今週は久しぶりの5勤。この5日のうち、事務作業日を除外すれば4日間。体力をうまく分配せねば…と思っていたところに、いきなりの残業ときた。疲労による頭痛も感じているところで、週の早々からしんどい。
職場では、苗字に時計店という単語をくっつけて、まるで店舗のような表現方法が定着しているようだ。時計絡みの相談事があれば、とりあえず持ち込まれる状態になった。
今回は定期的な電池交換で持ち込まれる、DIESEL DZ-4338 クロノグラフについて。電池交換は今年の8月に済ませているが、今度は「なんか11時のパーツが取れて中で転がっているんだよね」という。その申告から、恐らくはインデックスの外れ。とりあえず診るから持ってきてもらうようにして、現物を見て納得。

インデックスとは、文字板上の時分を表すマークや数字。単純な印刷だったり、別パーツによる立体成形など時計の印象を大きく決める要素。
そのインデックス。11時部分のインデックスが外れて、12時のアラビア(数字)インデックスに引っかかっている。ただ単にインデックスが外れただけでなく、時計にとっては非常に厄介な状態。外れたインデックスが針と衝突すると、止まって遅れの原因になり、針が曲がる、歪む、または折れるといった二次トラブルの原因にもなる。少なからず針と干渉していたようで、5分程度の遅れがあった。
裏蓋を開けてムーブメントとケースを分離、外れていたインデックスを拾う。

インデックス単体をチェックし、足が二本ついていることを確認。少なくともインデックスの足が折れたことで、外れたわけではなさそう。文字板側に塗布されている接着剤の劣化によるもの。文字板側の穴を含めてインデックスの装着部分全体をクリーニングして、再接着に備える。
製造時、インデックスは同一タイミングかつ同じ接着剤を用いて、文字板に装着されている。11時のインデックスが接着剤の劣化で取れたならば、他の部分でも取れてしまう危険性がある。予防措置的に接着剤を流し込んでおくか、その都度対処するかは、状況次第といったところか。

インデックスを文字板に取り付けた。ケース内でインデックスが動き回ったことで、白いプリントが若干欠けている。接着剤の乾燥、ケースからムーブメント一式を取り出したことによる入念な清掃、外れたインデックスと針の接触による異常の有無、これらの付帯作業を含めてだいたい3時間程度。
時刻を合わせておき、一晩運針させて遅れがなく、日付変更が正常に行われていることを確認して返却。ご依頼ありがとうございました。