処暑を過ぎ、あちこちでコオロギの鳴き声が聞こえて、残暑真っ只中だが秋が近づいている。この頃になると、現場のあちこちにセミファイナルを迎えたアブラゼミが転がるようになる。そんなところに、今日は測定機器の上に落ちてきたのがこいつ。

アブラではなく、ミンミンなのが少々レアか。まだ生きており、大きな鳴き声を発し、羽をバタつかせて抵抗を見せる。放り投げると、まず顔面に向かって捨て身のタックルを仕掛け、木ではないことに気づいて急旋回、建物の梁に止まった。改めて捕獲して外で飛ばしてみると、やはり弱っているのか飛距離が伸びず。寿命が近いらしいので、木に止まらせて天寿を全うできるように逃がしてやり、真夜中のセミ採りは終了。
寿命が短い…わけがないのがこいつら。『成虫の飼育が極めて難しい』『地中の幼虫を観察できない』という理由から、一週間の寿命という俗説が広がった。成虫は、一週間どころか一ヶ月は生きる。一生のほとんどを幼虫時代として地中で過ごしているため、種類によるが総合寿命は3年から7年と長寿。写真のミンミンゼミが、最高条件の寿命を全うしようとしているなら、2009年生まれ。2009年の夏、なにをやっていたか。
毎年の夏の風物詩で身近な虫なのに、長い地中生活のせいで研究者の観察や解明が思うように進んでおらず、意外と謎が多かったりする。