クロックの分解調査

異音を解決してほしいということで預かっているクロック、三協精機のドラム型時計No.613Zの分解をさっそく行った。

裏蓋を開けて動力部を見る

裏蓋を外すと最初に見えたのがコイル。歯車を収めた箱があることから、ここが動力源となるモーターとなる。電源コードから直接コイルに繋がっていることから、商用電源の50Hzと60Hzの周波数をそのまま60秒のカウント用に使っており、水晶振動子やICといった電子回路はなし。電源コード分岐して、緑色と灰色の配線が出ており、こちらはバックライト用の配線。

50Hzモードでの輪列

モジュールを取り出して、50Hzと60Hzの切り替えメカニズムをチェック。写真は50Hzモードでの使用時。所有者と私の居住地は、共に50Hz地域なので、この設定で使う。

60Hzモードでの輪列

西日本の60Hz地域に持って行った場合、60Hzモードに切り替える。レバーを動かすとギアが入れ替わっており、周波数に応じてギア比を変えることで、60秒のカウントを維持していることが分かった。

同期モーターを使っている以上、周波数が上がればモーターの回転数も上がる。そこで60Hzはそのまま、50Hzの場合は増速するギア比に変更することで、周波数に寄らず60秒を機械的に作り出すようになっていた。

変速機構の配列

変速機構、クロックのトランスミッションを上から見るとこのような配列になっていた。上部からの撮影で、50Hz用スパーギアが隠れている。カウンターギアと一体になって回る60Hz用ギアと50Hz用ギアを比べると、50Hz用ギアのほうが大きくなっており、モーターからの回転数を落とし過ぎないようなギア比となっていることが分かる。

50Hz用と60Hz用のスパーギアで回転数を変えながら、秒ドラム用中間ギアに動力が伝わる。ここで秒ドラムを1分間に1回転させながら、分ドラム、時ドラムを回転させていく。

目覚まし機能動作前

次にチェックしたのが目覚まし機能。こちらも機械的な構造をしており、目覚まし時刻になっていない時間帯では、午前午後表示ドラムが目覚まし時刻ドラムから離れている。

振動板は離れている

午前午後表示ドラムと繋がった振動板も、コイルの鉄芯から離れている。鉄芯の一部が汚れていることから、ここが音源らしい。

目覚まし機能動作

目覚ましを設定した時刻になると、午前午後表示ドラムが目覚まし時刻ドラムに接触する。

コイルに振動板が接触

するとコイルの鉄心に振動板が接触し、これがビーという大きな音を立てる。ここでも商用電源による音になるため、50Hzと60Hzで微妙に音色が違うことが予想される。

モーターを分解

異音の発生源はモーターだろうと予想して、モーター部分を分解していく。ギアボックスのフタを開けると、ローターが顔を出した。

ローター内部を確認

コイル鉄心ユニットとギアボックスを分離。これで歯車類のチェックが可能になった。異音の原因はローターのグリス切れ。グリスが失われていることで、鉄心の磁力でローターが必要以上に振動を起こし、ゴウンゴウンゴウン…とうなり音を上げていたようだ。グリス切れとなれば、残っている古いグリスを一旦落とし、再度注油していくことになる。原因が見えてきたところで、今日は時間切れ。