帰り際の通勤時間帯、次々に乗ってくる乗客に押し込まれてしまい、他の号車との連結部分近くまで移動してしまった。隣の号車に移れるよう、連結部分には貫通路と呼ばれる通路が存在し、号車によっては貫通戸と呼ばれる引き戸もある。今日、押し込まれた号車は貫通戸付きの貫通路で、たまたま引き戸が開きっぱなし。私が乗る号車と隣の号車が別々の動きをする様子を見続けることができて、暇な乗車時間にはちょうど良かった。
車両基地等では、営業路線ではまず見れないほどの急カーブが存在し、鉄道模型並みの曲がり方をすることが当たり前。連結部分においては、貫通幌はカーブの外側では思いっきり引っ張られ、逆に内側は押し縮められる。いくつものポイントレールを通過するたびに伸び縮みを繰り返すものだから、気がつくと破断していることもある。そんなカーブを通過する際、車内から眺めていると貫通路の向こう側では、次号車の車内側面が目の前に迫ってくるわけで、ますますキツいカーブを実感することができる。
これが営業路線だと、限られた用地内でなるべく緩いカーブに設定されているはずだ。それでも貫通幌の動きからすると、決して緩いカーブではないことが分かる。カーブの外側は大きく伸びているし、内側は縮んでいる。しかも高速走行中の出来事なので、ピッチ、ロール、ヨーといった3軸方向それぞれが組み合わさった複雑な揺れが発生し続け、応じて派手に動き回る連結部分は車両基地内とは違った動きをするものだから、想定内とはいえ地味におっかない動きをする。
営業路線は平坦ではなく、ところどころに勾配区間が存在する。上り坂になれば一両ずつ上を向いていくし、逆なら下を向く。僅かな角度でも、貫通路から眺めているとハッキリと勾配区間に入ったことが見える。僅かな時間差とはいえ、車両それぞれが別の角度で走っており、意識しなければ見ることはできない。
さて、この貫通路。走行中は特に激しい動きを続ける通路ということもあって、あえて乗り込む人は少ないが、人が少ないこともあってゼロではない。大きく揺れる場所だけに、ポイントレールの通過や急ブレーキで転倒してケガを追う可能性がある。そして追突事故のときには、構造上弱い部分なので、押し潰されることも考えられる。部品レベルで見ると、車外とは細いフレームと薄いビニールの覆いで隔てられていることから、客室内とは違って安全面では疑問が残る。あくまで通路なので、立ち止まって乗り続けることは避けておきたい。