以前ならば、部屋には24時間パソコンが稼動していて、当然寝るときも稼動している。稼動しているということは、少なからず騒音を発している。冷却ファンから発せられる風切り音や、ハードディスクの動作音が主な発生源。知恵と工夫を重ねる静音対策を考えるのは一つの楽しみだけど、意外と手間がかかるし、その手間に見合う効果はわずかなもの。そんなわけで、いつの間にか身体側の対策に切り替えた。要は騒音に慣れてしまえばいい話。おかげで、少々うるさい中でも普段のように寝ることができた。
ところが、24時間稼動のパソコンを撤去して、部屋は静かな環境になった。うるさい状態が普通だと思っていた空間が、今度は無音に変化した。騒音の中で寝てきたこともあって、無音が変な感じだ。この妙な感じのおかげで寝れない日々が続いた。酒に頼ることがあったし、睡眠薬を飲もうとした(いや…飲んだかな?)こともある。ただ、結局はこれも慣れの問題。しばらくすれば、無音で寝れるようになっていた。
無音で寝れることに慣れると、今度は他の部屋の生活騒音が気になってくる。なかなか繊細というか、ずいぶん勝手な性質だと思う。はっきりとした騒音ではなく、聞こえるか否かというレベルの騒音が気になって寝付けない。しかし、今度ばかりは酒や睡眠薬の類は除外したい。目に見える体力低下のおかげで、疲労からくる睡魔は強烈だ。身体は寝ようとしているのに、聴覚だけは元気で睡眠を邪魔している。そこで、強制的に聴覚を切るために、耳栓を突っ込んで寝てみると、とても具合がよく、あっという間に寝入ることができた。しかも、ビニールロープ付の耳栓で、寝返りを繰り返すうちに自然と耳栓が抜けて、翌朝の目覚まし時計はばっちり聞こえる。使うのがちょっとクセになってしまい、出張のお供になった過去もある。
耳栓のおかげで、完全なる無音でないと寝れないようになってしまったのが欠点か。本当は、何かに頼ることなく自然と寝れるのがいいのだけど。