現在はだいぶ見なくなったが、旧世代の国鉄型電車等では、車内の天井に『開』と『閉』と書いてある通気口があった。

このようなもの。大抵は『閉』側にセットされている。立ち客が手を伸ばせば届く位置にレバーがあり、『開』側に動かすと、内部の通気口が開き、走行風が車内に入ってくる仕組み。

よく見ると『半開』位置もあって、導入される走行風を若干抑えることができる。新鮮な空気が欲しくて通気口を開くのだから、基本は『開』位置にする。

混雑して、車内の空気が熱気と湿気でどんよりして不快だったとき、このレバーを動かして新鮮な空気を導入させていたことは一度や二度ではなく。何も知らない乗客からすれば、天井のレバーをいきなり操作したことによる「動かせるの?」という驚きがあり、天井から冷たくてキレイな空気が降りてくる驚きもあったようだ。
ただ、長年使っていなかったベンチレーターだった場合、通気口が開いた瞬間に溜まっていたホコリがバサッと噴き出してくることもあった。
こういった走行風を利用した換気装置が生き残っていたならば、コロナ禍では『開』が通常状態になっていたのだろうか。「窓を開けてください」だとか「車内換気にご協力を」という放送は珍しくなくなり、どの窓も僅かに開いていることが当たり前になった世の中だ。