
SCSショートカプラ 07PAZ-0010100とは、ホンダの純正ツールとして設定されている、ショート(短絡)カプラだ。エンジンとECUを接続するハーネスに設けられた、2ピンのサービスチェック用カプラに接続する。
ECUのダイアグノーシス(自己診断機能)によってエラーが記録されていた場合、メーターパネル内のエンジンチェックランプが点滅し、この点滅回数と点滅パターンによって、エラーコード=トラブルが発生している推定部分を表示させることができる。また、エンジンの点火時期調整時、及びSRSエアバッグのエラーログ消去でも使うことができる。

サービスチェックカプラは助手席側の足元、ECUのハーネスにある緑色の保護カバーの中にある。2ピンのカプラと3ピンのカプラがあるが、使用するのは2ピンのカプラ。2ピンカプラを保護カバーから引っ張り出し、SCSショートカプラを接続してからエンジンを始動する。

この状態で、メーターパネル内のエンジンチェックランプの点滅回数をカウントし、PGM-FI故障診断表と照らし合わせる。PGM-FI故障診断表は前期型と後期型で微妙に異なり、サービスマニュアル上の診断表をスキャンしてアップすると『引用』の範疇を超えるので、当サイトでは掲載不可能。このあたりは『調査力』がモノをいう部分。
SCSショートカプラは、SRSエアバッグのエラーログ消去にも使えると先述した。サーキットを走る際は余計なリスクを低減するために、エアバッグのハーネスを切り離していたが、エアバッグコンピュータは通電されて接続しているのに、エアバッグ本体は通電していないことを検出して、エラーログが記録される。命に関わる部分なので、バッテリーを取り外しても、エラーログは消去されないようになっている。結果、サーキットで遊び終えて撤収準備をしていると、タコメーター内のSRSエアバッグ警告灯が点灯したままとなる。
SRSエアバッグコンピュータのMES(メモリイレースシグナル)2Pカプラは、運転席側のヒューズボックス内に固定されている。

こんな奥。非常に狭い場所にあり、本当にメモリ消去を行う際は、何度もカプラを脱着することになるので、作業する際はカバーパネルそのものを外したほうがいいかもしれない。

無理やり引っ張り出してSCSショートカプラと接続してみたが、簡単に切れそうなくらいプラプラしている。以下、メモリ消去方法について…。
1.イグニッションスイッチをOFF、サービスチェック用カプラにはSCSショートカプラを接続していないものとする。もし、サービスチェック用カプラにSCSショートカプラを接続していた場合、イグニッションスイッチをOFFにして10秒以上経過してから、SCSショートカプラを取り外す。
2.MES2PカプラにSCSショートカプラを接続する。
3.イグニッションスイッチをON(II)にする(エンジンは始動しない)。
4.SRS警告灯が6秒間点灯した後、消灯する。消灯後4秒以内にMES2PカプラからSCSショートカプラを取り外す。
5.SRS警告灯が再度点灯する。点灯後4秒以内にMES2PカプラにSCSショートカプラを接続する。
6.SRS警告灯が消灯する。消灯後4秒以内にMES2PカプラからSCSショートカプラを取り外す。
7.SRS警告灯が2回点滅し、メモリ消去完了を通知する。
8.イグニッションスイッチをOFFにして、3秒ほど待つ。
9.再度イグニッションスイッチをON(II)にしてSRS警告灯が点灯、6秒後に消灯。さらに30秒経過するうちに再点灯しないことを確認。
10.正常消去を確認できれば、イグニッションスイッチをOFFにして作業完了となる。
SCSショートカプラを接続したらすぐに取り外すことを繰り返すので、まぁ面倒なこと。一発でメモリ消去ができたことよりも、接続タイミングが遅れて失敗、接続回数を忘れてしまい、最初からやり直すこともしばしあり、全くスムーズにいかない作業だったりする。
単純にピン同士を繋ぐだけなので、適当な細いケーブルをカプラの端子に突っ込む、書類用クリップを伸ばして接続するといった代用手段が効くが、ちょっとした振動で接触不良を起こす恐れがある。接続したままメーター内の警告ランプを見ることや、エンジンの点火時期チェックでは長時間に渡って接続したままにすることから、使い勝手はSCSショートカプラのほうが勝る。2014年7月の時点で561円、部品購入ついでに一緒に注文していた。