破産報道

秋葉原にある鉄道模型店、F MODELSを展開するF&MOKEI株式会社が破産したそうだ。模型店が潰れることは珍しいことではなく、ここ数年でも近所の模型店が潰れたところだが、今回の場合はネットニュースの記事になり、Yahoo!のトップページにも表示された、Twitterでも騒ぎになっていたという点では、異質かつ興味深い事例となった。

会社の鉄道模型部の面々から情報収集をしてみたところ、今年に入ってから「予約した商品が入荷しない」「予約品を勝手に売られた」「現金特価常態化」といったトラブルが当たり前のように起きていたそうだ。挙句「前金で払ってくれれば、送料無料で商品を送る」とまで告げられて、さすがに何か変と感づいたらしく、予約は一切キャンセルして事なきを得ていた。遅かれ早かれ潰れると考えていたようで、擁護するようなことは誰も口にしていなかった。

商品が入荷しない、勝手に売られた、現金特価とくれば、手元の運転資金が無くなっているのと同義。仕入れに必要な金が無い以上は、問屋側も卸すわけにもいかなくなる。そこで手早く現金を入手できるよう、少量入荷した商品をすぐに買ってくれる客に流してしまい、利益は少ないが現金がやってくる特価セールを連発して、少しでも金を作れる環境を作っていたようだ。

店舗の公式Webサイトの告知ページを読むと、事態がどんどんおかしくなっていく様子が見て取れるようになっている。金を作る環境として、中古品の取り扱いも計画していたようだ。二束三文で買い取って、店ではそこそこの値段で売れれば…と幻想を抱いていたのだろうか。予約した際の割引率が変わり、中古品の取り扱いをスタートして、前金での対応を求められるとは、壱番館とそっくりなパターンに感じた。

前金ビジネスの怖さは、はれのひ、てるみくらぶの破産で記事になっている。先の記事に、この模型店を当てはめてみれば、なんとなく原因が見えてくる。店側は、前金で受け取った金のせいで「資金はある」と勘違いしてしまい、急な業務拡大(貸しレイアウト)や販売商品拡大(塗料や室内灯)を行ってしまい、資金が枯渇したと予想できる。前金予約がうまくいっているならともかく、潰れる前の足掻きとなっていた場合、本当に潰れてしまうと返金は極めて厳しいものとなってしまう。前金制は、預かった金を店側が先に使ってしまう可能性がある以上は、買い手側にもリスクがある。

鉄道模型だけでなくRCカーにも当てはまるが、定価が設定されていながら、2割引、3割引での販売が当たり前に行われていることに、大丈夫なのか?と思うことが少なからずある。そういった販売方法に慣れてしまい、数パーセントの割引率の違いで、高い、客を舐めていると感じて店に行かなくなるようでは、店側だけの原因ではない。

ただ、F MODELSの場合、ある店員の接客態度に対する批判が極めて多い。こういった口コミは広がり続けるので、新規の顧客を逃してしまう遠因にも繋がる。あらゆる情報が一気に入手できる今の時代、趣味事業はどれだけのビギナーを実際に得られるかが勝負になってくると思う。裾野を広げることなく、限られた馴染みの客だけを相手して、その貴重な客でさえ軽く扱っていたならば、潰れる原因は店側にあったということ。