彼岸花

四季がハッキリしている日本なので、応じて植物たちもいろいろな変化を見せてくれる。

春先になればサクラが咲いて、蒸し暑さが実感できるようになるとアジサイが見ごろを迎える。夏場になれば、ちょっとした緑地帯や公園では大きなヒマワリが咲き、夏休みのシーズンに突入するあたりで、小学生がアサガオのプランターを持ち帰る様子を今も見ることができる。

平地では残暑が厳しくても、標高が高いところでは早くも秋の訪れを告げるコスモスが咲く。しばらくすると平地でも、ヒガンバナが冷えてきたタイミングを教えてくれる。秋が深まるとススキの穂が風になびき、ヒイラギが年が終わりを告げる。そして冬の終わりは、ペンペングサたち春の七草が出るあたり。

長年、車であちこちを走り回ってきたためか、沿線の植物は正確な季節を教えてくれることに気づいた。信号待ちしているときに、ふと横を見るとヒガンバナが咲いていて、そういえば冷えてきたー…と年々、月日が過ぎ去るスピードが速まっているように思えてくるもの。

ヒガンバナ

というわけで、半袖で徘徊するには厳しい気温になったあたりで、正確に咲いてくれたヒガンバナ。紅い見た目が本当に美しく、好きな花に数えられる。『死人花』『地獄花』といった異名が多いことでも有名で、不吉な花として見られることもあるそうだ。

とはいえ、そんなダークな印象の背景にある力強い美しさが、惹きつけられる魅力の一つかもしれない。