国道139号の松姫トンネルが開通したのが、2014年11月17日のこと。この日を持って松姫峠を越える区間は、旧道として切り離された。僅かな期間だけ通行できたようだが、2015年10月06日より現在に至るまで『通行に際して危険なため』という理由で、通行止めが継続中だ。都心に最も近い酷道であり、あのループトンネルを走ることができなくなったのが、今なお残念だ。

山の中でぐるりと回り、高度を稼ぐ白草トンネル。トンネルのレリーフにはユリの花が刻まれている。1999年12月に供用開始され、20年も満たない期間で役目が終わったことになる。左側に進むと、東京電力の葛野川ダムにアクセスできる。旧道はダムを行き来する道でもあるので、このまま通行止めが継続しても、打ち捨てられることはないと思うが。

トンネルの中に丁字路があり、ゲートがあって直進はできない。葛野川ダムへ向かうには左折する。

葛野川ダムに出る。ここは葛野川発電所が設置され、撮影時点では1号機と2号機が稼動しており、2014年に4号機が運転開始、最後の3号機は2024年度以降の予定となっているそうだ。揚水発電の下池となっていることから、行くタイミングによって水位がバラバラで、高い日があれば低い日もあった。現在、このダムは『保安上の警戒』という理由で、立ち入ることができないらしい。

山奥で、到着するには酷道を経由しなければならないというアクセス性の悪さから、葛野川ダムはいつも人がまばらだった。
撮影日:2010/06/19
全国各地にある廃道は、朽ち果てた姿になったボロボロの状態だ。この国道139号旧道は、2015年より管理から切り離され、朽ち始めたという表現が合っているのではないか。もしもこのまま放置状態が続くならば、朽ちていくところをリアルタイムで見ていることになる。通行止めは残念だが、廃道という視点では、まだまだ楽しみが残っている。