ラジエターファンモーターの強制起動回路とか

純正水温計に関するレポートを書いていて、ラジエターのファンモーターをスイッチで強制的に動かす回路を組み込むネタがあったことを思い出す。かつて乗っていたEK4シビックSiRIIのときに施していたが、実際に使った場面の記憶はなく、今となっては装着目的がよく分からなかったりする。

回路といっても、ファンスイッチ用のハーネスを分岐して、適当なスイッチをつないでグランドに接続するだけ。エンジンのファンスイッチよりも先に動作させることで、水温に関わらず好きなタイミングでファンモーターを回し、冷却することができる。

その回路。

ファンスイッチの分岐部分

エンジンに装着されているファンスイッチの緑線を分岐し、スイッチを経由してグランドに落とす。EK4シビックSiRIIで施していたのがこのパターン。

エンジンルーム内に余計なハーネスを追加する方法はスマートではない…ということで、ECUのコネクタ部分から分岐するパターンも存在する。

前期型ECUの分岐部分

前期型(E-)では、32Pカプラの27番端子より分岐する。ここならハーネスの追加は車内で終わることになり、既存のハーネスに沿わせるカタチになるので、スッキリと仕上げることができると思われる。三段重ねのピンラインの中で、AMPとモールドされた下段(写真では上段)側に位置しているため、分岐加工が施しやすい。

後期型ECUの分岐部分

後期型(GF-)ではECUが変更され、32Pカプラは変わらず、20番端子になっている。写真では右側に別のハーネスがあり左側は空いているが、現車は20番端子の左右を囲まれており、分岐加工は若干面倒になっている。

水温が下がって冷却の必要性がなくなれば、ファンスイッチによってファンモーターは自動的に止まるようになっているのが本来のシステム。少なくとも公道用途では不要な回路で、後付した社外水温計の数値を落として「下がった下がった」と喜ぶための用途にしかならない気がする。

では強制的にファンモーターを回したいときは、どんなシチュエーションか。思いついたのはジムカーナ等、走行風をうまく取り入れることができず、それでいて積極的に冷やしたいとき。そういったスポーツ用途であれば、冷却系のチューンは考えられて行われているはずなので、強制起動回路は補助的なものにしかならないのではないか。

EK4での失敗談だが、人を待っているときのアイドリング中、強制起動スイッチを入れっぱなしでファンモーターを回し続けていた。一旦エンジンを止めて、しばらくしてからエンジンを始動しようとしても全く掛からず、バッテリー上がりに陥った。原因はこの強制起動回路にあって、ファンモーターの消費電力は凄まじいものがあるらしく、アイドリング状態では発電が追いつかず、バッテリーからの持ち出し分で回転し続けていたらしい。バッテリーにセルモーターを動かすだけの電力は残っていなかった。

このアホな経験があって、DC2インテR、今のEK9シビックRでは強制起動回路を組み込んでいない。線一本の追加でも、面倒ごとを引き起こすリスクがあるわけで、サービスマニュアル上には存在しないV-AFCIIやCMX-100も視界から離れた位置に設置して、常時監視の測定機器としては扱わないようにしている。