秒躍制レバーの調整 セイコー 38クォーツQR編

夜勤明けでの秒躍制レバーの扱いに苦労して、ようやく直ったと思っていたのが13日の出来事。なお不安定だった。運針が止まることはなくなったものの、止まる前兆は残っている。

四番車の歯に秒躍制レバーの爪が噛み込んで止まろうとするが、トルクが打ち勝って爪を弾き出すことで、正常運針に戻る現象が続く。これが起きると、一回で5秒程度の遅れになり、24時間で15秒程度の遅れが残る。

まだ何かやり残していることがあるはず。そんな考えで部品取り用のCal.3862を見直してみると、触っていない部分があった。

秒躍制レバーの調整

これまでは偏心ピンを左右に回すだけだったが、秒躍制レバーの反対側にはカシメ加工された関節部分があり、尾部に至ってはピンセットで掴んで動かしてくれと言わんばかりの形状だ。

いやまさか?と思いつつ、動かしてみると歯と爪の当たり具合が大きく変わる。こいつだ!とさっそく動かして、歯と爪の当たり具合を再調整を施したのが昨夜のこと。つまり、偏心ピンを回すと、四番車に対する爪の位置が前後し、尾部を上下に動かすと、シーソーの如く爪が上下するのだった。

四番車の歯に対し、爪の掛かりがあまりにも浅かった。ピンッと弾かれた拍子で振動し続け、その状態のまま次の歯に触れてしまうと、ガッチリと深く噛み込んでしまう。そこで、爪を歯に軽く押し当てる感じの位置にしてみると、弾かれても次の歯で振動が適度に抑えられ、正しい位置に保持されるようだ。歯と爪の当たり具合が良くなったせいか、1秒ペースとはいえ、機械式時計と同じチクタク音が鳴るようになった。

今朝の時点で、机の上に並べられている他の腕時計とほぼ同じタイミングで運針しており、帰宅直後の再チェックでも同様だった。電波時計と高精度機械式時計、時報と比較して、感覚的には24時間で0.5秒の遅れ。ようやく秒躍制レバーを克服できそうで一安心。

残るはトリマコンデンサによる精度の追求とストレステストで、所有者への返却できる目処がやっと、やっとついた。