ヒール、ヒーリング、ホイミ、ケアル…ぱっと思いつくゲーム内での回復魔法の名称の数々。戦闘において減ったHPを回復させる魔法は、長い長い冒険を続けるのは必須だろう。
冒険中にばったり出会った敵と戦闘だ。戦闘でダメージを受けるということは、真っ先に傷つけられるのは表皮だろうか。相手が強ければ傷は表皮どころか真皮に達するだろうし、場合によってはぱっくりと傷口が割れて、骨が見えるかもしれない。静脈を傷つければ滴るような出血で、動脈を傷つければかなりの勢いで血が噴出す。そこで回復役職業の出番だ。数々の回復魔法を習得していて、パーティ一行の生命線とも言える。回復魔法によって瞬時に皮膚は癒着するし、体液系の管類も一瞬で再接続される。これで戦闘と冒険が続けられると喜んだが…。しばらく時間が経過したころに高熱が出た。しかも傷口は妙に変形している。どうやら、傷口から細菌が混入していたらしい。回復魔法によって強制的に傷口を塞がれたことで、一気に増殖し始めたようだ。もはや回復魔法は太刀打ちできない。無類の強さを誇った者は、残念ながら「病気」には勝てなかった…。
(例えばドラクエに出てくる『がいこつへい』は、攻撃時に毒効果有。いろいろな意味で汚染された物質が、生物の体液。それにまみれた刃物で攻撃されては、感染しないほうが不思議かも)
どこか強引ながら少々リアリティに考えてみると、回復魔法とは皮膚の損傷限定の魔法になるらしい。ドラクエ等の魔法が存在する架空世界でも病気は存在していて、ストーリによっては病気で寝込む人を助けることもあるだろう。もしも、病気すら回復させる魔法が存在すれば、寝込む人を助けるなんてことは発生しないので、ストーリは全く違ったものになる。
(細菌による病気とウィルスによる病気は違う。よってキアリーは考慮しない)
皮膚の損傷限定となると、内部組織だけの損傷にも対応できないことになる。初級クラスでは簡易な鎧とショートソードを振っていた人が、上級クラスに転職したとする。超重量級の甲冑と使い慣れないロングソードを振るうことになり、翌日は全身が猛烈な筋肉痛に襲われ、戦闘どころではなくなる。そこで回復魔法に頼りたくなるが、表面上は異常ないし、先の皮膚の損傷限定理論からすると筋肉痛には効果が出てこない。残念ながら筋肉痛のメカニズムは分かっていないし、対処のしようがなく、自然治癒を待つしかない。普段からトレーニングを行っていれば回避できるかもしれないが、そんなことをやっていたら「つよさ」や「Str」が不気味なほど増加しているはず。回復魔法が「神の奇跡」とされている場合があるが、最も説得力が無い。あちこちで回復魔法を連発されては、奇跡どころではない。
空想の世界のことを現実的に捉えるのは、極めてナンセンスだったりするが、たまには息抜きの意味を込めて。