車両の連結器

先日の、黒部峡谷鉄道の写真を整理していて、ふと気づいたことがある。まずは、この写真。

ピンリンク式連結器

重たい車両を何両も引っ張り、もしくは押すときはしっかりとパワーを伝達し、力負けして離れてはならない。その一方で、切り離してほしいときは苦無くスカッと解放される。連結については、単純に見えてちょっとしたコツを要する部分であり、一概には言えないか。ピン・リンク式連結器の車両が連結するシーンを見物していたが、けっこう危なげな作業に思えたので。それでも、なるべく短時間で連結して編成を組み立てて、できるだけ運行している時間を確保したい。

そんな矛盾した要求を見事にこなしている連結器というのは、シンプルながら大重量に耐えるメカであり、機械趣味の視線からもけっこう面白いものがある。おかげで、出かけた先で電車や列車を撮影すると、ほぼ必ず…

快速海峡の機関車と客車

このような、連結器周辺が見渡せる構図で撮影していることに気づいた。

こちらは2015年7月4日に運転された、臨時快速復活海峡号。終点の青森駅に到着して、撤収準備中のワンシーン。左の14系客車と右のDE10形ディーゼル機関車が連結している。牽引してブレーキが掛けられればOKなので、接続は空気用ホース一本だけ。

大井川鉄道の客車と機関車

2016年7月30日に出かけた、大井川鉄道井川線に乗車した際に撮影。右下側が乗車している客車、左上側が押し上げ用のディーゼル機関車。ブレーキ用の空気配管だけでなく、遠隔運転用の電気配線も接続されている。

京急2000形の棒連結器

京急ファミリー鉄道フェスタ2018で撮影した、京急2000形の棒連結器。基本的には切り離すことがない部分に使われる連結器で、文字通り棒状の一本モノ。そこらに転がして「これが連結器です」と言われても実感は湧かないが、こうして車両の一端に接続しておけば、なんとなくイメージしやすいという例。

今から約100年前のお話。
当時の客車、貨車における連結作業というのは危険な作業で、動いた車両に挟まれ、また轢かれたりする等して、死亡事故が多発していた。そこで国鉄は扱いが容易な自動連結器(形状は写真三枚目、大井川鉄道井川線のものを参照)に交換することにして、1919年に計画が発動した。

自動連結器への交換準備=車両の事前改造、作業員の徹底した訓練を積み重ねて、1925年の夏。国鉄全線を24時間ストップさせて、全国各地に存在する貨車、客車の連結器を一斉に交換するという突貫作業を実行。朝から晩まで汗だくになって取り替えていき、見事に成功させたという逸話が残っている。実際のところ、客車は二週間前から作業が継続しており、機関車は指定日前から行っており、九州に限っては三日後に作業が完了している。

短期集中かつ怒涛の勢いで、モノを作り変えてしまう日本人の気質は、昔から存在するようだ。