温度測定

PP1ビートは、エンジンをリアミッドシップに配置しており、応じて電装系パーツもリアにセットされているものがある。例えば、ECU。

ECUはリアバルクヘッドに取り付けられていて、エンジンからの熱が伝わってしまい、基板上の部品が損傷する事例があるようだ。熱に弱い電解コンデンサが熱せられて、膨張、破裂。電解コンデンサ内部の電解液が基板上に飛散し、回路パターンを腐食させてしまう例がいくつもアップされている。

この事例から、EK9シビックRにおける、ECUの温度環境はどうなっているのか気になった。EK9のECUにおいて、電解コンデンサが破裂したとか、膨張して液漏れに至ったという報告は見つかっていない(見つけられていない)が、この先も長く乗る以上は状況を知っておくことは悪いことではないはずだ。

ECU内部のサーモテープ

用意したサーモテープは40℃から60℃まで計測できるタイプだ。これをECUのカバー裏面に貼り付けて、夏季シーズンいっぱいかけて、ピーク時の温度を測ってみる。

計測期間は2018年7月1日から9月30日までの92日間、約三ヶ月。その他の条件として、毎日必ず走っており、炎天下での長時間駐車がある。エアコンは上半身と足元を同時に風が出る設定で、運転中は必ずクーラーを使うといった具合だ。

タイミングがいいのか悪いのか、7月早々から気温が30℃を上回る日々が続き、8月は体温レベルの36℃に達する日がよくあった。9月に入っても厳しい残暑が続き、先週…9月最後の週で、ようやく秋らしい空気に変化した。車内の温度はかなり高くなっていたはずで、内装カバーに包まれているとはいえ、ECUの周辺も熱かったことが予想される。過酷な気温が、計測には好都合だったとも言えるが、それにしても暑かった。

9月30日、予備ECUと入れ替えて、計測終了。さっそく部屋に持ち帰って、カバーを開けてみる。

三ヶ月運用後の温度変化

サーモテープの色が変化している。
カバー裏側に貼り付けているのでECU内部の温度ではなく、カバー部分の温度を示していることになり、電解コンデンサや基板表面の温度とは若干異なる。通電すれば、各部品が発熱してくるため、厳密な測定結果にはならないが、参考にはなるはずだ。

サーモテープの変化具合

46℃まで色が変わり、49℃は白色のままなので、最高48℃にまで達したことが予想される。このサーモテープは一旦色が変わると元には戻らず、いわばピークホールド表示になる。

カバー部分で48℃だったならば、運転中はエアコンが効くことで、もう少し温度が低くなるものと考えられるため、電解コンデンサの耐熱温度は105℃で事足りると判断できる。中には125℃、150℃という高級品もあるが、高温タイプを使っても寿命が延びるわけではないため、コストや特性のマッチングを考えると、明らかにオーバースペックとなってしまう。

ニチコンUBX仕様

電解コンデンサは寿命がある部品なので、ゆくゆくは対処が求められる可能性があるが、何もECUだけではなく、エアバッグやABSの各コンピュータ、メーター内部にも使われていることから、難しい問題になることは間違いなさそうだ。現在のところ、見た目を含めた異常は起きていないので、リスキーな電解コンデンサの交換に挑むより、予備品と順次入れ替えていくほうが安心かもしれない。