会社での作業では、鉄板やアルミ板をハンマーで叩いて整形することが多々ある。この打撃作業において使うのがアンビル付きの万力で、実際は「万力のあそこで叩けば」とか「バイスのアレでドッカンドッカンやろうか」というように、あそこ、アレといった表現が殆どで、アンビルとはまず聞かない。
そのアンビルとは。実物を見ると、いかにも叩かれるための構造をしていることがすぐに分かる。

写真はTRUSCO アプライトバイス 強力型 口幅150mmより引用。
よくある万力だが、本体のケツ寄りにTRUSCOと表記がある部分の上部に、真っ平になっている部分がある。ここがアンビル。もともとは鍛冶屋が道具や武器を叩くときに敷く金床(かなとこ)が源で、その英名がアンビル。万力として挟んで固定するだけでなく、鋳鉄であることを活かして打撃作業にも使えるよう、複数の機能を持った工具となっている。
なかなか便利なものなので、プライベートでも使いたいと思ったことは一度や二度ではない。せめて金床があれば、ちょっとした金属加工に役立つと思っていた。普段は収納できるサイズで、使う時に引っ張り出せばいい。鍛冶屋が使うような、大きなサイズでなくてOK。そんなワガママな金床なんてあるのだろうか。
いろいろ調べてみると、コンパクトながら高耐久な金床として、どうもレールが該当するそうだ。そこらの鉄道で使われている、一般的な線路。重量のある車両が高速で走り、その衝撃に長期間に渡って耐えるのだから、人間がハンマーで叩くくらいではビクともしないだろう。
鉄道イベントで販売されるような、文鎮や記念品としてのレールは1cm程度しかなく、これはさすがに薄すぎる。想定される使い方では、5cm程度の幅があれば間に合う。そういった需要に応える業者も存在するようで、切り売りまでしてくれるとは。使い終わったレールを切断加工し、金床として再使用するのもリサイクルの一つか。
ベースとしたのは50kgレール。これは1mあたり50kgあるサイズで、職場で毎日のように見ている60kgレールよりは一回り小さい。それでも部屋に持ち込むと妙な迫力があり、ずっしりとした重量もある。最初に感じたのは、60kgレールにしなくてよかった…と安堵したことだった。