秒躍制レバーに一苦労 セイコー 38クォーツQR編

素人の手によるオーバーホールを終え、組み立て後の後検査と歩度調整を続けているセイコー38クォーツQR。組み立てて、再び時を刻み始めたのが4月8日、それから現在まで安定した運針を続けてはおらず、まず精度が悪い。手持ちの機械式時計並の精度となってしまい、計算上は週差1分以上は進み、当時の高級クォーツ時計らしからぬ酷さ。これはトリマコンデンサを動かして、精度を追い込むことになった。

そして大問題になったのが、秒針が動かなくなり、時計として止まってしまう点。ケースに対して指でトントンと軽く弾くと再び運針を開始するが、しばらくすると秒針がプルプル震えて止まる。洗浄や注油は念には念を入れたし、衝撃で一時的に回復するならば粉塵を噛みこんだものとは違う。原因は、四番車に接触している秒躍制レバーと呼ばれるブレーキで、調整が悪いために四番車の歯に噛み込むためだった。絶妙な接触具合でないと正しい運針には至らず、この当時のセイコー製ムーブメントでは、難所の一つだったようだ。

秒躍制レバー

秒躍制レバーの様子で、紫色の爪が四番車に接触しているのが分かるはず。噛み込んで止まっているところに、軽い衝撃を受けて一時的に爪が正しい位置に戻って運針を再開、ところがまた歯に噛み込んで停止。ここのところ、早朝に起きて出社時間ギリギリまで微調整を行い、帰宅してからも微調整を繰り返していた。今日に至っては夜勤明けで時間があり、昼間なので部屋も明るい。一気に追い込むぜ!と精度調整、秒躍制レバーの位置調整をずっと行っていた。拡大鏡でギリギリ見える接触具合を探りつつ、電波時計と高精度機械式時計、時報をベースにトリマコンデンサを回し…、おかげで目は疲れて、今はとにかく眠い。

作業場

本日の作業デスクの様子。ムーブメントはケースに収めて実使用に近い環境に設定し、微調整を継続していた。それでもなお満足できる仕上がりには程遠く、秒躍制レバーの調整方法が見つかったのは一週間後のことだった。