JAPAN MOVT

気がついたら止まっていたということで、サポート依頼で持ち込まれたのは、Paul Smithのクロノグラフ腕時計。電池切れで止まっているのか、故障で止まっているのかは、現在のところ不明。

Paul Smith 0610

カジュアルウォッチの厄介なところは、見た目はブランドモノだが、中身は汎用ムーブメントで組まれていることが多い点。汎用ムーブメントは分解修理を前提としていないので、破損による故障ならばムーブメント一式を取り替えることになり、修理費は別枠となってしまう。

預かった時点で、まずは全体像を見て時計の状況を把握する。リューズを引き出して針を回してみて、時間調整と日付変更が可能、24時間計が正常に動作することを確認。

文字板にJAPAN MOVTの文字

文字板をよく見ると、『JAPAN MOVT』と小さく印刷されており、恐らく中身はセイコーかシチズンのムーブメントと予想。故障であれば、ムーブメントの取り替えで対処することを覚悟して、裏蓋を開ける。

中身はCITIZEN Cal.0610

ムーブメントはシチズン製で、Cal.0610と分かった。同時に使用電池(SR927W)も判明。電池を交換してみると、すぐに秒針が動き出し、電池切れだったことに一安心。電池に書き込まれた28 7.31という数字から、平成28年7月31日に電池交換されたのだろう。それから2年10ヶ月で電池切れを起こしている点から、約2年と設定されている公称寿命以上に使えていたことになり、ムーブメントの調子は悪くなさそうだ。

クロノグラフなので発停・復針ボタンが備わっており、これが単なるスイッチではないようだ。特に復針ボタンは60分積算計の針を0点に戻すためのリセットハンマーに繋がっているらしく、操作すれば一瞬で0点に戻る。裏蓋を開けたままでの動作テスト時には、あちこちのレバーが動く様子が見えていたことから、ムーブメント内部で何かしらのメカが機械的に動いていることは間違いない。

二つのボタンそれぞれに、機械式クロノグラフと同じく独特のクリック感があり、クロノグラフを操っている感触が楽しめるようになっていた。そしてリセット操作で一瞬で0点に戻る動きもあって、セイコー製の汎用ムーブメントよりも一歩先を行くような印象を抱いた。

このまま一晩運針させて、日付変更の再確認と精度の簡易チェックとなる。お待たせしました。