JR東海は、東海道新幹線から引退する700系について、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、引退列車の運転を中止すると発表。
そうなる。乗車しようとしていた人間が、全員が全員健康体とは限らない。特に最後の列車となれば、多少の体調不良でも「身動きせずシートに座っているだけだから、家で休んでいるのと変わらない」といった理由をつけて無理して乗ってくる可能性もあり、それが新型コロナウィルスの感染者だとすれば阿鼻叫喚どころではない。
引退列車そのものだけでなく、最後の列車を一目見ようと、またカメラに収めようと各駅には人が集中することになり、これまた感染拡大の恐れがある。もしも本当に感染拡大してしまえば、引退イベントで人を集めてしまったJR東海が、世間からの集中砲火を浴びることになる。
ここ最近の報道では、感染しても無症状だったり、症状が軽かったりすることもあるそうで、少々しんどいけど日常生活はなんとか送れるといった状態も考えられる。もはや中国武漢とは関係なく、国内のあちこちに飛び散っているのと考えるのが自然。
2月末から3月上旬の一週間から二週間に掛けて、人が集まることを防ぐことができるかどうかが、ウイルス蔓延の瀬戸際となっているため、700系の引退列車の中止を決断。
というのは建前で。気になる事例を一件。
東京メトロの日比谷線03系が、2月28日をもって運転を終了。後の取材によって運転終了となっていたことを明かし、その背景に、千代田線の車両が引退するとき、一部の鉄道ファンによる混乱によって運行支障、他の多くの乗客に迷惑が掛かる事態になった経験から、引退イベント等は見合わせたと発表。
鉄道会社にとって客とは、その時のためだけに駅に集まってきた人間ではなく、運賃を払って列車に乗り、目的の駅へ移動する客だ。その客を正しく輸送できなければ、契約違反となってしまい、経営として成り立たなくなる。だから『他の多くの乗客に迷惑が掛かった』と述べている。
実際、本来運転される予定だった700系の最終列車のきっぷについて、転売されたものが大量に出回っている。しかもC制きっぷがゴロゴロ見つかり、まさかのEX予約のきっぷまでも。
現金購入ならまだしも、C制きっぷはクレジットカードでの購入を意味し、EX予約はJR東海の会員カードのものなので、払い戻しは厄介な問題になる。特に後者、EX予約は本人確認が必須となるので、転売屋から高額購入したアホは痛い勉強代として諦めるといい。
JR東海も、このようなきっぷの転売事例は掴んでいるだろうし、同業他社では既にイベントの見合わせという措置を取っている。『C制枠やEX枠に限らず、きっぷの転売行為』『一部の鉄道ファンによる混乱』という事態が、会社問わず車両引退の度にあちこちで続けば、将来的には車両の引退イベントが縮小、無くなってしまうかもしれない。鉄道ファンを自称する一部の輩が行う混乱騒ぎ、記念きっぷの転売が、巡りに巡って自らの首を絞めている。
新型コロナウイルスで700系の最終運転がなくなり、大混雑した駅の誘導や案内整理といった精神的疲労がなくなって助かったーという本音を抱いている駅員がいても不思議ではない。