青森から帰宅する日。と言っても、まっすぐ帰るつもりは一切なく、あちこち寄り道しながら一日の有効時間帯をフルに使う。昨晩はかなり強い雨が降っていたらしく、防音の効いているはずのホテル室内にまで、雨音が響き渡っていた。
まずは青森駅前出発時点での、GPSログを参照。

青森市街地からすぐにR103に入り、「奥入瀬渓流と十和田湖の紅葉は見事っすよ」というシャブ(会社自動車部)のY氏おススメルートをトレースすることにした。八甲田山を横断、途中でR102にスイッチ、奥入瀬渓流に沿いながら十和田湖に出て、東北道に戻るというもの。

今日の出発は5時前。相変わらず雨が降り、地方都市特有の街灯の少なさもあって、本当に暗い中を走り始める。すぐにR103に入って、八甲田山方面へ向かって南下を開始。完全は寝静まった夜明け前の青森、他車はいない。

標高が上がり始めると、次第に道路の状況がおかしくなっていく。路肩が白い。あれ…?と思っていたら、フロントガラスに当たる雨粒の音は消えていて、明らかに白い塊がフワフワと当たり続けている。いやまさか。

画像は地元ATV青森テレビの公式Webページより引用。帰宅後に分かったことだが、このR103沿いにある酸ヶ湯(すかゆ)近辺は、今シーズン初雪でニュースにもなっていた。昨日から降り続けていた雨は、上空を覆った寒気の作用もあって、八甲田山は雪。4日未明に9cmの積雪を記録したそう。
都心部から「勧められたから走ってみよう」と物事を深く考えぬまま、現地に訪れた愚か者。ハンドルを切っても直進しがち、ブレーキを踏めばABSはガリガリと動作、アクセルを踏んでも前輪は空転するだけ。スマホをチラリと見ると、電波の状況はどんどん悪くなっている。転回できるような場所は見つからず、アスファルトがなんとか見えている区間を探しながら、超低速で登坂していく。
除雪で出動してきたモーターグレーダーを前方に発見。これ幸いと除雪したての道を利用させてもらう。途中、何度か譲られそうになるが、事情が事情だけに先行してくれと身振り手振りで伝え、除雪車にくっついて傘松峠へ向かう。
その頼みの除雪車も、傘松峠手前でUターン。ここからはついに単独走行。車を止めてしまうと、もう再スタートが難しくなっている。雪はどんどん強くなってきて、夜明け後の気温上昇も期待できない。10kmh程度で傘松峠を通過。標高は1,000mを越え、窓を開ければ冬と雪の寒さ。
雪景色を堪能、撮影するところではなく、極度の緊張と恐怖心で口の中がカラカラで痛い。タイヤが雪を掻いてアスファルトに乗っている感覚はギリギリ残っていて、恐らく2週間前にタイヤ交換したてでトレッド面が深かったことが好都合だったのかもしれない。
標高が下がるにつれて雪の量が減り、ようやく安堵できる路面状況に変わった。道はR102へ入っていて、なるほどここが奥入瀬渓流か…と緊張を解きほぐす空間になっていた。さすがに車を止めて休憩できるスペースはなく、40kmh程度で流しながら静かに通過していく。

2時間近く極度の緊張感の中を走り続け、林道入口で小休止。奥入瀬の紅葉は終わりが近かったものの、それでも見ごたえは十分。ドライブコースとしても最適で、夏の深い緑に覆われたトンネル状態を走っていくのも良さそうだ。

十和田湖沿いに南下。こちらも紅葉は終わりが近い。ところどころで木のトンネル状になっていて、黄色や橙色に色づいて明るい道を走り続けて、一旦東北道に戻る。
東北道に入ってしまえば、あとは一路都心とはならず、すぐに降りて山形から再び下道に戻る。山形や福島といった走り慣れた山道を巡りながら、都心部の帰宅渋滞に備えて時間調整も兼ねる。昼食は米沢駅の駅弁「牛肉どまん中」。

栃木県の宇都宮市まで下道で頑張ろうと思いつつ、そろそろ夕暮れで見通しが悪くなってきて、山道もリスキーになってくる。福島県の白河市から再び東北道に入り、本日二度目の夜間走行。20時半には帰宅して、積雪の青森から秋の涼しさが残る都心部という、季節の逆行を実感しつつ、一日が終わる。
往路は800km程度。二日間の総走行距離は1,700kmプラスアルファ。積雪の路面はもう走りたくはない。