ハイプレッシャーラジエターキャップのこと

現在使用中のラジエターキャップは、PIAAのラジエターキャップSV56(1.1kg/cm2、108kPa)だ。純正品、HKS製、水温計付きの変り種だったりと、以前は一定の周期で交換してきた。そしてPIAA製になったのが2016年2月で、それから現在に至るまで交換していない。

SPAC/PIAA SV56

年数的に、そろそろ交換してもいいタイミングか。今月末のオイル交換に併せて、ホンダ純正品を発注しておいた。

地球上には既に大気圧が掛かっているので、ラジエターキャップによって更に1.1kg/cm2が加圧される。よってエンジンの冷却経路には、合計2.1kg/cm2もの圧力が掛かり、沸点は122℃となる。圧力が掛かると沸点が上昇する理由は、『水の状態図』『蒸気圧曲線』で調べると、大量に出てくる。

蒸気圧曲線

図として分かりやすかったのが上の画像で、引用元は私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコムより。

ここでは、大気圧とラジエターキャップのバネの力が合わさった圧力が飽和水蒸気圧と仮定する。この圧力によって、加熱によって生じる冷却水内部からの気泡…液体が蒸発してできた蒸気の塊を押し潰すことができるので、沸点が上昇する。100℃になっても泡立たない。エンジンの熱を奪って、さらに冷却水の温度が上昇。気泡が押し潰されることなく次々と発生し、大気圧とラジエターキャップのバネの力を上回ったときが沸点で、液体だったものは蒸気と化して吹き出してしまう。それが122℃という数値だ。

122℃になって蒸気になってしまえば、エンジンの熱を奪い、また放出することができなくなる。水温が122℃を上回る状態になっても沸騰させずにエンジンをガンガンに回したいならば、ハイプレッシャーラジエターキャップなんてものをチョイスする。よくあるのが1.3kg/cm2(127kPa)のタイプで、これを装着したときの沸点は125℃。17%の圧力アップで得られる沸点は純正品から僅か3℃の上昇に留まり、水温を下げる作用には一切関与しない。

ハイプレッシャーラジエターキャップは冷却効果のアップではなく、沸点を上昇させるパーツ。現状のラジエターキャップで冷却水が吹いていなければ沸点は超えていないわけで、ハイプレッシャーラジエターキャップに換えても得られるものはない。つまり、ハイプレッシャーラジエターキャップに交換する必要は無いということ。純正品に比べ、社外のハイプレッシャーラジエターキャップはデザイン的にも優れているものが多く、見た目で選んでいるパターンもありそうだが。

1.1kg/cm2の圧力が分からない?ラジエターキャップの裏側にある主圧弁を指で押してみると、硬いバネの手応えがある。この硬さが圧力になり、エンジンの冷却経路全体に追加で掛けられることになる。大気圧に硬いバネの圧力が加われば、経年で脆くなったホースから漏れ出してくる理由も納得できると思われる。ちなみに、人間そのものにも大気圧でかなりの圧力が掛かっている。

と、ブログやレポートで水温ネタを続けてきたが、そろそろ飽きもくるころなので、一旦締め。