近所のホンダディーラーで部品を注文して、釣り銭が100円だった。手渡された硬貨は令和4年、つまり2022年の今年に製造されたものとなっていた。店舗のイメージを悪化させないためなのか、受け取る釣り銭はいつも傷が少ない硬貨のように思える。
帰宅後に小銭入れの中身を整理していたところ、昭和47年、1972年に製造された100円硬貨が出てきた。今からちょうど50年前に製造された硬貨で、一般的に寿命とされる30年を大幅に超えて、現在まで流通し続けている。その姿を見た瞬間、随分薄くなっているというか、摩耗している様子がハッキリと分かった。

ぴったり50年の差となった硬貨。昭和47年の100円硬貨は明らかに摩耗して薄くなっており、縁が削れて段差が少なくなっている。対し、右側の令和最新モデルでは、縁の段差が目立つ。カメラでは撮影できなかったが、肉眼で見ると厚さが両者で全く異なっている。

元号や100の数字といった文字の造形まで摩耗している。
100円硬貨では今回取り上げた摩耗のレベルでは、殆どの自販機で受け付ける。それこそ、著しい摩耗や重量が異なって受け付けないことが多いギザ十と異なり、感覚的には全く問題なし。だから日銀に戻されても再び市場に出回り、こうして手元にやってきたのではないだろうか。
手元の貯金箱を開けて調べたところ、昭和42年(1967年)のものが見つかった。これは現行の100円硬貨が製造された初年度で、どういうわけか取り上げた昭和47年モデルに比べて摩耗は少ない。人類は月に降り立っていないし、初代ロータリーエンジンを搭載したマツダコスモスポーツが登場。このときの当時の物価として、もりそば/かけそばが60円、ラーメンが100円だったそうな。
鋳潰された同年代の硬貨も数多いだろうが、情勢が毎日のように変わっていく世の中を循環し続けてきた100円硬貨たちだ。