時計修理活動、開始。
いよいよOMEGA DE VILLEの文字板と針をセットする。40年モノのエナメル塗装なのでストレスに弱くなっており、傷なんざつけたら完全失敗となってしまう。文字板は100円硬貨程度の大きさしかないため、一工程毎に小休止を挟み、ここ一発の集中力を最大限に発揮させる。
文字板は時計の表情、そして顔であり、この部分の出来栄えで時計の雰囲気全てが決まる。メイクによるごまかしは一切利かない、すっぴんこそ唯一の生命線。

セット完了。分解前は1970年代当時の設計、加工精度からか、文字板の中心穴が真(軸)と僅かにズレていたが、装着時の位置調整を行うことで、ほんの少しだけズラすことができた。
続いて、太さ1mmもない短針と長針を装着する。針の塗料が弱くなっているため、ピンセットで傷を入れないよう、慎重に、慎重に。

よしきた。デイデイト仕様ではなく、ついでに秒針もないモデルなので、12時のタイミングで針が完全に重なるようにすればよく、このあたりは少しだけ気楽。
リューズで針をグルグル回転させて、インデックスバーへの干渉や長針と短針が衝突しないか、入念にチェック。具合は良さそうだ。

10時8分にセットして、Vマーク。作業中の緊張から解き放たれた瞬間だった。ケースに組み込んで数日掛けて実際にランニングさせ、スムーズな運針を確認してから返却となる。