RP3 ステップワゴンのラジエターファンモーター故障

ドライブに出かけようとしていた職場のM先輩は、渋滞にハマった際に水温が116℃に達していることをモニターで確認。平時の水温よりも高かったことから、異常と即判断してドライブを中止。自走にて一旦帰宅。

目視確認ではラジエターの電動ファンが動いていないことを確認。また、テスターにてモーターの導通状況を調べたところ、∞Ω表示。また、バッテリーに直接接続しても電動ファンは回転しない。以上のことから、電動ファンモーターの不良の可能性ありとして、ホンダディーラーへ緊急入庫となった。

ディーラーでの点検では、入庫申告どおりに動作不良が発見され「回らない」「回ってもゆっくりとしたもの」とのこと。電動ファンモーターの交換にて、正常復帰。水温も90℃以下で安定するようになり、検査良好となった。

では、電動ファンモーターが回らなくなった原因は何か。取り外されたモーターは持ち帰り、解体調査となった。

[車両]
ホンダ RP3 ステップワゴン

[電動ファンの状況]

RP3ラジエターの背面

画像はステップワゴン(RP3,RP4)ラジエーター&左右電動ファンシュラウドセット!!より引用。

フルサイズのラジエター背面に、電動ファンを並列に2機装着。モーターは左右共に共通品を使っている。両方のモーターが回転しなくなっていたため、2機のモーターを同時に交換している。

[モーター本体の解体調査]

電動ファンモーター

モーター単体。直径は10cm程度。

ミツバ製モーターT6610

裏蓋にはMITSUBAの印字。サプライヤーはミツバ製で、メーカー内型番はT6610と思われる。

分解調査開始

2機のモーターはそれぞれ分解。内部は削られたブラシの粉塵が蓄積しており、エアブローにて清掃を行ってから調査を継続した。

回路部分を外す

裏蓋を外し、基板部分を分離する。

マイナス側ブラシは引っ込んだまま

基板上のブラシは、ホルダー内のスプリングでローターのコミュテーターに押し付けられている。通常であれば、コミュテーターが外されるとブラシはスプリングで押し出され、写真のように飛び出てくるのが正常。しかし、このモーターの場合、飛び出てきたブラシは2本。残り2本はホルダー内に引っ込んだままとなっていた。

テスターによる導通が取れなかった原因はここで、何らかの原因でブラシがコミュテーターから離れてしまい、絶縁状態になってしまったことによるもの。

マイナス側ブラシのひび割れ

引っ込んでいたブラシをホルダーから引き出そうとすると、固い引き心地となっていた。引き出したブラシは写真のようにひび割れていることが確認された。

ブラシのひび割れ詳細

ブラシのひびは複数本入っている。ブラシホルダー内で広がるようにしてひび割れ、ホルダー内壁に引っかかって押し出されなくなってしまう。

ひび割れて引っかかった時点では、コミュテーターと接していたので電動ファンは動作はしていたが、運転時間が伸びるにつれてブラシの摩耗が進み、コミュテーターから離れて導通しなくなる。電動ファンモーターが回らない状態が続くが、M先輩は流れのいい道と渋滞の少ない道を着実に選ぶドライバーで、珍しく渋滞に引っかかったときに初めて水温の上昇に気づくことになった。

なお、メーターパネル内の水温異常を示す赤ランプは116℃でも点灯しなかった。車体側のOBD2コネクタに接続しているモニターの具体的な数値から、異常を感じ取ることになった。

プラス側ブラシも割れている

続いて、正常に伸縮しているブラシも引き出す。こちら側もひび割れが認められ、最終的に4本のブラシ全てにひび割れが入っていた。

マイナス側ブラシは引っ込んだまま

2機のモーターを分解して調査した結果、どちらも同じ部分のブラシがホルダー内に引っ込んだままとなっていて、導通が取れなくなっていた。ディーラー側の診断で「ゆっくり回る」というのは、振動や衝撃を与えてブラシが僅かに動きコミュテーターに再接触、導通が元に戻ったときの状態と考えられる。

故障原因が判明して、分解調査は終了。各ブラシがひび割れているとなれば、材料選定や製造工程で何か問題があるものと予想できる。プライベートでできる調査はここまで。

イマ車であっても、旧来のブラシモーターを引き続き使っていることが興味深い。また、電動ファンモーターの交換でフロントバンパーを脱着しており、エーミング作業と工賃が別途発生している。

故障したモーターと記事ネタの提供、本当に感謝します。>M先輩