ドナーがやってきた

現在まで、シチズンホーマーの修理は全く行っていない。ちゃんと理由があり、手を付けていないのではなく、待ち続けていたためだ。

ダメになった部品が入手できないとなれば、時計師なら旋盤で部品を作り出すのだろうが、こちらは趣味の一環、手先をより器用にするための訓練として修理を行っている。ダメになった部品は移植していくしかない。ドナーとなるムーブメントが出てくるまで、ひたすら待つことにしていた。

それこそ、ブラックジャックの『白葉さま』のワンシーンにあるように、期間を設けることなく「待つ」ことを決め込んでいた。

シチズンホーマーは、国鉄時計に採用されていた経歴があるので、中古市場では高値安定の相場となっている。そんな環境の中で、ときどき相場から大きく外れた値段で出品されることがあり、これはヤフオク、メルカリ共に同じ傾向がある。いわばお宝が出てくるまで、何ヶ月でも待つことを覚悟していたら、あれよあれよと物事が進んでしまい、あっという間にシチズンホーマーのムーブメントを入手することができた。

シチズンホーマーのムーブメント

必要となるのは日の裏車、日の裏車押さえ、香箱車。後々、これらの部品を移植するとして、まずは部品取りムーブメントが精度問わず、24時間以上動き続けるか、分解前診断からスタートしたのが、昨夜の出来事。

18,000bphのロービートで、ゆったりとしたチクタク音の中に、微かに「リンリン」もしくは「キンキン」という鈴のような音色が鳴っており、オメガ、グランドセイコー、セイコー、オリエント、ロレックスと機械式時計の音を聴いてきた中では、トップクラスのいい音だ。レシピエントとなる移植先のムーブメントで、同じ音が出せるかどうか。

ケース分解完了

ケースの分解と基本洗浄も完了。アクリル風防は無事に外れたが、代替品の選定をどうするか。