そいつぁでっかい2ストだ

青森港に立ち寄ると、まずはフェリーの到着時間と出発時間をチェックすることは定例。全国各地の空港に寄り道すると、ロビーで出発便と到着便をチェックするのと似たようなもの。

津軽海峡フェリー ブルーハピネス

函館12時発青森15時40分着の14便、ブルーハピネスが青森港に入港中。ここから戦車のような超信地旋回により、その場でグルリと船首の向きを変えて、船尾側からフェリーターミナルに進入する。サイドスラスター特有の低い音を響かせながら、ゆっくりと旋回開始。

見える風景と景色が全く異なるので、港側から船を眺めているとローペースに見えるが、船側から港を眺めているとあっという間の出来事。

疲れた背中のウミネコ氏

その場にいたウミネコ氏と共に船をギャラリーする。疲れを感じさせる背中が妙に印象的で、しかも変に人に慣れているのか近づいても逃げる様子は無かった。

青森港着岸作業中のフェリー

着岸寸前。ブルーハピネスは『カジュアルクルーズフェリー四姉妹』の三女で、2016年9月28日進水。旧東日本フェリーから継承された船舶は全て退役しており、現在は全て津軽海峡フェリーの新造船に置き換わり、経年船揃いだった印象がすっかり無くなって少々驚く。

産業系機械や乗り物等がデビューすると、関係する資料がネット上で検索しやすくなっている。ブルーハピネスについてもJ-STAGE上でレポートが公開されており、PDFデータでダウンロードして内容を読むことができる。

読んでいくと、主機関として2サイクルディーゼル機関を1機、日立造船‐MAN B&W 6S50MC-C8.2を使用していることが記載されている。低燃費化やCO2削減のために2サイクルエンジンを選んだことが、津軽海峡フェリーの「こだわり」とのこと。

このテの2サイクルディーゼルエンジンといえば、ユニフロー掃気ディーゼル。主に大型タンカーやコンテナ船に使われるようなエンジンと思っていたら、まさかフェリーにも使われていることが分かり、新しい知識を得た特有の快感そのもの。ブルーハピネスの興味深い点として、2サイクルエンジンながら可変ピッチプロペラを使っていること。船の2サイクルエンジンで逆推進を掛けるときは、名物の逆回転動作。膨張行程だろうが掃気行程だろうがお構いなしだが、可変ピッチプロペラを使っているなら、羽根の角度を変えることで逆推進状態に切り替わる。こうした関連資料探しもインターネットの楽しみ方の一つ。

日立造船‐MAN B&W 6S50MC-C8.2については、ドイツMAN社のS50ME-C8.2プロジェクトガイドが簡単に見つかり、こちらもPDFデータで読める。

ユニフロー掃気ディーゼルの図

吸気、掃気、排気の流れを示した図が15.01ページに記載されている。ユニフロー掃気ディーゼルエンジンのテンプレート的な構造で、過給掃気(と指摘有)は馴染み深いターボチャージャー式。スーパーチャージャーを使っていないのは、機械的ロスを少しでも減らす目的だろうか。

→エンジン始動前の時点で、まずモーターによる掃気をスタート。掃気圧が上がってきてから、ターボチャージャー単独に切り替わるとのこと。プロジェクトガイドにも記載ありました。ご指摘、重ね重ね感謝します。