関電トンネル電気バスに乗る

立山黒部アルペンルートを構成するルートの一つに、かつて関電トンネルトロリーバスがあった。トロリーバスとは、道路の上に張られた架線から電気を取り入れ、モーターを回して走るバス。見た目はバスだが、その実態は鉄道、電車であり、無軌条電車が正式名称となる。

日本国内では戦後に各地で運行されていたそうだが、モータリゼーションによる自動車の増加に伴い、渋滞だらけでダイヤを維持できなくなったこと等で次々と廃止され、2018年の時点では関電トンネルトロリーバス、立山トンネルトロリーバスの2路線が残っていた。2018年12月1日、車両の老朽化で関電トンネルトロリーバスは鉄道路線としては廃止。翌年春からは、電気バスによる運転になり、鉄道路線からバス路線に切り替わることになった。2019年現在、立山トンネルトロリーバスが、日本唯一のトロリーバスとなっている。

2018年9月22日、関電トンネルトロリーバスが廃止される前に『乗り鉄』をやっていた。電気バスに転換されてから、どのように変化したのか、さっそく見に行くことになった。

バス路線化されてバス停留所となった現在でも、引き続き扇沢駅を名乗る。往復きっぷを購入して、すぐに構内へ入場する。バスは麓側の扇沢駅にて急速充電を行って、車体に搭載したリチウムイオンバッテリーの電力だけで黒部ダム駅まで駆け上がり、扇沢駅まで下ってくると、再び急速充電を行う…というサイクルを繰り返す。

電気バスの充電用パンタグラフ

そんな扇沢駅にて、充電用のパンタグラフを上昇させて急速充電中。充電用のパンタグラフなので、走行用パンタグラフとは形状が大きく異なる。停車位置が多少ズレても、パンタグラフの接点が接触できるように前後の余裕が確保されている。

黒部ダム駅での発車待ち

大勢の登山客に紛れて、黒部ダム駅に到着。車体は日野ブルーリボンがベースとなっており、乗り心地や車内の雰囲気は路線バスと全く変わらない。モーターの駆動音や制御装置からのノイズは殆ど聞こえず、音鉄ファンは落胆すること間違いなし。

黒部ダムの対岸から

後々、立山トンネルトロリーバスの乗り鉄も視野に入れるとして、まずは黒部ケーブルカーの黒部湖駅まで歩いてみる。黒部湖の対岸に見えるのは、先ほどまでいた黒部ダム駅やレストハウスなど。

ダムの設備や構造調査のため立ち止まって見ていると、何か興味深いものがあるらしい…と察した他の観光客が押し寄せてくるので、裏をかくような行動を心がけてデータを収集。観光客の行動パターンを読んで、混雑する前にダムカレーを食して、早めに黒部ダムから引き上げる。

パン上げ充電中

扇沢駅に戻ると、さっそくパン上げで急速充電を開始。カチャンッと音を鳴らしながら、給電線とスリ板が接触する様子は、電車のパン上げと全く変わらない。「パン上げは変わらんね」と、仕事中の意識に戻ってしまう瞬間。

300形で使われていたトロリーポール

扇沢駅では、解体された300形のトロリーポールが展示されていた。他にも歴代のトロリーバスの部品が展示してあって、ここにはバス路線ではなく鉄道線があったことを伝え続けている。

総走行距離は595km、総合燃費は17.5km/L。今日は13日の金曜日で仏滅という強烈な組み合わせで、コレが関係しているとは思えないが、単独事故、車両火災、パンク、縁石ブロックに乗り上げて亀の子状態、猿身(人身ではない)事故未遂と、なかなか濃い道中となった。お疲れ様でした。>参加者