相次いで帰ってきた時計たち

まず、オメガスピードマスターの精度再調整について。銀座のカスタマーサービスセンターでの調査結果は、一応規定許容範囲内。ただ、時計としては扱いにくいため、もう一度調整してもらえることになった。最長二週間掛かるという見積もりだったが、先日の青森から帰宅したら調整終了、いつでも返却OKというメールが着信。9月30日に引き取りに行って、様子を見続けていた。

cal.1863のテンプ

タイムグラファーによる計測及び電波時計と比較しても、しっかりと進む方向にセッティングされていることを確認。ようやく機械式時計としての扱いやすい仕様に仕上がった。

そして、今年の一月から預かっていたシチズンホーマーが仕上がり、返却することになった。

預かった時点でのムーブメントの状態はボロボロで、歯車の軸折れ、錆び、ゼンマイの切断などなど。部品取りホーマーを入手して、交換できるもの、再利用できるものはニコイチを行った。割れていた風防は同一パーツが見当たらず、ワンオフ品として作成してもらう。そういった補修を経て、50年以上が経過したアンティーク時計として再始動した。

仕上がったシチズンホーマー

18,000bphのロービート音が部屋内に響き、これがとても心地いい。グランドセイコーのスイープ運針やロレックスのハイビート運針とは違った、独特のゆったりした秒針の動きが、見た目としても楽しむことができる。ロービートの時計を持っておきたくなる魅力がある。返却当日までは、最終確認テストを継続。

古い時計だけに扱いはけっこう難しく、ゼンマイを巻くにしても時間を掛けてゆっくり巻かなければならず、勢いよく巻くだけでも壊れる原因になる。防水機能は無く、雨や手洗いの水分は厳禁、湿気にも注意が必要。塩分を含む汗は危険物質でしかない。現代の時計のような精度は出ず、日差±1分レベルで上々。機械式時計なので、メンテナンス費用は安くはない…。

アンティーク時計の取り扱い上の注意として、頻繁に目にするこれらのポイントは、実際に触ってみて、よりはっきりと理解することができた。非常に繊細な扱いを要求されるアンティーク時計の面白さ、奥深さを知ることができたことは大きな収穫だ。

風防表面の保護フィルムは貼ったままだ。フィルム剥がしは時計を使い始めるときの儀式だけに、今は触るわけにはいかず。大変おまたせしました。いよいよ返却です。