剤に対するB剤の比率を上げれば、接着スピードが速まることを示すようになった。

ドラゴンボールでは、体の限界を越えた倍率の界王拳を使ってしまい、全身の苦痛に襲われる悟空が描写されている。混合接着剤での界王拳でも、比率を上げすぎてしまうと強烈に発熱する。混合用のトレーを溶かし、接着までの時間が一瞬で終わり、さらに変な色の煙まで出る。何事も限度があって、その範囲内で使うことが最も効果的となってくる。

板金や建築構造物向けの接着剤だけに、プライベートで買ってシビックRの補修用に使ってみようかな?と思ったことは何度もある。ただ、業務用だけにキロ単位での販売になり、価格も1万円オーバー。使う量はせいぜい数十グラム程度なので、プライベートでは異常なほどの高コストになってしまう。