無事に磁気抜きが終わった鉄道時計に、いよいよエピラム処理を行う。エピラム処理は部品へ直接行う一種のコーティングで、潤滑油を撒き散らしにくくすることで、長く留めることができる。
時計修理用として売られているエピラム処理液は凄まじく高価なもので、Amazon価格の場合、100cc入りで20,000円前後。ちょっと手が出ない。ところが、無水エタノールとステアリン酸を個別に入手し、配合すると自前で作れるという情報をキャッチし、レシピも簡単に見つかることから、さっそくエピラム処理液を作ることになった。
必要なものは無水エタノール100cc、ステアリン酸0.08~0.09g、電子はかり、ビーカーとガラス棒、シャーレや陶器系の器など。

200g入りのステアリン酸から、0.08~0.09gしか使わないので、パックはほぼ一生分の量となる。実際はナマモノなので長期保存には向かず、適度に買い換えることになるが。量ったステアリン酸を100ccの無水エタノールに混ぜて、上澄み液を別の容器(ここではシャーレや展示用のマグカップ)に移し、そこで時計の部品を30秒ほど浸して、自然乾燥でコーティングしていく。
入手に時間が掛かったのが実は無水エタノールで、地元の薬局に行っても「うちには70しかなくて」と、消毒用しか見当たらず。しかも、お互いに消毒用や無水といったキーワードを言わず、私も「99が欲しいんですけどね?」と言うあたり、もしかしたら別の用途で薬品を欲しがっている客に見えたのかもしれない。

各部品を漬け込んで、しっかり乾燥させれば、いよいよ組み立て作業に入れる。時計のオーバーホールをする機会はそう多くなく、不完全な保管で質を悪くするより、その都度作り出したほうが良質な処理液を用意できると考えたため、自前のエピラム処理液は、燃えるゴミとして廃棄した。
義務教育時代は理科室が大好きで、現状のにビーカーや薬品が並んだ机になって、大満足。